女性の県議会議員のキャリアパス・結婚後の生活

女性の県議会議員の現状

女性の社会進出が進んでいる昨今において政治家の世界はまだまだ女性の割合が少ないといえます。

国会議員の例になりますが、列国議会同盟(IPU)の調べによると、2019年6月時点で日本の女性議員(衆議院)の割合は10.2%で、調査対象国193カ国のうち165位でした(※1)。

世界的な動きで見てみると、1995年に11.3%だった女性議員の割合は2019年1月時点で24.3%に倍増しています。

しかし、日本はその半分にもおよんでいません。

都道府県議会議も同じ状態です。

総務省によると、2019年12月時点の都道府県議会の女性議員の割合は11.4%と発表されています。

少子高齢化が進む中、地方議会でも女性の活躍が期待されているため、2019年5月には「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が施行され、以下の3つを基本原則としてさまざまな取り組みが行われています。

【政治分野における男女共同参画の推進に関する法律 3つの基本原則】
・衆議院、参議院及び地方議会の議員の選挙において、男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指して行われること
・ 男女がその個性と能力を十分に発揮できること
・ 家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となること

また地方議会への女性参加を推進するため、自治体によって以下の取り組みも行われています。

・女性模擬議会、議会傍聴ツアーなどイベントの開催
・リーフレット、ホームページなどを活用した広報・啓発活動
・ハラスメント対策
・欠席規定の整備や妊娠・子育て中の議員への配慮など、男女に開かれた議会への環境整備
・議会における男女共同参画の推進に関する検討・理解の促進

今後も各自治体には、男女共同参画の推進に向け積極的な取り組みが期待されています。

参考:NHK政治マガジン 女性議員の割合 日本は165位 先進国で最低水準

参考:地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調等

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女性の県議会議員の強み・弱み

県議会議員が取り組む仕事には生活に直結することも多く、女性目線で改善策を提案できたり、問題提起できるのが強みといえます。

出産や育児に関することや教育問題、介護や医療に関することなどは自分で経験したことのある女性議員も多くいるため、県民に寄り添った政策を立案できるでしょう。

また女性の政治参加を促進させるには女性議員の意見は必要不可欠です。

しかし、残念ながら出産・育児に関する制度がまだまだ整っていないのが、女性の県議会議員が苦労する点でしょう。

出産時に休みやすくするための欠席規定や、育児室や授乳室の整備に取り組んでいるのは、一部の議会のみです。

女性議員の出産休暇や、子ども同伴ででの登頂はニュースにも取り上げられるほど、現状では難しい問題です。

女性議員が働きやすい環境の整備は将来的に必須の課題といえます。

県議会議員の結婚後の働き方・雇用形態

県議会議員は特別職の地方公務員という立場ですが、雇用されているわけではなく、取り組む仕事や勤務時間、休日などほぼすべてのことを自分の裁量で決め、実行しなければいけません。

つまり就業規則というものがない上に、結婚や出産、育児といったライフイベントに対応する制度もまだまだ不十分です。

成人した子どもであれば問題ないですが、休日もままならない仕事のため、子育て中だと家族や周囲のサポートなくして県議会議員を続けるのは難しいでしょう。

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県議会議員は子育てしながら働ける?

子育てしながら県議会議員として働く難しさは紹介したとおりですが、子育てをしながら県議会議員として活躍している女性議員は実際いるため不可能ではありません。

すべてが県議会の例ではありませんが、出産時の欠席規定の整備、育児室や授乳室の設置、本来宿泊での行政調査を日帰り参加、など各自治体で配慮している例もあります。

子育てしながら議員を続けることで議会の環境整備に対して生の声を届けることができますし、同じように子育てしながら働く女性たちの悩みを共感でき、政策提案に生かせるでしょう。

県議会議員は女性が一生働ける仕事?

女性でも県議会議員は一生働ける仕事です。

ただし、選挙に受かることが条件ですし、結婚や育児など家庭との両立ができるかどうかが一番の問題となるでしょう。

女性が活躍しやすい議会環境の整備も必要ですし、結婚をしていれば家族のサポートも不可欠です。

体力的・精神的にもハードなことが多くあり、超えなければいけないハードルは高くて多いでしょう。

しかし、国務大臣や都道府県知事、市長など首長として活躍している女性政治家がいるのも事実です。

県議会議員になって何を成し遂げたいかなど一人の政治家として強い信念を持つことで、女性特有の悩みも乗り越えて、一生県議会議員として働けるのではないでしょうか。