ピアニストのつらいこと・大変なこと・苦労
ピアニストのつらいこと・大変なこと
スランプに陥ることがある
やりがいや魅力も大きいピアニストですが、仕事が成功するかどうか、あるいは自分がプロとしてやっていけるかどうかは全て自分次第という、ある意味厳しい職業でもあります。
プロのピアニストならではのつらいことや大変なこともあります。
例えば、時期は人によってさまざまですが、どんなピアニストでも、一度はスランプに陥るときがあります。
ある人は音大のピアノ科に進学してから弾けなくなったといいます。
高校生までは、周囲の誰よりもピアノをうまく弾けていたのに、音大に入るとみなが自分と同じか、それ以上に弾くことができ、ショックを受けてしまったとのことです。
また、ある人はプロのピアニストとして活動していたときに、一度ミスをしたことがきっかけで弾けなくなったといいます。
自分の演奏力や表現に自信が持てなくなり、回復するまでに時間がかかりました。
スランプは誰にでも起こりうることですが、そこから抜け出す方法は人それぞれです。
普段からピアノばかり弾き続けていると、つまずいたときに逃げ場がなくなるという面もあります。
できればピアノ以外にも視野を広げ、さまざまな活動をしておくとよいでしょう。
活動を続けるためにお金がかかる
実は、ピアニストとして活動を続けるためにはお金がかかるという現実もあります。
コンサートを開催しても、プロのピアニストとして集客できる人はほんの一にぎりです。
多くのピアニストは、観客を集めるために親戚や友人にチケットを配ったり、宣伝してもらったりして、必死に営業活動もしなければなりません。
それでもチケットが売れ残ると、コンサートの開催費用を負担する必要が出てきます。
また、コンサート用の衣装もそろえなければなりません。
そのため、ピアニストとしての収入だけでは生活できず、別の仕事やアルバイトと兼業していたり、中には親の支援を受けているという人もいます。
仕事が不安定
コンサートでの演奏が収益につながらない場合、他の方法で収入を得る必要があります。
例えば結婚式やラウンジ、クラブで生演奏をして収入を得ているピアニストも多くいます。
コンサートに比べると収入に繋がりやすい仕事ですが、定期的に依頼があるとは限らないという点が難点です。
また、音楽教室のピアノ講師をしながらピアニストとして活動している人も多くいます。
ヤマハやカワイなど大手の教室に所属できれば、比較的安定した収入が得られますし、自宅を利用して、ピアノ教室を開くこともできます。
ただ、教室を運営するためには事務的な手続きが必要になりますし、生徒を募集するための宣伝活動もしなければなりません。
教室が軌道にのるまでに時間もかかります。
教室の運営に手がかかりすぎて、演奏の仕事がおろそかになってしまうというケースもあるようです。
ピアニストとしての活動を中心にしたいのであれば、どのような仕事で収入を確保すべきか、よく考えたほうがよいでしょう。
20代で正社員への就職・転職
ピアニストの悩み
ピアニストは最初のうちは続けていくためにお金がかかったり、収益につながる仕事が安定していなかったりと、経済的基盤を整えにくい職業でもあります。
そのため、生活を支えるだけの収入を得ることができないと悩むピアニストもたくさんいます。
多くのピアニストはできる限りピアノに関連する仕事で収入を得られるよう、様々な努力をしているようです。
これまでに紹介した仕事のほか、最近はインターネットを利用してオンラインでピアノレッスンや演奏をするなど、新しい形での取り組みも見られるようになってきています。
ピアニストを辞める理由で多いものは?
残念ながらピアニストを辞めてしまう理由としては、経済的な不安定さによるものが多く見られます。
ピアノの演奏だけで生活できるだけの収入を得ることができている人は実は一にぎりです。
何かしらの関連職種を得られる人は幸運な方で、ピアノと全く関係のない仕事と兼業しているという人も少なくありません。
このような生活の中で、ピアノに対するモチベーションを保つことが難しくなってしまったり、あるいは仕事のため、練習時間を確保することが物理的に困難になってしまったりといったことが生じます。
その結果、残念ながらピアノの仕事を諦めざるを得ないという判断となり、ピアニストを辞めてしまうようです。
ダブルワークの場合自分の時間を確保するのがどうしても難しいという傾向はありますが、仕事と自分の時間のバランスを取ったり、そもそも仕事選びの段階でできるだけ音楽やピアノに関連する職業を選ぶといった努力が必要となります。