セールスエンジニアの年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説
セールスエンジニアの平均年収・給料の統計データ
セールスエンジニアには、営業やセールス面のスキル、またエンジニアとしての技術知識の両方が求められます。
幅広い能力が問われる難易な仕事ではありますが、給料が飛び抜けて高いという訳でもなく、年収は一般的なサラリーマンの平均年収とさほど変わりません。
ただし、能力差も出やすい職種であり、中にはインセンティブ報酬制度を用意している会社もありますので、実力次第では高収入に繋げられることもあるようです。
セールスエンジニアの平均年収・月収・ボーナス
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、セールスエンジニアの平均年収は、41.6歳で620万円ほどとなっています。
・平均年齢:41.6歳
・勤続年数:13.6年
・労働時間/月:166時間/月
・超過労働:11時間/月
・月額給与:400,000円
・年間賞与:1,404,300円
・平均年収:6,204,300円
出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
求人サービス各社の統計データ
職業・出典 | 平均年収 | 年収詳細 |
セールスエンジニア (転職ステーション) |
444万円 | ‐ |
技術営業 (Indeed) |
3,772,553円 | 時給:1,275円 |
月給:267,103円 | ||
セールスエンジニア (求人ボックス) |
517万円 | 月給: 43万円 |
初任給: 21万円 | ||
派遣社員: 2,060円 | ||
全体の給与幅 :357〜1,012万円 | ||
セールスエンジニア・プリセールス (転職会議) |
606万円 | 20代前半:平均 355万円 |
20代後半:平均 459万円 | ||
30代:平均 602万円 | ||
40代以上:平均 879万円 | ||
プリセールス(IT/通信系) (DODA) |
658万円 | 生涯賃金: 3億1316万円 |
男性:651万円 | ||
女性: 529万円 | ||
20代:471万円 | ||
30代:625万円 | ||
40代:858 万円 | ||
50代: 925 万円 | ||
セールスエンジニア/FAE(電気/電子/機械系) (DODA) |
498万円 | 生涯賃金: 2億6,117万円 |
男性:503 万円 | ||
女性 :433万円 | ||
20代:411万円 | ||
30代: 527万円 | ||
40代 :652 万円 | ||
50代: 689 万円 |
これら各社の統計データをみると、セールスエンジニアの年収は380万円~650万円程度が目安となってくることが伺えます。
注意点として、セールスエンジニアという職種はエンジニア職や営業職で経験を積んだ人がその先のキャリアとして就くケースが多いため、平均年齢は高くなりがちです。
セールスエンジニアの平均年収を見る上では、そのような年齢層の偏りも考慮しておく必要もあるでしょう。
なおセールスエンジニアには、「IT/通信系」の業界で働くセールスエンジニアと「電気/電子/機械系」の業界で働くセールスエンジニアの大きく2系統があり、IT/通信系で働くセールスエンジニアの方が年収が高めであることが伺えます。
セールスエンジニアの手取りの平均月収・年収・ボーナスは
一般的には、ボーナスは年に2回、基本給の1.5〜2ヶ月分を受けとれる会社が多いです。
仮に年収500万円とすると、月々の月給は約30万円×12カ月、その他にボーナス約60万円×2回(夏期、冬期)といった内訳になることが多いでしょう。
なお「手取り金額」としては、住んでいる地域や家族構成などにもよりますが、月収30万円の場合であれば手取り約23万円~25万円になることが多いです。
セールスエンジニアの初任給はどれくらい?
大学卒業後、一般的なIT企業にセールスエンジニアとして入社した場合、新卒の初任給は約20万円~23万円が目安となってきます。
さらに大学院まで卒業していれば「院卒」の扱いとなり、1~2万円程度初任給が上乗せされる会社もあります。
一方で「専門学校卒」や「高卒」ですと、1~2万円程度初任給がダウンすることもあります。
なお、セールスエンジニアは高度で幅広い能力を求められる職種ではあるものの、他の職種よりも初任給が特別高く設定されることは少ないようです。
セールスエンジニアの勤務先の規模別の年収(令和5年度)
セールスエンジニアの年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。
10〜99人規模に勤めるセールスエンジニアの平均年収は549万円、100〜999人規模は599万円、1,000人以上規模は701万円、10人以上規模平均は620万円となっています。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
セールスエンジニアの勤務先の年齢別の年収(令和5年度)
セールスエンジニアの年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、55~59歳の819万円です。
全年代の平均年収は620万円となっています。
セールスエンジニアの福利厚生の特徴は?
