建設コンサルタントになるには

建設コンサルタントになるまでの道のり

建設コンサルタントになるには、コンサルティング業務を手掛けている企業や研究所、シンクタンクなどの採用試験を受け、合格することが必要です。

建設コンサルタントの仕事は非常に専門性が高いため、採用対象となるのは、基本的にその企業の事業に関する学問を修めた人に限られます。

たとえば土木系の建設コンサルタント会社であれば、4年制大学の土木工学部や大学院の土木研究科、土木系の専門学校などを卒業することが条件となります。

それらの学校の最終年次に進級したら、希望する企業の就職試験にエントリーし、数回にわたる選考を突破して内定を得られたら、翌年の春には建設コンサルタントになることができます。

ただし、それはあくまでキャリアのスタート地点に立ったにすぎません。

一人前の建設コンサルタントになるには、数年単位の長い時間をかけて、専門知識を学びつつ、コツコツと実務経験を積み上げていかなければなりません。

なお、中小以下の企業については、学歴要件がとくに定められておらず、誰でも採用試験を受けられるところも一部あります。

建築コンサルタントになるまでのルート

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建設コンサルタントの資格・難易度

建設コンサルタントに関連する資格は複数ありますが、代表的なものとして「技術士」と「RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)」の2つが挙げられます。

参考:公益社団法人日本技術士会

参考:一般社団法人建設コンサルタンツ協会 RCCM資格制度事務局 シビルコンサルティングマネージャ資格制度概要

技術士は、文部科学省の認定する国家資格であり、科学技術を要する調査や研究、設計などに関するスキルを証明するためのものです。

RCCMは、建設コンサルタンツ協会の認定する国家資格であり、建設事業に関する知識や計画立案能力などを証明するためのものです。

技術士の合格率はおよそ10%~20%前後、RCCMの合格率はおよそ30%~50%前後であり、難易度としては国家資格である技術士のほうがやや上です。

ほかにも、「建築士」や「測量士」「土木施工管理技士」といった国家資格も、建設コンサルタントとの関連性が深く、取得するとキャリア形成上非常に有利となります。

建築士の仕事
測量士の仕事
土木施工管理技士の仕事

建設コンサルタントになるのに必要な資格はある?

建設コンサルタントになるための学校の種類

建設コンサルタントの登録部門は、「道路」や「トンネル」「鋼構造及びコンクリート」「都市計画及び地方計画」「造園」など、全部で21種類もあります。

このため、建設コンサルタントになるための学校も、どの部門を志望するかによって異なります。

オーソドックスなものとしては、土木や建築、設計などを学べる専門学校や大学などがあります。

また、希望する業務によっては、地学系や環境系、電気電子系、機械系の学部・学科を選んだほうがいいケースもあります。

選択肢はかなり幅広く、共通しているのは「理系である」ということくらいですので、進路に迷う人も多いかもしれません。

建設コンサルタントを目指すなら、「とりあえず土木系の学校に進む」という道もありますが、できればもっと具体的に将来やりたいことを絞り込んで、それに合致したところに進学することが望ましいでしょう。

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建設コンサルタントに向いている人

建設コンサルタントは、クライアントが抱えている課題を発見・整理し、それに対する有効な解決策を提案することが仕事です。

論理的思考力や分析力、想像力に優れ、課題を解決する力のある人が、建設コンサルタントに向いています。

また、建設コンサルタントの仕事は非常にハードであり、早朝出勤や深夜残業、休日出勤することが必要ですし、長距離の出張も頻繁にあります。

たとえば部活動経験者や体育会出身者など、根性と体力があり、心身ともにタフな人は、建設コンサルタントとしての適性があるでしょう。

建設コンサルタントに向いてる人・適性・必要なスキル

建設コンサルタントのキャリアプラン・キャリアパス

建設コンサルタントのキャリアプランは、まず新人として先輩社員に付き、実務を覚えることが第一歩です。

現場で仕事の流れや段取りを覚えつつ、自主的な勉強にも励んで、技術士やRCCMなどの資格取得を目指します。

およそ10年ほどのキャリアを積み、資格も取得したら、コンサルティングに関する責任を負う「管理技術者」となって、リーダーとして第一線で働けるようになります。

その後は、役職者への昇進を目指したり、環境の変化や待遇の改善を求めて転職したり、独立してフリーランスになったりと、さまざまなキャリアパスが考えられます。

近年は、国内で培った知識を生かして、海外へと活躍の場を拡げていく人も増加傾向にあります。

建設コンサルタントを目指せる年齢は?

建設コンサルタントは覚えなければならない知識量が非常に多く、下積み期間の長い職業です。

人材育成にかかる時間を考慮して、建設コンサルタント会社は未経験採用の年齢に上限を定めており、およそ35歳くらいを上限としているところが目立ちます。

しかし、建設コンサルタントに関連する職歴、たとえば建設会社などでのキャリアがあれば、経験者としてもう少し上でも採用対象となる可能性もあります。

ただ、建設コンサルタントが労働時間の長い非常にハードな仕事であることを考えると、できれば体力的に無理のきく20代のうちに就職することが望ましいでしょう。

建設コンサルタントは高卒から目指せる?

建設コンサルタント会社のなかには、入社後の研修受講などを前提として、学歴不問で採用しているところもあります。

正社員としての採用でなく、契約社員やアルバイト採用となる可能性もありますが、待遇にこだわらないのなら、高卒から建設コンサルタントになることも不可能ではありません。

ただし、当面は営業職や事務職だったり、アシスタント業務しかまかせてもらえない可能性もありますので、あらかじめ覚悟しておく必要があります。

仕事に真面目に取り組むとともに、知識不足を補うために一生懸命勉強に励めば、時間はかかるかもしれませんが、やがて建設コンサルタントとして独り立ちできるでしょう。

建設コンサルタントは女性でもなれる?

建設コンサルタントは、かなり女性割合の低い職業です。

もともと建設業界は男性が圧倒的に多く、設計を手掛ける建築士や、現場で働く大工土木作業員、建設会社社員のほとんども男性です。

建設コンサルタントになるための学校・学部も理系であり、大学の土木工学部や地質学部、理工学部などの女子学生は2割にも満たないといわれています。

さらに、長時間労働が当たり前のハードな職場というイメージが強いこともあって、建設コンサルタントを目指すことに抵抗を覚える女性も多いかもしれません。

しかし、建設コンサルタントの仕事は、専門知識に基づくアドバイザリー業務、いうなれば「頭脳労働」であり、女性でも男性と同じように働くことはもちろん可能です。

資格と経験さえあれば復職もしやすいため、出産や育児などでキャリアが途切れやすい女性には、むしろメリットの大きい職業ともいえます。

ただし、建設コンサルタントの仕事は大変ですので、各種休暇制度が充実していたり、時短勤務が認められていたり、残業が少ないなど、家庭生活との両立を図りやすい職場を探す必要があるでしょう。