県議会議員の選挙費用はいくら?「供託金」の目的についても解説

県議会議員選挙における選挙費用や資金調達、供託金は立候補する際に重要なポイントとなります。

選挙運動は候補者にとって重要であり、それにかかる費用は地域や選挙の種類によって異なります。

ここでは、県議会議員選挙の費用の一般的な傾向や資金調達のポイント、供託金制度について解説していきます。

県議会議員の選挙費用は10項目

県議会議員選挙に立候補し、選挙戦を戦う際にはさまざまな費用がかかります。

選挙戦を戦う際にかかる費用は「選挙運動費用」といい、公職選挙法により収支報告書の提出が求められています。

以下は、収支報告書に記載される主な10項目についての説明です。

人件費

選挙事務所の事務員や単純作業員(ハガキの宛名書きや発送、看板運搬、車の運転やポスター貼りなど)、ウグイス嬢をはじめとした運動員などへの報酬です。

ハガキの宛名書きや看板運搬など、選挙運動に関わる作業を行う人々への給与が含まれます。

家屋費

(1)選挙事務所費 選挙事務所の賃料や設備にかかる費用です。電気や水道、電話や光回線などの工事費用なども含まれます。
(2)集合会場費 演説会場や集会場を借りる際の費用です。

通信費

インターネット通信費や電話代、切手代、ハガキや封書の送付に関わる費用です。

交通費

選挙運動中にかかる交通費や、選挙カーの使用料、ガソリン代などです。

候補者の交通費は含まれません。

選挙運動用自動車(選挙カー)の使用料やガソリン代、運転手の雇用料も選挙運動費用とみなされません。

印刷費

チラシや名刺、選挙ポスター、ハガキなどの印刷費用などです。

広告費

立札や拡声器、たすき、看板などの製作費用などです。

文具費

封筒やプリント用紙、ペン、ノートなどの事務消耗品の費用などです。

食糧費

選挙事務所でのお茶やお菓子、運動員へのお弁当代などです。

休泊費

候補者やスタッフの休憩や宿泊に関わる費用です。

雑費

上記の9項目に該当しない、その他の費用が含まれます。

例えば、ガス代や電気代、使用した消耗品の費用などが含まれます。

これらの項目にかかる費用を適切に収支報告書に記載し、公職選挙法に従って報告することが求められます。

選挙運動の透明性を確保し、公正な選挙活動が行われるために重要な手続きです。

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公費負担制度は自治体が資金を負担する制度

公費負担制度とは、選挙運動費用の一部を地方自治体が負担する制度です。

この制度は、候補者の負担軽減だけでなく、資金力に関わらず多くの人が選挙に立候補でき、選挙運動を行えるようにするために整備されています。

公職選挙法に基づき、地方自治体が条例によって制度を導入しています。

ただし、この制度は国政選挙と同様に全ての地方自治体で適用されているわけではなく、町村を除く地方自治体での適用が一般的です。

公費負担制度の対象となる主な経費の種類は以下の通りです。

選挙運動用自動車の使用
選挙運動用通常ハガキの作成
選挙運動用ビラの作製
選挙運動用ポスターの作製
選挙事務所の立札および看板の類の作製
選挙運動用新聞広告費用 など

これらの経費については、それぞれ負担の上限額が設定されており、上限を下回る場合は実費分が負担されます。

支払いは、候補者が契約した業者に直接行われます。

ただし、公費負担制度の受給には一定の条件があります。

候補者が供託金の没収点以上の得票を獲得しなければならないという条件があります。

このため、規定された得票数に達しない場合は、候補者が実費で経費を業者に支払う必要があります。

供託金は60万円必要

供託金とは、選挙に立候補する際に法務局に預ける金銭のことを指します。

この制度は、売名目的や当選する意志のない人をあらかじめ排除し、無秩序な立候補の乱立を防ぐために設けられています。

県議会議員選挙の場合、供託金の額は60万円と決まっています。

これは県議会議員選挙の特定の選挙における一般的な金額ですが、選挙ごとに異なる場合もあります。

衆議院選挙や知事選など他の選挙でも、供託金は設定されており、一定の獲得票数を達成すれば返還される制度が適用されています。

具体的には、供託金が返還されるための獲得票の規定数が設けられており、それを達成することで供託金は候補者に戻されます。

県議会議員選挙における獲得票の算出方法は、有効投票総数をその選挙区の定数で割ったものの10分の1と定められています。

この方法に従って獲得票が計算され、その数が供託金の返還基準を満たすかどうかが判断されます。

なお、供託金が没収された場合は、それは都道府県に納められることになります。

これは税金と同様の扱いを受けます。

供託金の没収は、選挙の公平性を保つための一環として行われるものであり、真剣に選挙活動を行う意欲のある候補者に対する措置として位置づけられています。

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選挙にかかる費用は幅広い

選挙運動費用は、個々の選挙区や選挙の種類、地域の特性などによって大きく異なることがあり、一概には言い切れない要因が多くあります。

とくに、候補者自身の資金力や選挙運動の方針、選挙区の人口などが選挙運動費用に大きな影響を及ぼします。

具体的な数値は公式な平均値が公表されていません。

ただし、一例として平成27年に人口約69万人の県で行われた県議会議員選挙の収支報告書を参考にしてみると、選挙費用総額の平均は約210万円だったとのことです。

この平均値からも分かるように、候補者ごとの選挙運動費用は幅広く、約83万円から約420万円までさまざまな額が使われていることが分かります。

また、知事選や市議会選など選挙の種類ごとに選挙運動費用の制限額が設けられていることもあります。

都道府県知事選挙の場合、上限額は「名簿登録者数÷定数×83円に390万円を加えた金額」で計算されます。

これは選挙の性質や地域の特性に合わせて設定されているものであり、選挙の公平性を保つための規定です。

以上のように、選挙運動費用はさまざまな要因によって影響を受けるため、具体的な金額は選挙の種類や地域によって異なります。

参考:島根県報 選挙管理委員会

参考:延岡市 選挙運動費用っていくら?

県議会議員の選挙費用はいくら?のまとめ

県議会議員選挙の選挙費用や資金調達、供託金は地域や選挙の種類によって異なりますが、あるデータでは平均約210万円の選挙費用がかかっています。

供託金制度は選挙への真剣な意志を示すための仕組みであり、県議会議員の場合60万円です。

候補者は選挙運動だけでなく資金面でも戦略を練り、地域のニーズと課題に対応した選挙活動を展開していきます。