ラジオパーソナリティーの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「ラジオパーソナリティー」とは
ラジオ番組で企画に基づくトークやゲストとの掛け合いをし、番組をスムーズに進行させる。
ラジオパーソナリティーは、ラジオ番組で話をしながら司会・進行する仕事です。
ラジオパーソナリティーとして活動している人は、芸能プロダクションに所属している人、放送局の社員として働いている人、そしてフリーランスとして仕事を請け負っている人の3種類に分けることができます。
いずれの場合にも、仕事を得るためには、人脈や人柄が大切になってきます。
人柄やトークの上手さが重要なカギとなる職業でもあるため、アナウンサー養成学校や、放送系の専門学校で学ぶという人も多いです。
ラジオ局の社員として働くのであれば、安定した収入となりますが、フリーの場合の収入はさまざまです。
特に駆け出しのころは収入が不安定で、ほかの仕事と兼業で働くという人も多くいます。
近年はインターネットの発展により、全国各地の放送局のラジオ番組が聴ける時代になりました。
さらには動画配信によりラジオを放送している映像まで見ることができるようになり、ラジオの可能性やラジオパーソナリティーの活躍の場は広がっています。
「ラジオパーソナリティー」の仕事紹介
ラジオパーソナリティーの仕事内容
ラジオ番組で話をしながら司会・進行する
リスナーとの交流が大きな特徴
ラジオ番組で話をしながら司会・進行するのがラジオパーソナリティーです。
ラジオパーソナリティーとして活動している人は、芸能プロダクションに所属している人、放送局の社員として働いている人、そしてフリーランスとして仕事を請け負っている人の三種類に分かれます。
主に音楽番組などで最新の音楽や自分好みの音楽をチョイスして流すDJ(ディスクジョッキー)は、局によっては「ナビゲーター」とも呼ばれています。
ラジオ番組の特徴は、リスナーからメールやリクエストなどが届くことです。
リスナーからのメールやリクエストはもちろんですが、オンエア中にリアルタイムで反応が届いたり、悩み相談などを寄せられたりすることもあります。
届いたメッセージをディレクターが選定してパーソナリティーが読む場合や、放送中に自身でメールをチェックし、自分の判断でメッセージを読み上げることは、テレビ番組との大きな違いです。
ラジオパーソナリティーの仕事の進め方
生放送の仕事の流れとしては、まず本番の1〜2時間前にスタジオ入りをして、ディレクターや放送作家と放送内容の打ち合わせをします。
その後、各コーナーのタイムテーブル(時間の配分)を確認した上でリハーサルを行い、本番に臨みます。
番組によってはあえてリハーサルをせずに、ラジオパーソナリティーに進行をゆだね、一発本番のトークを売りにしているところも多いです。
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ラジオパーソナリティーになるには
養成学校や専門学校で勉強する道が多い
専門の勉強をしてラジオパーソナリティーを目指す
ラジオパーソナリティーを目指すのであれば、アナウンサー養成学校や、放送系の専門学校に入ることで専門の勉強をすることができます。
養成学校で正しい発声方法や発音などを身につけることでオーディションや就職試験に合格する確率が増えますし、講師等が局や制作サイドに斡旋してくれる可能性もあります。
また、ラジオパーソナリティーに必要なのは、相手を立てて話を引き出すことです。
こうした学校に通い、話し方の基礎を身につけたり、日頃から自分の個性を磨いたりすることは重要であるといえるでしょう。
ラジオパーソナリティーへの道はさまざま
ラジオパーソナリティーになるには、ラジオ局に就職するほか、TV局系列のラジオ局に就職する方法もあります。
主にアナウンサー職の人がラジオパーソナリティーとなるケースが多いですが、トーク力が認められれば、ラジオでも活躍することができます。
また、芸能事務所に所属することもひとつの方法です。
パーソナリティーを志している場合、その意向を伝えておけば、事務所が各ラジオ局と強いバイプを持っていると仕事を紹介してくれる可能性があります。
そのほか、ラジオ局主催のオーディションに合格する方法もあります。
ただし、ライバルに負けない話術や専門知識がある事が前提で、何かに対して詳しい・人並外れた知識などがあることが必要です。
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ラジオパーソナリティーの学校・学費
学歴は特に必要ないが、アナウンサーの養成学校や専門学校で学ぶ人が多い
アナウンサーの養成学校や専門学校で学ぶ
ラジオパーソナリティーは人柄やトークの上手さが重要なカギとなる職業なので、学歴は特に問われないことが多いです。
