ピアニストの年収はいくら?年収相場も解説

ピアニストはその美しい音色で聴衆を魅了するアーティストです。

クラシックのコンサートやアーティストのライブ、結婚式場やレストランなど、さまざまな場面でピアノを演奏する姿を見たことがある人もいるでしょう。

この記事では、そんなピアニストの年収についてくわしく紹介し、安定した収入を得る方法も解説します。

ピアニストの平均年収・給料の統計データ

ピアニストの年収は、世界的に活躍する一流の場合、2,000万円を超えることもあります。

ただし、中には100万円を下回る年収で生計を立てているピアニストもいます。

とくに大学を卒業してピアニストとして独り立ちした直後は、仕事がなかなか見つから無いことも少なくありません。

駆け出しの頃はピアニストとしての収入がほとんど得られず、アルバイトで生計を立てているケースも多いです。

ピアニストとしてのキャリアを築くまでには時間がかかり、安定した収入を得ることが難しいといえます。

ピアニストの平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

ピアニストの平均年収_2022
厚生労働省の令和4年度賃金構造基本統計調査によると、ピアニストの平均年収は、33歳で490万円ほどとなっています。

・平均年齢:33歳
・勤続年数:7.1年
・労働時間/月:167時間/月
・超過労働:14時間/月
・月額給与:360,300円
・年間賞与:572,600円
・平均年収:4,896,200円

出典:厚生労働省「令和4年度 賃金構造基本統計調査」
ピアニストの平均年収の推移_r4

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

ピアニストの勤務先の規模別の年収(令和4年度)

ピアニストの年収は、勤務先の事業所の規模によって大きく異なります。

10〜99人規模の事業所に勤めるピアニストの平均年収は536万円、100〜999人規模は437万円、1,000人以上の規模では769万円、10人以上規模の事業所平均は490万円となっています。

ピアニストの年収(規模別)_r4

上記グラフの基タイトルは「音楽家,舞台芸術家」で音楽家、声楽家指揮者など他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

ピアニストの勤務先の年齢別の年収(令和4年度)

ピアニストの年収を年齢別に見ると、多少ばらつきがありますが、600万円~800万円がボリュームゾーンといえそうです。最も年収が高い世代は、50~54歳の805万円です。

全年代の平均年収は490万円となっています。

ピアニストの年収(年齢別)_r4

上記グラフの基タイトルは「音楽家,舞台芸術家」で音楽家、声楽家、指揮者など他職業を含むデータです。

ピアニストの福利厚生の特徴は?

