女性のセールスエンジニアのキャリアパス・結婚後の生活
女性のセールスエンジニアの現状
女性よりも男性の方が多い
セールスエンジニアの主な働きの場となる「IT業界」は、全体的に男性の割合が多い業界です。
システムエンジニアやプログラマーといったITエンジニア職を好むのはやはり女性よりも男性の方が多く、またそのようなITエンジニア職の人たちがゆくゆくはセールスエンジニアに移行していくパターンが主流のため、結果的にセールスエンジニアも男性が多くなっているのが現状です。
そのため、自社のセールスエンジニア部隊が全員男性であるという会社もまだまだ珍しくはないでしょう。
女性も少しずつ増えてきている
しかし近年は情報化社会が進み、男性女性関係なくコンピュータやIT技術に興味を持つ人が増えているため、IT業界の女性人口は以前に比べると着実に増えてきてはいます。
また、セールスエンジニアをはじめとした「IT人材」というのは、現状人手不足が加速しているため、女性人材やシニア人材などを積極採用して、人手を確保しようとする動きも業界全体で進んでいます。
女性社員向けの制度も充実しはじめ、女性が働きやすい業界にもなってきていますので、今後は女性のセールスエンジニアというのも珍しい存在ではなくなっていくかもしれません。
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女性のセールスエンジニアの強み・弱み
女性の強み
セールスエンジニアの仕事は、次のような女性ならではのコミュニケーション上の強みを生かしやすいです。
<セールスエンジニアの仕事に生かせる女性の強み>
・親和性:女性は第一印象もよく、誰とでも親しい関係を築きやすい適性がある
・共感性:女性は男性よりも相手と「共感」する力が優れており、お客さまとの距離縮めやすい
・協調性:女性は周囲との協調性も高く、気配りなども上手いため、長期的な信頼も得やすい
セールスエンジニアというのは、単に商談に参加するだけでなく、その後のアフターサポートなどを通し、「長期的」にお客さまとの良好な関係を築いていく必要のある職業です。
また、お客さまと社内の開発部の橋渡し役として、調整業務なども任されることもあります。
そのため、潜在的なコミュニケーション力の優れる女性の方が、男性よりも活躍しやすい職業ともいえます。
また、女性のセールスエンジニアはまだまだ珍しい存在のため、印象にも残りやすく、時には女性というだけで喜んで貰えることもあるようです。
女性の弱み
一方で、女性ならではの弱みとしては次のようなものが挙げられます。
<セールスエンジニアとして働く上での女性の弱み>
・女性というだけで技術に詳しくなさそうに見られ、説得力が弱まりやすい
・仲よく話せる相手としては好感されるが、ビジネスマンとして見られにくい
・女性は親しい関係を築ける分、なんでも気軽に依頼され、余計な仕事も増えやすい
など
セールスエンジニアは、単にお客さまに気に入られ、良好な関係を築くだけでなく、商談を成功に導く必要もあります。
しかし、そのようなビジネス的なやりとりでは、やはり女性だからと甘くみられてしまうこともあるようです。
セールスエンジニアの結婚後の働き方・雇用形態
セールスエンジニアの仕事に就く女性というのは、もともとキャリアウーマン志向の人が多いため、結婚を機に寿退社するような人は少なく、その後も現役として働き続ける人の方が多いようです。
夫婦共働きが当たり前になっていることもあり、雇用形態としてもパートなどの非正規雇用に移行することは少なく、結婚後も変わらず正社員のセールスエンジニアとして働き続けるケースが目立ちます。
また最近は、セールスエンジニア向けのフリーランス案件も増えてきているため、結婚し夫の収入の柱ができたことを後ろ盾に、独立してフリーランスに挑戦する人もいるようです。
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セールスエンジニアは子育てしながら働ける?
子育てが難しい側面もある
セールスエンジニアには、次のような子育てをする上での弊害要素もあります。
<セールスエンジニアの子育ての弊害要素>
・正社員の場合、定時で帰れる日ばかりではなく、残業をしてまで残りの仕事を片付けなければならないこともある
・お客さまの都合で商談の時間が夕方頃になったりすると、帰宅が夜遅くになること日もある
・営業のように接待で会食などに参加することもあり、帰宅が夜遅くになること日もある
・緊急なトラブル発生時には、休みの日であってもお客さまに呼び出されることもある
・プライベートな時間を使ってまで、技術勉強をしなければならないこともある
など
このように、セールスエンジニアの場合は、お客さま側の都合に振り回されやすく、帰宅が夜遅くになったり、休日にまで出社しなければならないこともあり得ます。
時には、子どもと顔を合わせられない日も出てくるため、小さなお子さんのいる家庭であれば親族の理解や協力も求められてくるでしょう。
子育ての両立ができないわけではない
とはいえ、実際に子育てをしながらセールスエンジニアとして働いている女性もいます。
昨今のIT業界は、女性の働き方にも配慮する傾向がみられ、子育て休暇、時短勤務、社内託児所などの支援制度を独自に用意する会社も増えてきています。
またセールスエンジニアの場合、お客さまの都合に振り回されやすい一方で、お客さまとの予定さえ入っていなければ、出社時間・退社時間をある程度ズラして働ける会社も多いです。
たとえば、お客さまとの予定が入っていない日には、子どもを学校に送り出してからゆっくり出社したり、もしくは子どもが学校から帰る時間に合わせ、自分も早めに帰宅する日が作れることもあります。
セールスエンジニアは女性が一生働ける仕事?
年齢が武器となることもある
セールスエンジニアは、お客さまと直接やりとりをする分、「人間性」の部分も問われてくる職業です。
何億円という大金が動く商談も珍しくはないため、駆け出しの若いセールスエンジニアよりも、年齢を重ねた熟練のセールスエンジニアの方が信頼感や安心感を持たれ、仕事が上手くいくこともあるようです。
そのため、若いうちだけ活躍できる職業というわけではなく、歳を取っても比較的長く続けていける職業といえるでしょう。
高齢になった場合の懸念点
ただし、定年を迎え60代以上になっても、一生働けるかというと難しい部分もあります。
「定年後再雇用」で再び会社員として働く、もしくは「フリーランス」として独立して定年関係なく働くという道も用意されてはいます。
ただし、60代70代となってくると「最新の技術を理解できているか」などの疑心を持たれることもありますので、これまで以上に説得力のある対応が求められることもあるでしょう。
また、セールスエンジニアは営業のようにお客さま先を飛び回る機会も多いため、一定の体力は備えておく必要があります。
高齢になっても現役として働き続ける場合は、そのような懸念点を考慮し、対策をしておく必要があるでしょう。