ただし、喋りを武器にする職業である以上、正しい発生方法やイントネーションを身につけていることは必須です。
話し方の基礎を身に付けたい場合は、アナウンサーの養成学校や専門学校で学ぶとよいでしょう。
こうした学校に進学すれば、オーディションの情報が入ってくることも多いですし、講師や関係者が仕事をあっせんしてくれる場合もあります。
また、芸能関係や放送関係のカリキュラムを持つ専門学校でも話し方の基礎を学ぶことができます。
学校以外で学ぶ方法
こうした学校に通うことが難しい場合には、各種講座や通信教育などで話し方の勉強をする方法もあります。
話し方の講座は各地で開催されており、現役のアナウンサーやラジオパーソナリティーをはじめ、経験を積んだ経験者が指導してくれることが多いです。
こうした講座を受講したのち、オーディションを受けたりラジオ局への入社試験を受けたりすることでラジオパーソナリティーとしての道が開けることもあります。
近年ではインターネットを利用して、遠隔でも受講できる講座も増えてきているため、ハードルは低くなってきています。
学校に進学する以外にもさまざまな学びの方法があるため、費用や時間など自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
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ラジオパーソナリティーの資格・試験の難易度
資格よりも対人スキルが重要
この職業には特定の資格や免許は必要ありませんが、担当する番組の内容によっては英語が堪能であることが役に立つこともあります。
局によっては、バイリンガルのパーソナリティー以外は使わない、といった場所もあるほどです。
しかし、本当にラジオパーソナリティーに必要なのは、相手を立てて、話を引き出すことです。
資格がなくとも周りを気遣い、現場や番組の雰囲気をよくする人のほうが仕事は廻ってきます。
また何かに対して詳しい、人並外れた知識があることは大きな強みになります。
何か特定の知識を持っていることで固定ファンをつけることもできますし、制作サイドからも一目置かれるようになります。
ラジオパーソナリティーの給料・年収
年収はキャリアによってさまざま
働き方によって大きく収入に幅がある
ラジオパーソナリティーは働き方によって大きく収入に幅があります。
ラジオ局の社員として働いているのであれば、放送局などに就職した場合、初任給は18万~25万ほどが大半で、平均年収は300万円〜800万円くらいと考えてよいでしょう。
大手のラジオ局で冠番組などを担当したり、帯番組のレギュラーになったりすれば収入も安定し知名度もぐんとアップします。
ただし、これはあくまで参考で勤務先の制作会社によって年収は変わります。
タレント事務所に所属していている場合は、ラジオパーソナリティーだけの収入の場合は年間30万円〜500万円程度で、新人のうちは月に数万程度しか稼げないパーソナリティーもいます。
一方で、人気があり多くの番組を抱えるフリーランスのラジオパーソナリティーは年収が1,000万円を超えることも少なくありません。
低予算の番組が多く収入アップには工夫が必要
ラジオはテレビに比べると低予算で放送しているところも多く、ローカルFM局などでは謝礼程度、無給というケースもあります。
スポンサーが全く付かない番組の場合は、放送用の曲や資料など番組用の備品等が実費という局も少なくありません。
そのため、ラジオパーソナリティーが収入を上げるためには、多くの番組を担当するための工夫が必要です。
SNSを利用して情報を発信したり、ラジオ以外の仕事にもチャレンジしたりするなどの積極的な活動によって多くのリスナーを獲得することが、のちの高収入につながるでしょう。
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ラジオパーソナリティーの現状と将来性・今後の見通し
ラジオの魅力を再認識する時代へ
インターネットの発展により、各地の放送局のラジオ番組が聴ける時代になりました。
さらには動画配信により映像まで見ることができる番組も登場しており、ラジオの可能性は広がっています。
これはラジオパーソナリティーの立場からしてみれば、声を聞かれる機会が増えた、ファンを獲得する機会が増えたということです。
ラジオの魅力を再認識して、新しいことへの積極的な挑戦が求められる業界となるでしょう。
また、ラジオは多くの人の生活を支える重要な情報ツールで、ときには地域のライフラインとして機能しています。
ラジオが多くの人の生活に密着したメディアであることを認識し、ラジオの魅力をリスナーに伝え続けていく必要があるでしょう。
ラジオパーソナリティーの就職先・活躍の場
ラジオ局やタレント事務所に就職するケースが多い
