居酒屋店長の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「居酒屋店長」とは

居酒屋店長の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

居酒屋の店舗責任者として、スタッフ教育や売上管理、接客などの業務に携わる。

居酒屋店長は、居酒屋の店舗責任者として、店を円滑に運営するためのさまざまな業務を担っています。

たとえば、チームプレーで店を一緒に運営するアルバイトスタッフの採用や教育をはじめ、食材の発注や在庫管理、店舗の清掃、さらには売上向上のための目標設定や施策立案などをし、お客さまにより良いサービスを提供すると同時に、店の売上をアップさせることを役目としています。

居酒屋店長になるには、大きく分けて、居酒屋チェーンを経営する会社に就職して「雇われ店長」として働く方法と、自分で店を出す方法の2種類が挙げられ、会社勤めであれば年収300万円~400万円程度がボリュームゾーンとされています。

熱意や根性さえあれば未経験からでもスタートしやすいものの、ハードワークであるため、年齢を重ねていくと仕事を続けるのが厳しくなるかもしれません。

独立開業した場合には雇われとは違った厳しさがありますが、リスクを背負ってでも魅力的な居酒屋を経営することができれば、店を繁盛させて大きく稼ぐことも夢ではありません。

「居酒屋店長」の仕事紹介

居酒屋店長の仕事内容

お客さまに楽しい時間を提供する仕事

居酒屋店長は、居酒屋の店舗責任者として、店を円滑に運営するためのさまざまな業務を担っています。

居酒屋は、基本的に店長ひとりで営業することはできません。

おいしいお酒や料理を用意するキッチンスタッフ、お客さまと直接触れ合うホールスタッフなど、複数名のスタッフが協力してサービスを提供する場です。

そうしたスタッフのモチベーション維持や協力的な組織づくりはもちろん、飲食用の材料の手配や、お金の管理、売上アップのための施策立案など、多岐にわたる業務をこなすのが店長の役目となります。

資格などは必要ないものの、担当する業務が広範であり、さらに多くの居酒屋は人手不足に悩まされているため、店長自身もプレイヤーとして現場に出る必要があります。

そのため、気力と体力を必要とする仕事でもあるといえるでしょう。

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居酒屋店長になるには

雇われるか、独立するか

居酒屋店長になるにはいくつかの方法が考えられますが、もっとも一般的なのは居酒屋チェーンを経営する会社に就職して「雇われ店長」として働くという方法でしょう。

居酒屋は非常に数が多く、また常に人手不足に悩まされているため、求人は年間を通じて多数出ています。

居酒屋業界はこれといった資格が求められず未経験者でもチャレンジしやすい世界ですが、専門知識も経験もない場合、まずはホールや調理スタッフから経験を積んで、副店長、店長へステップアップするルートが常道です。

雇用形態は、最初から正社員として働けるところもあれば、まずはアルバイトからのスタートで、実力に応じて正社員に登用されるということもあります。

アルバイトなどの形でしばらく居酒屋で働き、ノウハウを積んでから独立開業する人も多くいます。

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居酒屋店長の給料・年収

働き方に大きく左右される

居酒屋店長の収入は、月額にして平均25万円前後、年収にすると300万円〜400万円程度といわれています。

ただしこれはあくまで「雇われ店長」の場合であり、自分の店を持つオーナー店長であれば、売上次第で収入は大きく変わってきます。

居酒屋では一般的に、売上から諸経費を引いた3割〜4割程度が手元に残るといわれています。

そのため、売上を増やすことはもちろん、原料費や人件費といったコストを抑え、利益をどれだけ高められるかが店長の手腕の見せどころでしょう。

一方の雇われ店長の場合は、通常の会社員と近しい待遇になり、会社の給与基準に応じた収入・昇給が基本になります。

ただし、給与体系は各社で異なりますし、大手と中小規模の会社でもまた変わってきます。

また、店長としての役職手当が付くかどうかや、ボーナスの支給有無も会社によって異なるようです。

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居酒屋店長の現状と将来性・今後の見通し

厳しい業界だがチャンスもある

居酒屋店長という仕事は、総じて気力と体力が求められるハードなポジションです。

そのハードさゆえに、長く続けることが難しく、離職率も高いのが現状となっています。

言い換えれば常に人材不足の業界であるため、見方を変えると大きなチャンスにあふれた世界と考えることもできます。

経験と実績次第で、転職によるキャリアアップや独立開業も狙えるからです。

また競争が激しく、新規出店と廃業が日々くり返される厳しい業界であることもまた事実ながら、独自のサービスやアイデアで長年お客さまから愛され続けているお店もあり、工夫しだいで地域の繁盛店になることも可能でしょう。

