【2021年版】ピアニストの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「ピアニスト」とは

ピアノ演奏の技術を持ち、コンサートやバー、ラウンジなど各場所にふさわしい演奏をする。

ピアニストとは、ピアノ演奏によって聴衆を楽しませ、生計を立てる音楽家の一種です。

演奏する場は、音楽ホールをはじめ、バーやホテルのラウンジ、各種イベント会場などさまざまです。

クラシック音楽のほか、ジャズやポップスなどのジャンルを得意とするピアニストもいます。

ピアニストになるために資格は必要とされませんが、高度なピアノ演奏のテクニックと音楽理論の習得が不可欠です。

そのため、幼い頃からピアノレッスンを受けて音大を出ている人が多く、クラシックの分野ではピアノコンクールでの入賞実績を持つ人も多数います。

完全な実力主義で、ほとんどは個人で活動するため、収入は人によってまったく異なります。

ピアノ講師など別の職をもちながら、ピアニストとして演奏活動を続ける人も少なくありません。

「ピアニスト」の仕事紹介

ピアニストの仕事内容

ピアノを美しく演奏し、聴衆を楽しませる

ピアニストとは、人前でピアノを演奏し、聴衆に感動や喜びなどを与えて生計を立てている人のことです。

クラシック音楽の分野で活躍する人を「ピアニスト」と呼ぶことが多いですが、ジャズなど、クラシック音楽以外の音楽ジャンルの演奏をする人もいます。

ピアニストのおもな活動内容は、コンサートでの演奏やCDのリリース、ピアノコンクールへの出場などです。

なかには、ほかのミュージシャンの録音に参加する「スタジオミュージシャン」や、歌手などのアーティストに同行し、「ツアーメンバー」としてピアノ演奏をする人もいます。

とくにジャズの分野では、クラブやバー、ホテルのラウンジなどで演奏する仕事も多くあります。

活動内容は人によってさまざま

ピアニストの多くは、一般企業の会社員のように、どこかに所属してスタッフとして働くわけではありません。

事務所に所属することはありますが、あくまでも個人の考えに基づいて、個人的に活動をしていきます。

そのため、ピアニストは人によってさまざまな仕事をしており、たとえば介護施設・児童施設でなどでの演奏、合唱の伴奏、楽器店でのデモンストレーション演奏などに携わる人もいます。

