「クラブDJ」とは
クラブハウスでBGMを選曲し、ターンテーブルやミキサーを操作して場を盛り上げる
クラブDJは、お店やイベントなどでBGMなどを選曲してその場で音楽をかけていく仕事です。
働き方は、店舗の専属として働くDJとフリーランスのクラブDJとに分かれます。
DJになるためには、1.お店の専属DJになる、2.フリーのクラブDJになる、3.養成スクールの斡旋でクラブDJになる、4.タレントとしてクラブDJになる、などの方法があります。
人脈が重要とされる業界のため、自分が出ていないイベントでも積極的に顔を出し「付き合いが良い人」をアピールしていくことも重要です。
クラブDJといった職業は副業的要素が大きく、ほとんどの方が日中他の仕事をしています。
クラブDJとして生計を立てている人はごく一部です。
「クラブDJ」の仕事紹介
クラブDJの仕事内容
クラブで音楽を流す
クラブDJは、クラブなどのお店やイベントなどでBGMとなる音楽を選び、音楽を流していく仕事です。
自分の知識とセンスを生かし、その場の雰囲気や客層に合った選曲をすることはもちろんですが、ターンテーブルやミキサーを操作しながら音の調整をしたり曲を絶妙に繋いだりと、細かな気配りも求められます。
たとえば、店内がパーティで賑わっている時はアップテンポのナンバーを、デート中のカップルが多いときはラブソングを、閉店間際の夜遅い時間帯にはバラードを、クライアントからの希望があればそれに沿う曲を…というふうに、臨機応変に音楽を変えていきます。
仕事は夜が中心のため、日中はアルバイトなど他の仕事をしながら夜はDJの仕事をするというスタイルをとっている人が多いです。
クラブDJの就職先・活躍の場
クラブイベントの主役
「DJ」と聞くと、クラブで行われるイベントのステージで音楽を選曲している様子をイメージする人も多いのではないでしょうか。
DJはまさにクラブイベントの主役とも言える存在で、クラブに限らず、ダンスホールやディスコ、野外でのライブなどに出演することもあります。
そのほか、レストランやバーのような飲食店でのBGMの選曲を仕事にしている人たちもいます。
人気DJのなかには、本業のDJだけではなくてタレントやミュージシャンのような活動もしている人もいます。
クラブDJの1日
夜型の生活
クラブイベントや飲食店での仕事は、夜遅い時間帯からスタートするのが一般的です。
夜型で不規則な生活が続くので、生活リズムや健康管理に気を使わなくてはなりません。
<クラブイベントに参加するDJの1日>
11:00 起床・メールやスケジュールチェック
13:00 イベントで使用する音楽を選曲
15:00 レコード店で新譜をチェック
18:00 イベントスタッフと打ち合わせ
20:00 イベントで使用する音源やレコードを準備
22:00 会場入り
22:30 主催者・オーガナイザーに挨拶まわり
24:00 プレイスタート・会場を盛り上げる
26:00 プレイ終了
28:00 イベント終了、帰宅
クラブDJになるには
いくつかの方法がある
クラブDJは、プレイをする場所や雇用形態によって働き方のスタイルが違い、なるためにはいくつかの方法があります。
専属DJとして店舗に所属する場合、ダンスフロアやDJブースがあるクラブなどに求人情報が出ることがあります。
お店によってはオーナーと親しくなり、そのまま声をかけてもらって仕事をさせてもらえることもあるようです。
特定の店舗と契約をせず、フリーランスのDJになるためには、クラブに毎週通ったり、オーガナイザーと呼ばれる主催者など、たくさんの人と知り合ったりしながら、仕事につながる情報を収集することが大切です。
そのほか、クラブDJの養成スクールに通い、スクールが主催するイベントなどを通してフリーのクラブDJへ行く道や、タレントやミュージシャンとして実力をつけ、DJとしてデビューする道もあります。
クラブDJの学校・学費
学歴は関係なし
クラブDJになるために、特別な学歴や資格などは必要ありませんし、就職の際に問われることもほとんどありません。
ターンテーブルやミキサーなどの使い方をはじめとしたDJの知識は独学でも十分勉強することができますので、DJになろうと思えば、いつからでもだれでもチャレンジすることができます。
ただし、幅広いジャンルの音楽、著作権や演奏権などの知識、機器の扱い方などより専門的な知識を身に付けたいと思う人は、音楽系の専門学校やDJの養成スクールなどで学ぶことができます。
クラブDJの給料・年収
専業で生活できる人はごくわずか
クラブでは数多くのDJが活躍していますが、実際にDJという選曲業のみで生活が成り立っている人はごくわずかです。
クラブDJという職業は副業としている人が多く、ほとんどの人は日中ほかの仕事をしています。
またDJは仕事用の音源を自分で用意しなければいけないため、音源購入のための費用がかかり、駆け出しのころは赤字となってしまうようなこともあります。
編集・選曲などの仕込みの時間もかかることを考慮すると、好きな仕事でも続けていくのがやっとというのが現実でしょう。
クラブDJのやりがい、楽しさ
オーディエンスを沸かせる
クラブDJの使命は、音楽を通して心地良い空間や盛り上がる空間を創りあげることです。実力のあるDJは、会場の空気を読みながら次々とベストなBGMを選曲し、その場にいる人たちを喜ばせ、興奮させることができます。
