救急救命士になるための学校と学費(大学・専門学校)
救急救命士になるための学校の種類
救急救命士は国家資格であり、この資格を得るためには国家試験に合格することが必要です。
救急救命士国家試験には、いくつかの受験資格が用意されており、そのひとつが「救急救命士養成校」といわれる学校で所定の単位を習得する方法で、これは救急救命士法で義務付けられています。
救急救命士養成校とは、救急救命士にとって必要となる基礎的な医療知識、技術、体力などを十分に身に付けるための学校です。
救急救命士養成校としては、おもに専門学校が指定されますが、救急救命士の需要が高まっている近年では、大学に救急救命士養成コースが開設されるケースも珍しくありません。
そのため、最短で救急救命士をめざすのであれば専門学校へ、ほかの勉強も合わせておこないたいのであれば、大学へそれぞれ進学するほうがよいといえます。
受験資格を得るもうひとつの方法として、現役の消防官を対象としたものがあり、実務経験や、救急業務に関する講習を受講するなどの条件をクリアした場合に限り、受験資格を得ることができる制度もあります。
救急救命士になるための大学
学費面で問題がなく、先のことまで考えるのであれば大学に進学するのがおすすめです。
大学に通うメリットとしては、4年間という長い期間のなかで、専門学校と違い英語や心理学など、ほかのジャンルの勉強を同時におこなうことができるため、多くの知識を身に着けることができます。
デメリットとしては、学校によっては専門学校よりも学費がかかってしまうという点です。
私立大学の場合、約130万円~200万円(初年度)ほど学費がかかります。
一方、専門学校は約110万円~150万円(初年度)ほどであり、かつ2年または3年で修了するため、総合的な学費は大学よりも低くなることが多いです。
救急救命士は国家資格取得後、ほとんどの人が各都道府県の消防官採用試験を受け、その試験に合格することによって消防官になるところからキャリアをスタートします。
大学卒の場合、最初から基本給で差が付けられているほか、昇給しやすくなるメリットもあります。
また、公務員の場合、同期と比べて最終学歴の高い方が先に出世する傾向があるため、大学を出ておいて損はないでしょう。
仮に消防官採用試験に落ちてしまったとしても、大学卒のほうが就職先(民間企業等)を見つかりやすいというメリットもあります。
救急救命士になるための専門学校
救急救命士養成校の専門学校は全国に点在しており、そちらでも救急救命士国家試験の受験資格を得ることができます。
通う期間(修業年限)は、2年~3年となり、学校によって違いがあります。
また、専門学校はセンター試験などの受験をせずに済むので、大学受験と比較して入学しやすいのが大きなメリットといえます。
大学と比べて短い年数で卒業できるので、1日でも早く現場に出て働きたいという人は、専門学校を選択するとよいでしょう。
ただし、2年(または3年)の間に、専門知識や技術を数おおく学ぶ必要があるため、密度の濃い学生生活を送ることになります。
あまり自由な時間がとれない可能性もあるので、その点については覚悟しておいたほうがよいでしょう。
学校によってカリキュラムの内容や学費の面で違いが出てくるため、事前の情報収集を念入りにおこないましょう。
救急救命士の学校選びのポイントは?
学校選びのポイントは学費・カリキュラム(実習含む)・修学年数になります。
さきに述べたように、大学と専門学校では学費の面で違いが出てくるので、希望する学校の学費を見比べて検討する必要があります。
同じ大学、専門学校といえども、入学金や授業料におおきな差が出る場合があるので、きちんと確認しましょう。
また、学校によってカリキュラムに違いがあり、とくに実習に関しては各学校の特色が色濃く出てくるところになります。
そのため、進学したい学校がどのようなカリキュラムに則って授業をおこなうのかをオープンキャンパスなどを活用して確認しておきましょう。
修学年数についてですが、はやく救急救命士の資格を取得したいのであれば、修学年数の短い専門学校がよいといえます。
ですが、大学卒と専門学校卒では消防官になったあとの待遇に違いがありますので、大学進学もひとつの選択肢に含まれます。