ラジオパーソナリティーの主な就職先はラジオの放送局です。
テレビをメインに制作している放送局でもラジオ番組を制作していることが多いですが、ラジオ専門の放送局のほうがコンテンツは豊富でしょう。
また、タレント事務所に所属しながら特定の番組のパーソナリティーの仕事をするケースもあります。
タレント事務所に所属する場合は、ラジオパーソナリティーを専属でするという人は少なく、モデルやタレントなどの仕事をし、一定のファンを獲得したところでラジオ番組を担当するケースが多いです。
いずれの場合も非常に狭き門であり競争率が高いので、音楽に詳しい、独特のトークができる、人柄が面白いなどの強みが必要です。
ラジオパーソナリティーの1日
担当する番組の時間に合わせて働く
ラジオパーソナリティーの一日のスケジュールは、受け持っている番組の数や時間帯によります。
基本的には、スタジオに入りスタッフと打ち合わせをし、番組の本番を終えると反省会をするという流れを繰り返します。
<日中のエンタメ情報系番組を担当するラジオパーソナリティーの1日>
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ラジオパーソナリティーのやりがい、楽しさ
ラジオを通してリスナーと交流できること
ラジオパーソナリティーがやりがいを感じるのは、番組でリスナーに向けて送ったメッセージが伝わり、リスナーからリアクションがあったときです。
ラジオはリスナーの生活に密着したメディアで、送り手側と受け手側の近さを体験できることこそ、ラジオパーソナリティーのやりがいといえるでしょう。
またラジオでのトークはリスナーの心にいつまでも残ります。
深夜に勉強をしながら聴いた番組や、送ったメッセージが採用されたときのことなどは、何年たってもリスナーの心に残っているものです。
テレビに比べると制作費も少なく規模も小さなメディアですが、リスナーとの距離が近いだけに、人々の記憶に残りやすいという点では、ほかのメディアにも負けていません。
ラジオパーソナリティーのつらいこと、大変なこと
地道な下準備の積み重ねが必要
ラジオパーソナリティーは番組でさまざまなことをテーマにトークをしなければなりません。
そのジャンルは、エンターテインメントから政治経済や、社会現象など幅がとても広いのです。
番組の本番中にマイクに向かってトークをするためには、それまでにしっかりとした下準備が必要となります。
ニュースを見たり新聞を読んだり映画や音楽を視聴したりして下準備をすることはとても大変で、休日でもトークのネタを収集し、プライベートと仕事の区別がつかない人も少なくありません。
また、ラジオパーソナリティーは替えのきかない仕事です。
声が商売道具であるため、毎日マスクをしたり、加湿をしたり、飲み物に気を使ったりと体調管理のためには努力が欠かせません。
関連記事ラジオパーソナリティのつらいこと・大変なこと・苦労
ラジオパーソナリティーに向いている人・適性
個性と適応能力を生かせる仕事
ラジオパーソナリティーとして活躍するために重要なのは、人並外れた個性があることです。
音楽や映画などを紹介する際には自分の経験や感性を土台としたコメントを添えなければいけないので、日頃から自分の個性を磨いておくことが大切です。
また「リスナーを楽しませたい」「どのように伝えたら楽しんでもらえるか」というサービス精神を持っている人も向いています。
多くのラジオパーソナリティーは、リスナーを楽しませるトークをするために、日常生活でもネタ探しやネタ作りをしています。
それに加え、ラジオは生放送ならではのアクシデントも多いので対応力の高さも重要なところです。
突発的な出来事に対応して番組を繋ぐことができる冷静な判断力や柔軟性も求められます。
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ラジオパーソナリティー志望動機・目指すきっかけ
リスナーとしての経験が原点になる人が多い
ラジオパーソナリティーを目指す多くの人に共通しているのは、ラジオに関する原体験を持っていることです。
たとえば学生時代にテスト勉強をしながら深夜のラジオ番組を楽しんだことがある人が「次は自分がラジオを作る側、喋る側に立ちたい」という志望動機を持ってラジオ業界に進むことが多いようです。
また、「リスナーを楽しませたい」「エンターテインメントに興味がある」という志望動機を持つ人もいます。
ラジオパーソナリティーになる際には面接が行われますが、目立つために個性を過度につくろう必要はありません。
ただし、話し方にはその人の人間性が表れるため、話し方や言葉遣い、態度などすべてにおいて審査されていると思うことが大切です。
関連記事ラジオパーソナリティの志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?