ピアニストとして活躍している多くの人は、企業に雇用されずに個人事業主として活動しています。

このため、一般的なサラリーマンと同様の福利厚生は期待できないことがほとんどです。

ただし、大手音楽教室の一部では、登録しているピアノ講師が利用できる共済組合や福利厚生が提供されている場合もあります。

これにより、条件を満たせば各種給付金や保養施設の利用などが可能となります。

ただし、これは特定の団体や教室に登録している場合に限られるため、全体的な普及率は低いと考えられます。

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ピアニストの収入の種類

ピアニストとして収入を得るためには、いくつかの方法があります。

たとえばコンサートや演奏会の出演料、レストランやラウンジ、結婚式場で演奏した場合の演奏料、ピアノ講師としてのレッスン料などが一般的です。

コンサートの出演料

コンサートホールや演奏会で得る出演料ことです。

ただし、これらの収入はピアニスト個人の資質や、コンサートの種類によって大きく異なります。

一般的なピアニストの場合、一回の演奏に対して約10万円程度の出演料が一般的とされています。

しかし、単独でリサイタルを開催するか、協奏曲のソリストをつとめるような名の知れたピアニストでは、一回の出演料が100万円を越えることもあります。

ただし、これらの高額な出演料を得るのは本当にごく一部の成功したピアニストに限られます。

コンサートの出演だけで1000万円を越える年収を得ることができるのは、世界的な名声やファンの需要が高い場合など、ごく一部のピアニストに限られています。

ピアノ講師としての収入

多くのピアニストは、講師としての副業を通じても収入を得ています。

ピアノの個人レッスンは生徒一人あたりの月謝が5,000円から15,000円程度で、講師によって異なります。

音大受験の生徒などを指導できる講師は、1時間あたり10,000円以上のレッスン料が一般的であり、有名な講師であれば1時間に20,000円を超えることもあります。

ピアノ教室を個人宅で開いたり、楽器店のスクールで教えたりする場合もあり、給与の相場は状況により異なります。

また、スクールに登録して教える場合も、指導技能やクラスによって収入が変動します。

ピアノ講師のフルタイム勤務する場合、月給にすると10万円から25万円程度であることが一般的です。

その他の仕事

ピアニストは、さまざまな場所での演奏に参加し、その対価として料金を得ることがあります。

特にレストランやラウンジ、結婚式場での演奏が一般的です。

結婚式の披露宴などでピアノを演奏する仕事では、一回の出演につき10,000円〜30,000円程度のギャラが一般的です。

派遣会社に登録している場合は、そこからさらにマージンを差し引かれた金額を受け取ることになります。

ラウンジやレストランなどでの演奏は、一晩に3回ほどのステージで、約10,000円くらいが相場ですが、お店や演奏者によっては異なります。

スタジオミュージシャンの場合、実力によって収入が大きく変わります。

フリーランスの場合は時給制で、8,000円〜20,000円くらいが一般的です。

腕の良いミュージシャンの場合は、もっと高い時給が得られることもあります。

また、レコード会社や芸能プロダクションに所属している場合は、月額の固定給があることもあります。

ピアニストの給料・年収の特徴

基本は個人事業主

ピアニストは、一部の例外を除いて基本的には個人事業主として働くことが一般的です。

会社員であれば会社から与えられる仕事をこなすことで毎月決まった給料を得られますが、ピアニストの場合は異なります。

仕事の収入源を自ら見つけなければなりません。

ピアニストとしてデビュー後は、しばらくは定期的な仕事がなかなか得られず、大変な時期が続くかもしれません。

しかし、経験や実績を積み重ねていくことで人とのつながりができ、仕事の見つけ方がわかってきます。

経験を積むにつれて、ピアニストとしての腕も上がり、仕事も少しずつ軌道に乗っていくことが期待できます。

月によって収入に変動があることも多い

ピアニストの仕事は、定期的なものばかりとは限りません。

むしろ、不定期で変動することが多いと言えます。

ある月は演奏会やレストランでの演奏の依頼がたくさんあり、収入が多かったかもしれませんが、次の月は依頼がほとんどなく、収入も少なかったりします。

同様に、ピアノ講師の場合も担当していた生徒が辞めてしまい、翌月から収入が大幅に減ることもあります。

よい月もそうでない月もあるという前提において、長い目で見た生活計画を立てることが大切です。

収入の不安定さに備え、貯金や予備の収入源を考え、安定した生計を維持する工夫が必要です。

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ピアニストが収入を上げるためには?

ピアニストとしての収入を上げるためには、主に2つのアプローチがあります。

まず、仕事の量を増やすことと、次に単価を上げることです。

仕事の量を増やす

仕事の量を増やす方法として、複数の派遣会社に登録することが考えられます。

多方面からさまざまな仕事を受けることで仕事の量を増やすことができます。

また、一度演奏した店舗に再度呼んでもらうために、営業努力を重ねるか、知り合いを通じて新たな依頼を得ることが重要です。

単価を上げる

さまざまな場所でたくさんの演奏を行い、実績をつんでいくことで信頼を築きます。

さらにステージや演奏会などで高い評価を得ることができれば、それを元に単価を引き上げる交渉が可能になります。

どちらのアプローチも、高品質な演奏と専念した努力が前提となります。

ピアニストとしての技術向上と継続的な練習が、成功への道を開くでしょう。

ピアニストの年収のまとめ

ピアニストの主な収入源は、演奏会やコンサートの出演料です。

特に有名なピアニストは、1回の出演料が10万円以上とされています。

ただし、1回の出演料が100万円を超えるのは、単独リサイタルを開催できるごく一部のソリストに限られています。

音楽教室で講師を務めるピアニストは、フルタイムで出勤すると、月給は約10~25万円程度になるようです。

大学を卒業したてなど、無名のうち年収は安定しないかもしれませんが、経験を積んでいくことでより仕事の幅が広がり、収入もアップしていきます。