セールスエンジニアを採用するような企業は、一定の規模のあるIT企業やメーカーであることが多いため、福利厚生は比較的恵まれている傾向です。
交通費支給、住宅手当、社会保険制度、退職金制度など、一般的な福利厚生は整備されていることが多く、会社によっては社宅や社員寮が用意されているところもあります。
また、セールスエンジニアは出張が多い職業であり、その際にはは必要旅費・出張手当などが支給されるのが基本です。
20代で正社員への就職・転職
セールスエンジニアの給料・年収の特徴
給料が特段高い職種ではない
セールスエンジニアは、セールス・営業のスキルに加え、さらにエンジニアとしての技術知識も必要になる高度な職種です。
だからといって収入面で特別扱いされることは少なく、IT業界内でも給料水準は高くもなく低くもなくといった位置付けのようです。
ただし後述する「インセンティブ報酬」なども用意されいるため、能力を磨き実績を上げられれば、同じ会社であっても収入を伸ばすことは可能なようです。
インセンティブ報酬で給料アップ
会社によってはセールスエンジニアに対しても、営業職と同じように「インセンティブ報酬」の制度を用意していることもあります。
インセンティブ報酬というのは、成果に応じてプラスαの報酬が支払われる制度のことであり、大きな商談やプロジェクトを成功に導くことができると、多額の報酬が貰えることもあるようです。
ただし、過度なインセンティブ報酬を設定している会社などであれば、その分たとえセールスエンジニアであっても、成果やノルマが厳しく問われることもあるようですので、その点は頭に入れて置く必要があるでしょう。
夜間や休日の対応で給料アップ
セールスエンジニアは、お客さま企業と自社を繋ぐ「橋渡し役」のようなポジションでもあります。
そのため、導入したサービスに問題やトラブルがあった場合、窓口として、夜間や休日であってもお客さまの対応に当たらなければならないこともあります。
そのような場合には、「残業手当」「夜勤手当」「休日出勤手当」などが支給されるのが基本であり、ときにはそれらの各種手当で収入額が大きくアップすることもあります。
セールスエンジニアの勤務先別の給料・年収
IT業界で働くセールスエンジニアの給料
セールスエンジニアというと、一般的には「IT業界」が主な働きの場となります。
とくにIT業界のSler系企業がセールスエンジニアを積極的に採用しています。
IT業界のセールスエンジニアの平均年収は、前述したDODAのデータによれば約625万円となり、良好な数値となっています。
ただしIT業界というのは、長時間残業や緊急の休日出勤なども多めの業界でもあるため、残業手当や休日出勤手当で平均年収が底上げされている可能性も考えられます。
機械業界で働くセールスエンジニアの給料
機械系製品や医療系製品など専門的な製品を扱う機械メーカーでも、セールスエンジニアという職種が用意されています。
そのような機械業界のセールスエンジニアの平均年収は、前述したDODAのデータによれば約507万円となり、IT業界から比べるとひと回り収入水準は下がるようです。
ただし機械業界の場合、日本全国や海外への出張なども発生しやすいため、出張手当や海外赴任手当などが別途期待できることもあるでしょう。
ベンチャーや中小企業で働くセールスエンジニアの給料
一般的には、ベンチャー企業や中小企業の給料水準や福利厚生の待遇というのは、大手企業のそれに比べると低めになりやすいです。
ただし昨今は、わずか数年で急成長したITベンチャーやWebベンチャーなどがセールスエンジニアを採用していることもあります。
そのような時代の波にのったベンチャー企業や、革新的な技術をもつベンチャー企業などであれば、大手企業顔負けの、もしくは大手企業以上の給料が支払われるケースもあるようです。
20代で正社員への就職・転職
セールスエンジニアが所属する代表的な企業の年収
会社名 | 平均年収 | 平均年齢 |
日立製作所 | 915万円 | 42.9歳 |
NTTデータ | 867万円 | 39歳 |
トレンドマイクロ | 883万円 | 39.8歳 |
出典:2024年現在(各社有価証券報告書より)
日立製作所の平均年収
日立製作所は、ITから電子機器、エネルギーから鉄道開発などまで、幅広い事業を手掛ける国内の総合電機メーカーです。