「お客さまを楽しませる」ことにやりがいを感じ、その情熱でスタッフを巻き込んでいくことができる人にとっては、見通しの明るい仕事といえるのではないでしょうか。

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居酒屋店長の就職先・活躍の場

居酒屋が活躍の場

居酒屋店長の就職先はもちろん居酒屋です。

しかし居酒屋といっても形態は実にさまざまで、チェーン店や個人店の雇われ店長、また独立開業したオーナー店長などのバリエーションがあります。

独立開業とは、自分でお店を開き、経営者としてお金の管理から仕入れ、従業員のマネジメントまで責任を持って行うことを意味します。

一方の雇われ店長の場合、お店は基本的に本部やオーナーの持ち物となります。

店長はあくまでお店の実務を取り仕切る役割であり、お店の方針や多店舗展開といった経営的な判断は本部またはオーナーが行うことが多くなるでしょう。

独立開業と雇われ店長に良し悪しはなく、どのような環境で働きたいかによって、どちらが適しているかは変わってくるものになります。

居酒屋店長の1日

気力・体力ともタフな仕事

居酒屋店長の多くは、独立開業ではなくチェーン居酒屋などでの店長職に就いていることが多いでしょう。

そのためここでは、大手チェーン居酒屋の店長として働く人の1日を紹介していきます。

15:00 出勤
店の営業時間は17:00〜翌5:00が一般的です。
仕事は必然的に夜型となります。

16:00 開店準備
アルバイトのメンバーとともに清掃や整理を入念に行います。

17:00 開店
開店直後はお客さまもまだ少なく、仕込みを行いながらピークの時間帯に備えます。

19:00 接客
徐々にお客さまが増えてきます。その日の混み具合やスタッフのスキルに応じて、調理を担当することもあれば、ホールに出て接客することもあります。

22:00 スタッフ教育
離職率の高い居酒屋業界では、人材の教育は常に優先課題のひとつです。お客さまの動きが落ち着いた時間を見計らって、新人アルバイトの教育を行います。

23:30 事務作業
バックヤードでシフト表の作成や日報記入など事務作業を行います。

24:00 退勤
他の社員やアルバイトリーダーに店を引き継ぎ、帰宅します。

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居酒屋店長のやりがい、楽しさ

お客さまに楽しんでいただく喜び

居酒屋店長としての何よりの喜びは、お客さまに「おいしかった!楽しかった!」と満足して帰っていただくことでしょう。

人々がお酒や食事を囲んで楽しむ場所ですから、そこで働く人たちには「お客さまを喜ばせたい」という思いが少なからずあるはずです。

その思いが、自分やスタッフの努力によって報われたとき、何物にも代えがたいやりがいと充実感を覚えるのではないでしょうか。

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居酒屋店長のつらいこと、大変なこと

深夜型の生活リズムが基本になる

深夜型の生活リズムが基本になる

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居酒屋店長に向いている人・適性

人を楽しませるムードメーカーが向いている

居酒屋は、お客さまが夜ごとテーブルを囲んで楽しい時間を過ごす空間です。

そのような空間を演出する責任者である居酒屋店長には、誰よりも「お客さまに楽しんでもらいたい」という思いが求められます。

そのため、おもてなしの心を持ち、丁寧な接客とおいしいお酒・料理をしっかり提供する環境を作れる人材が居酒屋店長に向いているといえるでしょう。

また、居酒屋運営にはチームワークが不可欠です。体力的・精神的にも楽ではない仕事ですから、正社員・アルバイトを問わずモチベーションや健康面のサポートをこまめに行う必要があります。

