【2022年版】ピアニストの年収・給料はどれくらい?統計データも解説
ピアニストの平均年収・給料の統計データ
世界規模で活躍する一流ピアニストであれば、年収が2,000万円を超える人もいます。
ただし、中には100万円を下回る年収で生活を余儀なくされている人も多くいます。
大学を卒業してピアニストとして独り立ちした直後は、なかなかピアニストとしての仕事もスムーズに見つけられないこともあります。
駆け出しの頃はピアニストとしての収入はほとんどなく、アルバイトで生計を立てていたという人もたくさんいます。
ピアニストの平均年収・月収・ボーナス
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和3年度賃金構造基本統計調査によると、ピアニストの平均年収は、38歳で647万円ほどとなっています。
・平均年齢:38歳
・勤続年数:10.6年
・労働時間/月:168時間/月
・超過労働:14時間/月
・月額給与:426,700円
・年間賞与:1,352,400円
・平均年収:6,472,800円
出典:厚生労働省「令和3年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
ピアニストの勤務先の規模別の年収(令和3年度)
ピアニストの年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。
10〜99人規模の事業所に勤めるピアニストの平均年収は474万円、100〜999人規模は644万円、1,000人以上の規模では833万円、10人以上規模の事業所平均は647万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「音楽家,舞台芸術家」で音楽家、声楽家、指揮者など他職業を含むデータです。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
ピアニストの勤務先の年齢別の年収(令和3年度)
ピアニストの年収を年齢別に見ると、多少ばらつきがありますが、600万円~800万円がボリュームゾーンといえそうです。最も年収が高い世代は、35~39歳の856万円です。
全年代の平均年収は647万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「音楽家,舞台芸術家」で音楽家、声楽家、指揮者など他職業を含むデータです。
ピアニストの福利厚生の特徴は?
一部のケースを除き、ピアニストとして活躍している人材は、企業雇用ではなく個人事業主として活躍している人がほとんどです。
そのため、一般的なサラリーマンにあるような福利厚生は望めないケースがほとんどでしょう。
大手音楽教室の一部では、登録しているピアノ講師が利用できる共済組合や福利厚生が存在している会社もあるようです。
その場合、条件を満たせば各種給付金や保養施設の利用などが可能となることがあります。
ピアニストの収入の種類
ピアニストとして収入を得るためには、いくつかの方法があります。
たとえばコンサートや演奏会の出演料、レストランやラウンジ、結婚式場で演奏した場合の演奏料、ピアノ講師としてのレッスン料などが一般的です。
コンサートの出演料
コンサートでの演奏に対しどの程度受け取ることができるのかは、ピアニスト個人の資質や、コンサートの種類によって大きく異なります。
一般的なピアニストでは、一回につき約10万円程度というケースが多いようです。
単独でリサイタルを開いたり、協奏曲のソリストをつとめるような名の知れたピアニストでは、一回の出演料が100万円を越えることもあります。
しかし、これらは本当にごく一部の人たちであり、コンサートの出演だけで1000万を越える年収を得ることができるのは、世界的にも一握りと言わざるを得ません。
ピアノ講師としての収入
多くのピアニストは、講師としての副業からも収入を得ています。
生徒一人あたりの一般的な月謝は、5,000円〜15,000円くらいで、先生によってまちまちです。
音大受験の生徒を指導できるような講師なら、1時間に10,000円以上となることが一般的で、さらに有名な講師であれば、レッスン料は1時間に20,000円を越えることもあります。
個人宅でピアノ教室を開いたり、楽器店のスクールで教える場合なども、給与はそれぞれです。
スクールに登録して教える場合にも、指導技能や教えるクラスにより収入額は変動します。
一般的には、フルタイムの出勤で月給10万円〜25万円ほどとなることが多いようです。
その他の仕事
結婚式の披露宴などでピアノを演奏する仕事では、一回の出演につき10,000円〜30,000円程度のギャラが多いようです。
派遣会社に登録している場合などは、そこからさらにマージンを差し引かれた金額を受け取ることになります。
ラウンジやレストランなどでの演奏は、一晩3回ほどのステージで、約10,000円くらいが相場ですが、お店や演奏者によってはこの限りではありません。
スタジオミュージシャンの場合、実力によって収入は大きく変わります。
フリーランスの場合の多くが時給制で、8,000円〜20,000円くらいが一般的で、もちろん腕の良いミュージシャンの場合は、さらに時給が高くなります。
レコード会社や芸能プロダクションに所属している場合は、月額の固定給というケースもあります。
ピアニストの給料・年収の特徴
基本は個人事業主
一部のケースを除き、基本的にはピアニストは個人事業主として働くことになります。
会社員であれば会社から与えられる仕事をしっかりとこなすことで毎月決まった給料を得ることができますが、ピアニストの場合はそうではありません。
収入源となる仕事は、自分で見つける必要があります。
ピアニストとしてデビュー後しばらくは、定期的な仕事もなかなかなく、大変な時期が続くかもしれません。
しかし、経験や実績を積み重ねていくことで、人とのつながりができたり、仕事の見つけ方がわかってきたりと、少しずつ軌道に乗っていくことでしょう。
月によって収入に変動があることも多い
ピアニストの仕事は、定期的なものばかりとは限りません。
むしろ、不定期で変動するものの方が多いということすらできます。
例えば、ある月は演奏会の仕事やレストランでの演奏の依頼をたくさん受けることができ収入が多かったけれど、次の月はたまたま依頼がほとんどなく、収入も少なかった、ということもあります。
ピアノ講師の場合も、担当していた生徒さんが突然辞めてしまい、翌月から収入が大幅に減ってしまうということもあります。
良い月もそうでない月もあるという前提において、長い目で見た生活計画を立てることが大切です。
ピアニストが収入を上げるためには?
ピアニストとしての収入を上げるためには、(1)仕事の量を増やす(2)単価を上げるという二通りの考え方があります。
仕事の量を増やすためには、できるだけ多くの依頼を受けることができるよう、たくさんの派遣会社に登録したり、個人的な人脈を広げることが必要です。
一度演奏した店舗にまた呼んでもらえるよう営業を続けたり、知り合いを紹介してもらうなどの努力をしている人も多いようです。
一方単価を上げるためには、たくさんの演奏を行い、実績を積み上げることが大切です。
実際の演奏での実績や高い評価を得ることができれば、それをもとに少しずつ希望の単価に近づけることが可能になります。
いずれの場合にも、それだけの価値があると判断されるような演奏ができることが大前提です。
そのため、ピアニストになった後も練習を欠かさず、技術を磨き続けることが大切と言えます。