また、ピアノ教室の講師(ピアノの先生)をしながら演奏活動を続ける人も多いです。

関連記事ピアニストの仕事内容

ピアニストになるには

幼い頃からピアノレッスンを受ける人が多い

ピアニストになるために、絶対的に決まった道のりはありません。

資格や学歴も問われないため、誰でもピアニストとして活躍できる可能性があります。

ただし、ピアニストにとって最も重要となるのが、ピアノ演奏の高度なテクニックです。

ただ難曲を技術的に弾きこなせるというだけでなく、作曲者の思いを的確に表現できる力や、楽譜を読み解くための知識なども不可欠です。

そのため、ピアニストとして活躍する人の多くは、幼い頃からピアノレッスンを受け、音楽大学のピアノ科へ進んで知識・技術を磨いていきます。

とくにクラシック分野の一流ピアニストを目指すのであれば、ピアノコンクールへの入賞は登竜門的な位置づけです。

実力向上のために、海外の音楽学校へ留学する人も少なくありません。

ポップス・ジャズピアニストを目指す場合

クラシック以外のジャンルのピアニストを目指す場合も、基本的には、音楽理論やピアノ演奏の技術を習得することが大切です。

音大に進む人もいますし、ジャズの分野であれば、アメリカの名門「バークリー音楽大学」への留学も王道ルートのひとつです。

卒業後はオーディションを受けたり、音楽事務所のデモテープを送ったり、個人的にライブハウスで演奏をしたりと、積極的なアクションが求められます。

ライブハウスの専属ミュージシャンになったり、結婚式やパーティーで演奏したりするイベント会社に登録したりして、演奏できる場を広げていくのもひとつの方法です。

関連記事ピアニストになるには

ピアニストの学校・学費

音楽大学のピアノ科への進学が最有力候補になる

ピアニストになるための王道といえるルートは、音楽大学、なかでも「ピアノ科」へ進学することです。

音大のピアノ科では、ピアノの奏法や音楽理論、ソルフェージュ、楽曲研究など音楽家・演奏家としての土台となる、さまざまなことを学べます。

レッスンは厳しさもありますが、大学4年間を通して一流の指導者から教えを受けることができるため、知識・テクニックのいずれも、確実に向上するでしょう。

また、音大に通うのは音楽を専門的に学びたいと考える学生ばかりです。

同じような志を持つ多くの仲間と切磋琢磨しながら日々を過ごせることも、音大に通う魅力といえます。

国内の音楽大学以外でピアノを学ぶ人も

音大以外では、音楽系の専門学校やピアノ教室でも、ピアニストとしての基礎的な知識・技術を学べます。

専門学校の場合、とくにジャズなどポピュラー音楽に関する勉強を専門的にできるところもあり、国内トップの音大よりは入学もしやすいです。

また、海外留学をして音楽家としての学びを深める人もいます。

とくにクラシック音楽を学ぶ場合は、偉大な作曲家を多数輩出したドイツやオーストリアなどのヨーロッパに留学する人も多いです。

関連記事ピアニストになるための学校と学費

ピアニストの資格・試験の難易度

資格よりも、コンクールでの入賞歴が重視される

ピアニストになるために必須とされる資格はありません。

「クラシックピアノ検定」「ポピュラーピアノ検定」「英国王立音楽検定」「ピアノ教師資格認定試験」といった、各種検定試験はありますが、ピアニストは資格そのものではなく、どの程度の演奏技術があるのかで評価される職業です。

ただし、ピアノコンクールの受賞歴に関しては、ピアニストとしての実績や実力を証明するために役立ちます。

ピアノコンクールは国内外でさまざまなものが実施されており、その規模や知名度もまちまちです。

国際的に有名なコンクールで上位入賞すれば大きく注目され、それを足掛かりにピアニストとして大規模なコンサートの開催やCDのリリースなど、一気に活躍の場が開けていくといったこともよくあります。

大きなコンクールで実績を残すことは、多くのピアニストの卵にとって非常に重要な課題のひとつです。

関連記事ピアニストに必要な資格はある?

ピアニストの給料・年収

演奏料がメインだが、実績や実力によって差が出る

ピアニストは、一般的な会社員のように、どこかの企業に所属して働くことはほとんどありません。

ほとんどの人が個人事業主として個人で活動するため、仕事の内容や仕事量、またピアニストとしての実績や実力によっても、収入には相当な差が出てきます。

ピアニストの収入は「演奏料」がメインです。

コンサートの依頼を受けると、1回につき10万円~100万円ほどの演奏料(ギャラ)をもらいます。

どの音楽家にも言えることですが、音楽業界は厳しい実力主義の世界であり、稼げる人は大きく稼げるものの、実績も知名度もないピアニストの場合、年収が100万円にも満たない可能性は十分にあり得ます。

ピアニストとして大きく収入を上げるには、国際的なコンクールで上位入賞をするなど、世間的に実力を認めてもらう必要があります。

講師など演奏活動以外の仕事で収入を得る人も多い

上記のような事情から、ピアニストは安定収入を得るために、演奏活動以外の仕事もしている人が多いです。

よくあるのは、音楽スクールに所属、もしくは自分でピアノ教室を立ち上げて、ピアノ講師として働くパターンです。

このほか、音楽関連の仕事を扱う派遣会社に登録し、レストランやラウンジなどで、不定期に出張演奏をするような仕事を請け負う人もいます。

ポピュラー音楽の分野では、スタジオミュージシャンとして、ほかのミュージシャンやアーティスト(歌手など)のバックでピアノ演奏をして、収入を得る人もいます。

どのような活動をするかは各ピアニスト次第であり、活動内容によっても収入には違いが出やすい職業です。

関連記事ピアニストの年収・給料はどれくらい?統計データも解説

ピアニストの現状と将来性・今後の見通し

演奏活動のみで生きていくことは簡単ではない

音楽家としてのピアニストの需要は、いつの時代でも変わらずにあります。

しかし、純粋な演奏活動だけで生計を立てられるピアニストは、全体のうちのごくわずかな人のみです。

クラシック音楽の分野であれば、ハイレベルな演奏者が集まるコンクールで優勝するなど、厳しい競争に勝たなければいけません。

ジャズなどほかの分野であっても、スタジオミュージシャンであっても、この仕事だけで満足いく収入を得るためには相当な才能や実力を身につけて、高い評価を得る必要があります。

