県議会議員の任期・退職後の生活

県議会議員の任期

県議会議員(都道府県議会議員)の任期は4年間です。

任期満了後も県議会議員を続けたい場合は言うまでもなく選挙で勝つしかありません。

または県議会議員としてつちかった経験を生かし、政治家として別の舞台で活躍したいと願い市長や知事、国会議員を目指す人もいます。

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県議会議員を辞めても退職金はない

いずれの場合も現職を辞めて選挙に挑まなければならず、負ければ職を失います。

注意しなければいけないのは県議会議員に退職金はないという点で、国会議員や市議会議員にも退職金はありません。

年間1,000万円を超す議員報酬を得られるので貯蓄も多いのではないかとと思うかもしれません。

しかし、実際は政治活動で支出も多く、私費をつぎ込んで県議会議員をしている人も多いようです。

議員自身の生活費もかかりますし、次の選挙のために選挙資金を積み立てていればなおさら貯蓄できない上に、選挙で負けてしまうと金銭的にも苦しい状況になります。

ちなみに市長や知事には退職金が支払われますが、選挙公約で退職金カットを掲げて、特例条例を可決させ退職金をゼロにしている首長もいます。

県議会議員になれる人は限られる?

県議会議員自体は兼業できるため民間企業で働いている人も目指せます。

しかし現状の議会制度では普通の会社員が兼業として県議会議員を務めるのは時間的に難しいでしょう。

生活もさほど楽になるわけでもなく、退職金もなく、4年後には無職になるかもしれない現状ではリスクが多く、会社を辞めてまで県議会議員になる人はいないと考えられます。

将来を考えると県議会議員の給与だけで生活するのは難しく、専業として県議会議員をできる人は高額な財産収入や生活によほど余裕のある人しかできません。

そのため一線を退いた会社の役員や県職員OBなどが兼業として務める場合が多く、結果的に県議会議員そのものの年齢層が上がってしまっています。

市議会議員の調査データになりますが、議員を専業としてしている人は全体の約46%で、残りの約54%は兼業しているという結果が出ています。

さらに年齢構成で一番割合が多いのは60~70歳未満の37%で、次いで50~60歳未満の24.6%、70~80歳未満の16.2%と続いています。

働き盛りの若い世代が議員になる人は少なく、経験を積んだOBや一線を退き時間的に余裕のある人が議員になっていると想像できます。

参考:全国市議会議長会総務部 市議会議員の属性に関する調:令和元年7月集計

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県議会議員に落選してしまったらどうなる?

県議会議員に落選したら

都道府県議会議員の任期は4年ですので、任期満了後は選挙が行われます。

再選を目指す人もいれば、落選すれば元の生活に戻るだけです。

市議会議員の調査では約54%の議員が兼業しているという結果が出ており、同じ地方議員である県議会議員もほぼ同じ状況と推測でき、落選すれば多くの議員は兼業していた仕事を続けるでしょう。

現役世代の人が仕事を辞めて立候補している場合もあり、そうした人が落選してしまったら当然ながら再就職を目指さなければいけません。

また再出馬を目指して浪人するパターンもあります。

再出馬を期す人は、政治活動を継続して認知度を高めたり、支援者を増やす活動をしたりして次の選挙に備えます。

当選する倍率は?

県議会議員の当選率を見てみましょう。

総務省の資料によると、平成27年に行われた統一地方選挙の県議会議員選挙は定数2284人に対し、候補者3272人おり、競争倍率は1.4倍です。

この1.4倍が高いと思うか、低いと思うかは人により違いますが、人生をかけてチャレンジしている人も多いため、決して低い数字とはいえません。

定数を超えている選挙区では当選・落選をかけて激戦が繰り広げられる一方、無投票当選している県議会議員もいます。

2019年に行われた41の道府県議会議員選挙では945ある選挙区のうち、約39%にあたる371もの選挙区で立候補者が定数に届かず、612人が無投票当選しています。

また9回連続無投票の選挙区もあり、年数にすると31年間一度も選挙戦が行われず立候補者が当選したことになります。

こうした状況の良し悪しは別として、データで見てみると立候補する選挙区によって当選確率は大きく変わるようです。

参考:総務省 平成27年4月執行 地方選挙結果調

参考:NHK政治マガジン 41道府県議選 無投票当選者が過去最多

落選したら供託金や公費負担制度はどうなる?

供託金とは立候補乱立を防ぐため、一時的に法務局に預けるお金のことです。

都道府県議会議員選挙の場合、供託金60万円を預けるわけですが落選すると戻ってこないのではと心配するかもしれませんが、決められた票数を獲得できれば当落に関わらず戻ってきます。

選挙の種類によって獲得票の算出方法は異なり、県議会議員選挙の場合は「有効投票総数をその選挙区の定数で割った10分の1」となっています。

同じく落選時の扱いとして気になるのが公費負担です。

公費負担制度とは選挙運動費用の一部を地方自治体が負担する制度で、候補者の金銭的負担を減らし、資金力に関係なく誰もが選挙運動を行うための制度です。

ビラやポスター作成などの費用が対象で、選挙後に候補者にではなく依頼された業者に直接支払われます。

この公費負担も当落に関係なく支払われますが、やはり決められた票数を獲得しなければいけません。

獲得票の算出方法は供託金と同じで、「有効投票総数をその選挙区の定数で割った10分の1」となっています。

もし獲得票が規定に届かなければ供託金は没収されますし、公費負担制度も使えず業者には自腹で全額払わなければいけせん。

しかし当選するつもりで選挙活動を行っていれば、だいたいの候補者は規定された票数を獲得できるといわれています。

県議会議員の退職後の生活

県議会議員を退職した後の生活は議員それぞれの状況によります。

兼業していた人はその仕事に専念するでしょう。

県議会議員を専業で務めていた人なら、議員時代の経験と知識を生かしてNPO法人を立ち上たり、縁ができた団体で働くなどの道も考えられます。

いずれにせよ基本的に退職後のサポートはないので、議員を辞めた後の生活を考えておくのも大事です。