自分だけでなく、スタッフの働きやすさややりがいにも配慮できるリーダーシップを持った人は居酒屋店長の資質があるといえます。

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居酒屋店長志望動機・目指すきっかけ

居酒屋の楽しいひとときに触れたことがきっかけ

居酒屋店長を志す人の多くは「お客さまを楽しませたい」というエンターテイナー的資質を持っていることが多いようです。

人々が愉快で明るい時間を過ごす空間を運営するわけですから、この資質は居酒屋店長には不可欠といえるでしょう。

学生時代に部活やサークルでリーダーを務めたり、友人を笑わせていたタイプの人も向いているかもしれません。

また、自分自身がお客として居酒屋に通ったことをきっかけに店長を目指すようになる人も少なくないでしょう。

いずれの場合でも、根底にあるのは「人を楽しませたい」というおもてなしの心です。

そのような思いを持つ方にとっては、非常にチャレンジしがいのある仕事なのではないでしょうか。

居酒屋店長の雇用形態・働き方

雇用形態は多様

くり返しになりますが、居酒屋店長になるパターンは「チェーン店などで雇われる」「独立開業する」の2通りが一般的です。

雇われの店長となる場合、雇用形態は正社員になることがほとんどでしょう。

この場合には店長といっても一般のサラリーマンと同じ立場ですから、会社の定める労働条件に従って勤務する形になります。

一方の独立開業のケースでは、文字どおり独立したオーナーになるため、どのように働くかは自分の裁量で決めることができます。

裏を返せば働き方を自分でコントロールする必要があるため、スタッフに仕事を任せられない店長はどんどん自分で背負い込むことになってしまいます。

スタッフの一人として現場を切り盛りしつつも、あくまで経営者としてメンバーに仕事と権限を委譲していくことを求められるのが居酒屋店長という仕事なのです。

居酒屋店長の勤務時間・休日・生活

拘束時間は長く、休日もとりにくい職場

居酒屋店長の勤務時間は、勤め先や働き方によって大きく変わります。

基本的には店の営業時間がベースとなり、社員としての雇用であれば労働基準法の枠内での勤務が基本となります。

ただし慢性的な人手不足の現状ではなかなかそうもいかず、開店から閉店まで「通し勤務」を求められる会社も少なからずあります。

そのような店では、12時間〜15時間といった長時間労働を強いられるケースもあるようです。

一方、個人経営の店では18時頃に開店し、日が変わる頃には閉店というところもあります。

店舗によって、決められている勤務時間や、労働時間の実態はだいぶ異なるというのが実態といえるでしょう。

居酒屋店長の求人・就職状況・需要

居酒屋の求人は引き続き多数ある

居酒屋は、どの街にも数多くのお店がある、日本の外食産業に欠かせない存在です。

また、大手チェーンから小規模グループ、個人店まで多様なプレイヤーが乱立する業界でもあります。

基本的に資格のない未経験者でもチャレンジしやすく、アルバイト・派遣社員・正社員まで幅広い雇用形態に対応しているため、働き口としても常に人気があるといえます。

一方で、深夜営業や長時間労働、酔客への対応などストレスの多い労働環境でもあるため、離職率が高く、人材がなかなか定着しないのも事実です。

こうした背景から常に一定の需要があり、多くの求人が出されていますので、仕事を見つけることはさほど難しくないでしょう。

しかしその分、働き続けることが簡単ではない仕事であることも十分に理解しておく必要があるといえます。

居酒屋店長の転職状況・未経験採用

店長経験者の需要は高い

ヒト・モノ・カネの管理をはじめとする居酒屋運営のノウハウを持つ店長経験者は、どこに行っても重宝されることは間違いありません。

なぜなら居酒屋店長のマネジメント手腕は汎用性が高く、どのようなタイプの店であってもある程度の成果を出すことが期待できるからです。

さらに飲食業界は常に人材難にあえいでいますから、経験豊富な店長なら比較的簡単に転職を果たすことができるでしょう。

一方で未経験の場合、いきなり店長ポジションを狙うことは現実的ではありません。

他の飲食業と同じく、まずはスタッフとして経験を積んだうえで徐々にステップアップしていくのが正攻法です。

ただし他業種でマネジメントの経験や実績があるという人であれば、業界未経験でも店長候補として早期に店長職を目指すことができるかもしれません。

居酒屋の基本であるチームワークを最大限に引き出せる人材が、居酒屋店長として求められているのです。

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