しかし、ピアノ講師など演奏活動以外の仕事も含めれば、ピアノの技術を生かして活躍できる場はいくつもあるでしょう。

自分がどのようなピアニストを目指したいのかをよく考えて、生き残っていくための努力が必要です。

ピアニストの就職先・活躍の場

就職をする人は少ないが、多様な活躍の場がある

ピアニストの多くは、一般的な会社員のように、どこか特定の企業に勤務して働くわけではありません。

個人事業主として、独立してピアノ演奏の仕事をする人が大半です。

ピアニストが活躍できる場として最も代表的といえるのが、コンサート会場です。

コンサートで演奏することは、プロとしての活躍を目指す多くのピアニストの大事な目標のひとつで、ピアノ単独のコンサートのほか、オーケストラや合唱の伴奏を務めることもあります。

このほか、音楽を録音するレコーディングスタジオや、レストランやバーといった飲食店、ホテルのラウンジ、イベント会場などでピアノを弾く人もいます。

さらに、演奏活動をしながら音楽教室のピアノ講師を務める人もおり、多様な活躍の場があります。

ピアニストの1日

スケジュールは十人十色で、日によっても異なる

優雅なイメージのあるピアニストですが、個人で活動する人が多いこともあって、演奏旅行で国内外を飛び回っている人から、規則正しく落ち着いた毎日を過ごす人まで、働き方はさまざまです。

ここでは、一例としてコンサート当日のピアニストのスケジュールを紹介します。

6:00 起床・最終練習
7:00 朝食
9:00 会場入り
9:30 打ち合わせ
10:00 リハーサル
12:00 昼食
13:30 身じたくを整える
14:30 開場・待機
15:00 演奏
17:00 終演
17:30 片付け
18:00 帰宅

関連記事ピアニストの1日のスケジュール・生活スタイル

ピアニストのやりがい、楽しさ

自分が納得のいく演奏ができ、人々の心を動かせること

ピアニストは、毎日毎日、何時間もピアノの練習を続けています。

素晴らしい演奏をするためには、単にミスなく弾けるようにするだけでなく、作曲者の意図を理解し、楽曲を解釈する作業も必要になります。

作曲家がどのような意図でその曲を作ったのか、どのような思いを込めて作ったのかを時間をかけて研究し、やっと曲の表現方法が理解できるようになります。

ひとつの曲を仕上げ、納得のいく演奏を追い求めるためには、血のにじむような努力が必要です。

簡単な作業ではなく、むしろ練習の過程では苦しむことのほうが多いくらいですが、だからこそ自分なりの表現で理想の演奏ができたときに、ピアニストは大きな喜びを感じます。

