臨床工学技士に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
臨床工学技士に向いている性格・適性
臨床工学技士として働くのに向いている性格や気質の一部を以下に挙げてみましょう。
このような気質でないと臨床工学技士になれないというわけではありませんので、参考までにご覧ください。
人を助けたい気持ちが強い
臨床工学技士が接する患者さんは、血液の浄化機能がほとんど働かない、心臓疾患があるなど、比較的重い病状の患者さんが多くなります。
そのような患者さんとは心臓を一次的に止めるような大掛かりな手術や、週に3日・数時間かけておこなう透析などで関わりを持ちます。
患者さんの大変さを我がことのように考え、懸命に業務に取り掛かれる人は臨床工学技士に向いているといえます。
凝り性である
臨床工学技士が扱う医療機器は、大きなものから小さなものまで多種多様にわたります。
また現在でも進化を続けており、新たな医療機器も続々と開発されているのが現状です。
医療機器の進化や機能に熱中できる性質を持つ人であれば、新たな機能が追加された機材が導入されたとき、すぐに操作や管理をおこなえるようになるでしょう。
冷静さがある
心臓手術で人工心肺を操作しているときや、集中治療室で生命維持装置の監視をしているときには、患者さんの容体急変時にも冷静に対処する必要があります。
どのような局面でも冷静に医師の指示をあおぎ、焦らずに自分のすべきことができる人は臨床工学技士に向いているといえるでしょう。
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臨床工学技士に必要なスキル・能力
臨床工学技士が働くうえで必要となってくるスキルにはどのようなものがあるか、以下に挙げてみましょう。
工学的な知識
臨床工学技士として働くときに必要不可欠なのが、医療機器を扱うための工学的な知識です。
さまざまな医療機器を正常に操作し、必要とする患者さんを迅速に助けるためにも無くてはならないものです。
臨床工学技士の養成課程においても、医療の知識と共に工学系の科目を広く学ぶことになります。
判断力
臨床工学技士はつねに自分一人の判断で医療機器を操作するわけではありませんが、急な事態には臨機応変に対応しなくてはいけません。
とくに急性期医療の患者さんで容体が急変しやすい場合などは、患者さんの変化に合わせて正しい判断をする力が求められます。
注意力
前述の判断力とともに大切になってくるのが、患者さんの容体の変化を見逃さない注意力です。
手術中や術後すぐの患者さん、また救急で運ばれてきて生命維持装置が必要と判断された患者さんなどは、常に慎重に見守る必要があります。
体力
臨床工学技士は、長時間の手術の介助に入ったり、オンコール等で帰宅後すぐにまた呼び出されることもあります。
また、最近では24時間体制で臨床工学技士が働く医療機関も増え、夜勤や残業のあるところも少なくありません。
そういった勤務状況にも耐えうる体力を培っておくことも大切でしょう。
臨床工学技士に向いていないのはどんな人?
ここでは、「臨床工学技士として向いていない・直したほうがよい気質」の一例を挙げてみます。
ただし、このような性質だからといって臨床工学技士として働けないわけではなく、努力次第で克服することも十分可能です。
注意力が散漫である
病状が重かったり、容体の急変に注意しなくてはならない患者さんに多く関わる機会を持つ臨床工学技士は、患者さんの変化にいち早く気づく必要があります。
また、現代のチーム医療では医師その他の職務の人々としっかりと連携して、協力し合って治療に取り組みます。
医師の指示を聞き逃してしまうようなことが起こらないよう、注意深さを持って物事に取り組む姿勢を養いましょう。
工学系や生物系の授業が苦手
臨床工学技士は、解剖学や生理学などの人体に関わる科目、機械工学や電子工学といった工学に関わる科目が必修科目の多くを占めています。
そのため、生物や物理(電気学や力学など)に苦手意識を持ったままにしておくと、養成課程においても学習が厳しくなるばかりか、養成機関の入学試験にも影響が出ます。
臨床工学技士として多くの人の役に立ちたいという人は、中高生のうちから生物や物理の面白さを知り、興味を持って取り組めるようにしておくとよいでしょう。