建築設備士の現状と将来性
建築設備の高度化、複雑化により需要は拡大
建築物にとって、建築設備は切っても切り離せない関係にあるといえます。
ひとことで「建築設備」といっても、給排水配管や空調機器、照明類などさまざまなものがあり、とくに近年は高度かつ複雑なシステムで制御されている建築設備が活用されている建物が増えています。
建築士が建築設備まで理解して設計を行うことも不可能ではありませんが、建築設備が複雑化するなかで建築設備の専門的な知識を持つ建築設備士の意見が求められる場は多く、需要は高まっているといえます。
建築設備士は国家資格であるため、資格を持っている人は確かなスキルがあることが客観的にも評価されやすいといえます。
20代で正社員への就職・転職
活躍の場は幅広い
建築設備士のおもな業務内容は、建築士に対して建築設備業務におけるアドバイスを行うことです。
建築士が、建築設備士の意見を設計図書に反映した場合には、役所に提出する建築確認申請に建築設備士の名前を明記することが義務付けられています。
建築物は人が利用するうえで「安心・安全」を確保することが重要であり、大手建設会社や設計事務所などでも、正しい知識を持つ建築設備士が必要とされています。
そのほか、電気・空調の設備メーカにおける設備設計部門や、不動産会社、ビルメンテナンス会社などにおいても設備技術者としての活躍が期待されます。
有資格者であれば、転職時にも有利に採用されやすくなるでしょう。
建築設備士の資格を足掛かりに、さらなる飛躍も
建築設備士は建築士と異なり、建築物の設計や工事監理に携わるうえで絶対に必要な資格というわけではありません。
しかし、建築設備士の資格を取得すれば実務経験を4年積むことで「一級建築士」試験の受験資格が得られますし、「二級建築士」にいたっては実務経験なしで受験資格が与えられます。
建築設備士を足がかりに、建築士を目指すといったキャリアパスも考えられ、建築のさまざまな仕事に広く関わっていくことも可能になります。