また、自分の演奏で多くの観客の心を動かせたと実感できたときにも、さらなる充実感に包まれます。

関連記事ピアニストのやりがい・楽しさ・魅力

ピアニストのつらいこと、大変なこと

思うような結果が出せないことや、収入面の不安

ピアニストは、音楽そのものやピアノ演奏が大好きで、この仕事に就く人がほとんどです。

幼い頃から長期間にわたってピアノに接してきた人が多く、まるでピアノが自分の一部になっているような感覚になることもあります。

そんなピアニストでも、思うような演奏ができなかったり、スランプに陥ったりして、苦しみに包まれるときもあるものです。

そもそも、ピアニストは個人の実力だけで評価される厳しい職業であり、コンクールに出れば、明確に合否や順位などもつけられます。

周囲の人と比べて、自分の実力が劣っていると感じてしまったり、いくら練習しても理想の表現ができなかったりしたときに、つらい気持ちになります。

また、認められるまではなかなか仕事量が安定せず、収入面で不安を覚えるピアニストもいます。

関連記事ピアニストのつらいこと・大変なこと・苦労

ピアニストに向いている人・適性

ピアノと徹底的に向き合い、自分を磨くための努力を続けられること

ピアニストになるためには、何よりもピアノに対する情熱が必要です。

プロのピアニストになるまでの時間は、その多くが「練習」に費やされるといっても過言ではありません。

ピアノと深く向き合い、終わりのないゴールに向かって自分の演奏技術や表現力を高め続けていかなければ、素晴らしいピアニストにはなれないのです。

暇さえあればピアノを弾いている、何時間もピアノを弾き続けてもまったく苦にならないという人でないと、苦痛を感じてしまうことになるでしょう。

長時間の練習に耐えられる忍耐力や集中力も、ピアニストには欠かせない要素です。

また、優雅に思われがちなピアニストの世界の裏側では、意外と厳しい競争が待ち受けています。

精神力を強くし、プレッシャーに打ち勝てるかどうかも、ピアニストとして生きていくには大切なポイントです。

関連記事ピアニストに向いている人・適性・必要なスキル

ピアニスト志望動機・目指すきっかけ

幼いころからピアノに触れていた人が多い

ピアニストを目指すきっかけとして多いのは、以下のようなものです。

・幼い頃からピアノを習っていて音楽が大好きになった
・親がピアノ講師でピアノが身近にある生活をしていた
・実在するプロのピアノ演奏家に魅了された
など

いずれにしても、もともとピアノを習っていたり、幼いころからピアノや楽器に親しんでいたりしたという人がほとんどです。

もともとは習いごとのひとつとしてピアノに触れていた人でも、優秀な指導者と出会い才能を開花させるうちに、プロのピアニストを目指していくケースもあります。

ピアニストの雇用形態・働き方

企業勤めの人は少なく、大半が個人で活動する

ピアニストといえば、クラシック音楽を弾く人をイメージする人が多いでしょう。

自身の名前が売れ、ピアノ演奏の実力でコンサートを開けるようになれば、事務所に所属したり、楽団に所属したりすることも可能です。

ただし、どこかの企業や団体に社員として勤める人は決して多くなく、ほとんどは個人で活動をしています。

次いで多いのが、ジャズ・ピアニストです。

ジャズ・ピアニストのおもな活動場所は、ジャズ系のライブハウスやジャズバーなどです。

それ以外のポピュラー音楽の世界でも、ライブハウスでの生演奏、イベントでの公開演奏、あるいはスタジオミュージシャンとしてほかのアーティストと一緒に活動しているピアニストなどがいます。

こうしたピアニストはほとんどがフリーランスで、演奏料をもらって生計を立てています。

ピアニストの勤務時間・休日・生活

外での仕事以外の空き時間には練習をする日々

ピアニストの勤務時間や休日は、人によって大きく異なったものとなります。

たいていのピアニストは個人で活動しているため、会社員のような、決まりきった勤務時間などはありません。

その人自身がどのような仕事をしているのかや、その日の仕事内容によっても、1日の動き方が異なります。

ただ、すべての人に共通しているのは、どのようなピアニストも仕事の合間をぬって練習を欠かさないということです。

本番で演奏するのはほんの数十分、数時間であっても、その曲を弾きこなすためには、事前準備として何倍もの時間をかけて練習をしなくてはなりません。

レパートリーを増やすための新曲の練習をすることもあれば、コンクールに向けて、一定期間ひとつの曲を集中して練習する人もいます。

休日や空き時間があっても、自由な時間はほとんど練習に費やすというピアニストもいます。

ピアニストの求人・就職状況・需要

一般的な求人サイトなどで求人情報を見つけるのは難しい

ピアニストの仕事を得るのは、簡単とはいえません。

とくにクラシックの世界では、音大卒業後、国内外のコンクールで入賞して活躍の場を広げていく、というある種の王道ルートがあります。

それ以外の道のりでもピアニストになれる可能性はありますが、コンサートなどでのピアノ演奏の仕事が公募されることはほとんどありません。

自分から積極的に動いて「お金になるピアノ演奏なら何でも受ける」くらいの姿勢を持っておく必要があるでしょう。

ピアニストを求める派遣会社のオーディションを受けて、イベント会場やラウンジなどで生演奏するピアニストとして登録するといった方法もあります。

ただし、仕事は1日限りという単発のものもあり、収入は不安定になりがちです。

ピアノの技術を生かす仕事でそこそこ募集が多いのは、音楽教室のピアノ講師です。

実績や指導能力があれば、自分で教室を開き、生徒を集めてレッスンをすることも可能になるでしょう。

関連記事ピアニストの求人状況・募集状況

ピアニストの転職状況・未経験採用

未経験からの転職は非常に厳しい

ピアニストになるには、まず高度なピアノのテクニックを身につけなくてはなりません。

ピアノの演奏技術は簡単に身につくものではなく、幼い頃からピアノレッスンを受けて、音大に進学するという人も多い世界です。

経験のない人がいきなりピアニストを目指すのは、かなり無謀だといえるでしょう。

しかし、音大を卒業した人で、一度は違う仕事に就いたもののやはりピアニストを目指したいといった場合や、自宅などでピアノ教室を開いたことがあるなど、一定の経験・スキルがある場合は、まったく可能性がないとは言えません。

とはいえ、長年ピアノにどっぷりと関わり続けてきた人でも、第一線で活躍し成功するのは厳しい職業です。

人一倍の努力と情熱が求められる覚悟をもって、ピアニストを目指していく必要があるでしょう。