自分の好きな音楽でお客さんたちが楽しそうに踊っているのを見るとき、DJとしては大きな達成感とやりがいを感じることができるでしょう。
また人気が出てくると、ファンもついてくるようになります。
自分の参加するイベントに毎回足を運んでくれる人が増えてくるのは、何よりも嬉しいことです。
クラブDJのつらいこと、大変なこと
ときには孤独なステージも
DJとしてステージに上がったからと言って、毎回思うような反応が返ってくるわけはありません。
会場の空気がいまいち盛り上がらなかったり、お客さんが踊ってくれなかったりすると、DJとしてはつらい思いをします。
また、集客そのものに失敗して、イベント会場にお客さんが集まらないということも珍しくはありません。
こうしたことがあればDJとしての自信もなくしますし、ステージの印象が悪くなると次の仕事が来なくなるというリスクもあります。
クラブDJに向いている人・適性
DJが本当に好きで情熱がある人
現実問題として、クラブDJの仕事は儲からず、赤字となってしまうことすらあります。
「本当にDJが好きでたまらない」「次の日の仕事がつらくても朝まで楽しませたい」といった気持ちがなければ続けていくことはできないでしょう。
友人や知り合いのパーティで謝礼をもらい、DJブースで好きな曲を流す、クラブDJになること自体は誰でもできます。
しかし、誰にでもなれるDJだからこそ、長年プロで続けていくことが難しい職業なのです。
「楽しい」を仕事にするためには、DJに対する誰よりも強い情熱が必要です。
クラブDJ志望動機・目指すきっかけ
マニアックなレベルでの音楽好き
クラブDJになるためのきっかけとしては、やはり「音楽が好き」であることでしょう。
ただし、「好き」と言っても、一般的なレベルではなく、とにかく深く音楽を愛していて誰にも負けないマニアックな知識があるようなレベルでなければDJは務まりません。
特定のジャンルの曲だけではなくてあらゆるジャンルの曲を、特定の年代の流行だけではなくて幅広い年代の流行を、特定の国の音楽だけではなくて世界中の国の音楽を貪欲に知り、吸収していくことは、DJとして最大の武器になります。
クラブDJの雇用形態・働き方
専属DJかフリーランスか
待遇や仕事の内容は変わりますが、代表的なのものとして2つの仕事スタイルがあります。
まず、クラブDJの中でも、特定の飲食店やクラブと専属契約を結んでいるのが「専属DJ」です。
特定の飲食店やクラブとは契約を結ばずに、個人で活動しているのが「フリーランスのDJ」です。
事務所に所属したり、オリジナルの曲を作成・販売したりして、DJでありながらミュージシャンとして活動している人もいます。
いずれの場合も選曲する曲も自分で集めなくてはならず、ギャランティも厳しいので、DJ一本で生活していくといったことはかなり難しい職業です。
クラブDJの勤務時間・休日・生活
不規則な生活スタイル
クラブDJの勤務スタイルは不規則です。
飲食店やクラブなどの専属のDJの場合は、その店舗の営業時間が勤務時間であり休業日が休日になることになります。
フリーランスのDJの場合は決まった勤務時間や休日ありません。
パーティやクラブイベントは「平日の夜」や「土日祝日」に行われることが一般的です。
このため、DJの多くが深夜や土日祝日に働き、それ以外のときに休みを取っています。
DJだけで生活するのは一握りの人だけ平日は別の仕事、夜はDJといったかなりハードな日々を過ごしている人も多くいます。
クラブDJの求人・就職状況・需要
さまざまなシーンに活躍の場が
DJの活躍の場はさまざまです。
求人情報はホームページやお店のブログ、店舗のポスターなどに出ていますが、この業界における求人情報は不定期にしか出てきませんし、出てきたとしても若干名の募集であることがほとんどです。
口コミでの紹介も多い業界です。
DJとして仕事をしたいのであれば、店舗に何度も足を運んでオーナーやイベントの主催者に顔を覚えてもらい直接アピールしたり、報酬の有無にこだわらずたくさんのクラブイベントに出演して顔を売るなどの努力を積み重ねるのもひとつの近道でしょう。
クラブDJの転職状況・未経験採用
厳しい競争を生き抜く覚悟を
たとえ経験者だとしても、DJの募集は少なく、非常に狭き門です。
さまざまな理由からDJを雇う余裕がない飲食店が増えたことや、近年は素人でもパソコンで曲と曲をつないで音を加工できるようになったことが、この動きにさらに拍車をかけているとも言えます。
今後もさらに、DJの募集が減ってしまったり報酬が減ってしまったりすることが考えられます。
この仕事一本でやっていこうと思うなら、厳しい競争を生き抜く覚悟を持たなくてはなりません。
クラブDJの現状と将来性・今後の見通し
自分なりの個性を打ち出す
現在、クラブDJの世界は飽和状態のため、ただ音楽に詳しかったり顔が広かったりするだけでは厳しい状況になっています。
このような厳しい現実のなかで、DJとして活躍している人たちはそれぞれに工夫して個性を打ち出しています。
DJとして仕事をしていきたいのであれば、単に音楽のセンスを磨くだけではなく、プレイの特色を出すことや、新しい企画を考える能力、営業能力を磨くことも求められるでしょう。
自分のアイディアや努力次第で、時代に合わせた新しいスタイルを切り開いていくことができるでしょう。