ラジオパーソナリティーの雇用形態・働き方
ラジオ局への就職やフリーランスという働き方が多い
ラジオパーソナリティーとして働くのであれば、ラジオ番組を制作している放送局に就職したりタレント事務所に所属したりするのが近道です。
タレント事務所に所属する場合は、一般的な就職と違い、仕事をした分だけ給料が得られる仕組みになっています。
所属しただけで仕事が得られたり、収入が得られたりするわけではないため注意が必要です。
高い人気と実力を兼ね備え業界内での人脈を築いている人の場合は、フリーランスで活動することもできます。
ただしフリーランスは高収入になることもある一方で、番組改編の影響で突然仕事がなくなるというリスクもあるので、メリットとデメリットをよく理解したうえで選択する必要があります。
ラジオパーソナリティーの勤務時間・休日・生活
番組に合わせ勤務時間で働く
ラジオパーソナリティーという仕事は、他に仕事を持っている人が多く、勤務時間や休日は人それぞれの部分もあります。
他にアルバイトをしているだけではなく、メインの仕事を持っていて週に1回だけラジオパーソナリティーの仕事をする人、複数の曲でラジオ番組の掛け持ちをしている人など働き方はさまざまです。
ただし、制作サイドとは業務内容や量が違うので、この業界にしては珍しく勤務時間や休日は安定しています。
13時から15時までの2時間の番組である場合、放送開始前後の1〜2時間前にスタジオに来て打ち合わせや反省会などを行います。
生放送であれば放送時間の枠は必ず決まっているので、番組が継続しているのならば勤務サイクルは変わりません。
ラジオパーソナリティーの求人・就職状況・需要
話術を磨いてチャンスを待つ
求人は少なくチャンスは限られる
ラジオパーソナリティーの求人はそれほど多くありません。
人気のある職業なのでラジオ局の就職試験やオーディションは非常に高倍率です。
狭き門ではあることは間違いありませんが「音楽に相当詳しい」「相当喋りが面白い」などの理由でオーディションで抜擢され、見事パーソナリティーになった人は数多くいます。
まったく未経験であるのであれば、ラジオ局やテレビ局、タレント事務所などの関係者に人脈を広げ、コネクションを利用する方法もあります。
ラジオパーソナリティーを目指すのであれば、誰にも負けないような話術や専門知識、人間性を磨きながら、新たな募集が行われるチャンスを待つのがよいでしょう。
ラジオパーソナリティーになるための下準備
まだ人前で喋ったことがないという人は、学校の放送部やインターネットのライブ配信や動画配信などで、他人に話す経験を積むとよいでしょう。
専門学校やアナウンサースクールなどを利用して、ラジオパーソナリティーとしての基本技術、発声や滑舌を培うのもひとつの手です。
また、パーソナリティーになったとき、どんな番組を作るのかを考え、アイデアをストックすることは、プロになってから必ず役立ちます。
ラジオパーソナリティーはその名の通り、しゃべる人物の「パーソナリティー」がリスナーにあらわになる仕事であるため、さまざまな活動を通して個性や人間性を高めていくことも大切です。
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ラジオパーソナリティーの転職状況・未経験採用
転職する場合も基本的なスキルは必須
社会人を経てラジオパーソナリティーになる人は大勢います。
社会人としての経験をトークに生かす人もいますし、働いているときに培った専門知識を生かして番組を盛り上げている人も少なくありません。
未経験者が転職でラジオパーソナリティーを目指す人の場合、まずは今の環境の中で他人に話す経験を数多く積み、自分の話術を磨くことから始めましょう。
ラジオパーソナリティーとしての基本技術、発声や滑舌などを学べる専門学校やアナウンサースクールなどに通って訓練するのもひとつの方法です。
転職成功のためには、経験の有無に関わらず、基本技術を会得しておくことが何よりも大切といえるでしょう。