パタンナーに向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
どのような職業でもそうですが、パタンナーを志すにあたって気になるのは、自分がパタンナーに向いているのかということでしょう。
本記事では、パタンナーに向いている性格や必要なスキル、反対に向いていないのはどんな人かを紹介します。
パタンナーに向いている性格・適性
精度の高い作業ができること
デザイナーの企画をいかに忠実に製品化するかがパタンナーの力量なので、仕事では正確性が何よりも求められます。
わずかな誤差やズレがあるだけでも完成した製品が大きく違ってくるので、ミスなく精度の高い作業をこなす能力はパタンナーに必要な適性といえます。
コツコツと作業をこなせること
パタンナーはものづくりの仕事なので、基本的にはコツコツと仕事をすることが好きな人、またそれが苦にならない人が向いています。
納期があるので、納期をしっかり守るという社会人として当然の責任感も重要です。
パタンナーは1人での作業が多いので、1人で黙々と作業をすることが好きな人もパタンナー向きです。
ファッション・アパレルに対してアンテナを張ること
ただ言われたことだけをやるだけでは、パタンナーとしてのキャリアアップは望めません。
服を作る作業の中枢を担う以上、型紙だけでなく素材や縫製などに対する幅広い知識が求められますし、常に吸収しようとする姿勢も必要です。
ファッション・アパレル業界は日進月歩で新しい技術や素材が誕生している業界なので、最新情報へのアンテナを常に張ることが求められます。
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パタンナーに必要なスキル・能力
パターンの技術とファッションの知識
パタンナーはパターン製作の技術など専門性を高めつつも、ファッションに関するあらゆることを広くカバーしている必要があります。
たとえば生地の種類や特性についてはよく勉強し知っておかなければなりません。
使用する生地によって伸びや強さなどが異なりますし、縫製の仕方によっても見栄えは変わってくるからです。
こうしたことを頭に入れたうえで、デザイナーが作ったイメージを確かに表現できるパターンを作ることが求められます。
ときにはデザイナーと意見を出し合いながら、より良いものを目指して何度もパターンを作り直すこともあります。
あらゆる状況に対応できるるよう、ファッションの流行や業界の動きなどにも敏感になることが望ましいでしょう。
ミリ単位での正確さ
パタンナーとして一番求められるのは、パターンを正確に作る力です。
もしパターンが1ミリでもずれてしまえば、完成した洋服のシルエットが変わってしまったり、着心地の悪くなったりすることにもつながります。
そのため、少しのズレも許すことなく精密に作業を進めることは必須です。
また生産スケジュールは事前に決められているため、もし自分の作業が遅れれば後工程の人にも迷惑をかけてしまいます。
慎重に作業を進めつつも、期限内に確かなものを仕上げる力が必要です。
コミュニケーションスキル
パタンナーの仕事は、コツコツとパターンを作って終わりというわけではありません。
デザイナーの意思を把握しつつ、縫製や編み立てなどの現場で動く人たちに指示を出す機会も多くあります。
そのため自らの意志をしっかりと伝えられることや、関係各所との調整がうまくできることは必須のスキルとなります。
また将来的に独立を考えるのであれば、こういったコミュニケーションスキルは不可欠です。
技術力はもちろん、関わる人々と上手に接しながら信頼を集めることも一人前のパタンナーになるための重要な要素です。
パタンナーはCADを修得すべき?
CADの技術は必須
パタンナーとして活躍するにはCADを習得しておくべきかを悩むようですが、これからパタンナーを目指す人にはCADのスキルは必須と言えます。
これからパタンナーの勉強をするという人の場合は専門学校のカリキュラムにCADが含まれていますが、就職後もCADの上達を目指す姿勢を持ち続けましょう。
募集要項の多くにCADの文字
実際にアパレルメーカーなどから出ている求人の募集要項を見ると、その多くにCADの文字があります。
「CAD経験必須」「CADできる方」など、いずれの求人もCADの実務経験があることを求めています。
パターン製作の現場にCADがいかに普及しているかを如実に表していますが、この傾向は今後も加速すると考えられ、これからパタンナーになるには、CADは必須です。
なかでも最も普及している東レのCADシステムを使える人への需要が高まっています。
CAD不要求人でも可能な人は好条件
CADの普及が進んでいるとはいえ、すべての職場ですべてのパターンがCADで作られているわけではありません。
CADの経験を必須としない求人もありますが、よく見るとCADを使える人とそうでない人の条件が異なり、CADが使える人のほうが待遇がよいケースがあります。
こうした求人には、「今はCADが使えなくても就職してから使えるようになってほしい」という意図が隠れているので、やはりCAD優位という傾向に変わりはありません。
CAD以外にもPCスキルは強い武器に
CADばかりに注目が集まっていますが、服づくりの現場ではCAD以外にもIT化が着実に進んでいます。
以前であれば手書きが大半であったデザイン画も、アドビ社のイラストレーターやフォトショップというソフトを使ったものが多くなっているので、こうしたソフトの扱いに精通していることは大きな武器になります。
本来はビジネスソフトであるワードやエクセルによってデータがやり取りされることも多いので、こうしたソフトの扱いについても同様です。
20代で正社員への就職・転職
パタンナーに向いていない人はどんな人?
パタンナーのなかには、「自分で流行を作りたい!」 という人も多いのですが、実際にアイディアや企画を出すのはファッションデザイナーです。
デザイナーの名前がそのままブランド名になっているアパレルブランドはたくさんありますが、パタンナーの名前がブランド名になっているところはありません。
パタンナーの仕事はデザイナーと比べると裏方作業です。
ファッション・アパレル業界へのイメージと、実際の仕事とのギャップに戸惑わず、確実に自分の仕事をコツコツとこなせる人こそが、パタンナーに向いているといえるでしょう。
パタンナーの適性のまとめ
デザイナーの企画をいかに忠実に製品化するかがパタンナーの力量なので、ミスなく精度の高い作業をこなす能力、また、期日に間に合わせる責任感が重要です。
服を作る作業の中枢を担う以上、型紙だけでなく素材や縫製などに対する幅広い知識が求められますし、最新情報を含めさまざまなことを常に吸収しようとする姿勢も必要です。
さらに、縫製や編み立てなどの現場で動く人たちに指示を出したり、関係各所との調整がうまくできることは必須のスキルです。
技術面で言えば、これからパタンナーを目指す人にはCADのスキルは必須ですし、仮にCAD経験を問わない求人があったとしてもCADが使える人のほうが待遇がよい場合もあります。