特に同社のIT部門では、セールスエンジニアの採用が積極的に行われ、平均年収は915万円と高額であり、1000万円を越える社員も珍しくはないようです。
ただし、新卒時の初任給は大卒で21万円前後となり、特段に高いわけではありません。
勤続年数を重ねることでの収入の伸びが大企業だけあって大きいようで、長年勤めることで高額な収入となっていくようです。
NTTデータの平均年収
NTTデータは、金融系システムから公共系システム、AI・人口知能分野まで幅広く手掛ける国内最大級のSler(システムインテグレータ)です。
取り扱うIT案件の規模も大きく、官公庁や名高い大企業相手にセールスエンジニアとして提案活動をする機会にも恵まれているでしょう。
NTTデータも平均年収は867万円と高額であり、勤続年数を重ね役職が付くと、年収1000万円を越えてくることもあるようです。
元々は日本電信電話(NTT)のデータ部門が独立した会社であり、現在も主要株主にはNTTがいるため、倒産リスクの少ない安定した会社ともいえるでしょう。
トレンドマイクロの平均年収
トレンドマイクロは、セキュリティソフトの「ウィルスバスター」シリーズを手掛けるソフトウェア企業です。
日本国内での会社設立は1989年となり、まだ歴史は浅いものの、ウィルスバスター等のヒットにより一躍大企業に成長し、2000年には東証一部上場を果たしています。
「グローバル・グレーティング・システム(GGS)」と呼ばれる、19段階のグレードに分かれた職務等級制度を導入しているのが特徴的でもあり、成長をしっかと評価してくれるようです。
また、新卒採用者であっても「年俸制」を採用しており、賞与が年に4回も用意されている点も注目したい部分です。
セールスエンジニアの正社員以外の給料・年収
派遣社員
派遣のセールスエンジニアの給料相場は、時給2000円~3000円程度が目安です。
扱う製品が難易であったり、高度な技術知識が求められる場合は、時給3000円を大きく超える求人もあり、週5日フルで働けば正社員以上の月収を獲得できることも珍しくありません。
ただし派遣社員の場合、ボーナスや福利厚生面の待遇が正社員よりも劣ることが多いため、それらも考慮した上で月収を見る必要があるでしょう。
アルバイト
セールスエンジニアは高度な能力が求められるため、アルバイト採用を行っている会社というのは残念ながら数少ないのが実情です。
仮にアルバイトを募集していても、営業職の補佐や雑用といった位置付けであり、一般的なセールスエンジニアの仕事とは異なるケースもあるようですので、不一致を避けるためには事前に仕事内容をよく確認する必要があるでしょう。
フリーランス
昨今は、セールスエンジニアが行うようなプリセールス業務を、個人に業務委託している会社も増えてきています。
独立しフリーランスとしてそのような業務を受注する場合、平均の月単価は約60万円~70万円が目安です。
ただしフリーランスの単価は実力次第になりますので、人によってはアルバイト程度の収入うにしかならないこともあり、逆に実力者であれば月単価が100万円を越えてくる人も多いです。
セールスエンジニアが収入を上げるためには?
技術知識を深め、より待遇のよい会社に転職する
セールスエンジニアが収入の底上げをするには、給料水準の高い大手企業や外資系企業などに転職することがわかりやすい解決策となってくるでしょう。
そのためには、より自身の知識やスキルを磨き、市場価値を高める必要があります。
セールスエンジニアの場合、営業やセールスのスキルも磨く必要もありますが、それ以上に「技術知識」は重要な要素です。
技術知識を熟知するまでには長い年月が掛かりますが、その分、深い部分まで知見のあるセールスエンジニアとなれれば差別化を図れ、転職市場でも優位に立ちやすくなるでしょう。
先端IT分野に注目
AI・ビックデータ・IoT・クラウドコンピューティング・ロボットといった、いわゆる「先端IT分野」と呼ばれるカテゴリーの技術は、今後需要が大きく増えるといわれています。
まだまだ有識者も少ない分野でもあるため、これら先端IT分野にも明るいセールスエンジニアとなれれば、引く手は多くなり、転職活動も優位な条件で進められることが増えてくるでしょう。"