インテリアプランナーになるには? 必要な資格はある?
インテリアプランナーになるまでの道のり
インテリアプランナーの仕事には「インテリアプランナー」という資格もありますが、資格がなければ関連業務に就けないというわけではありません。
そのため、まったく知識がない状態で現場に入って、先輩の下で少しずつ知識や技術を身につけていくことも不可能ではありません。
しかし全体として見ると、まずは大学や専門学校などでインテリア関連について学んだうえで、ハウスメーカー、建築会社、内装施工会社、デザイン・設計事務所などへ就職する人が多くなっています。
企業によって求める学歴やスキル、経験などは異なり、大手企業の場合、大学や専門学校で建築・インテリアを学んだ学生が採用されやすい傾向にあります。
一方、小規模な企業や事務所に勤める場合、まったくの未経験者からでも、下積みからスタートできることも少なくありません。
いずれにしても、いきなり企画や設計を最前線で任せられるわけではなく、先輩の下で仕事を覚えながらスキルアップを目指していくことになるでしょう。
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インテリアプランナーの資格・難易度
インテリアプランナーの資格
インテリアプランナーとして働くうえで、資格が必須というわけではありません。
しかし、インテリアプランナーには建築やインテリアに関する幅広い、かつ専門的な知識や技能が求められるため、この試験に合格していることで、一定のレベルに達していることを証明しやすくなります。
また、決して易しい試験ではないため、有資格者は建築業界では優遇されることも少なくありません。
インテリアプランナーに加えて、インテリアコーディネーター、建築士の資格を取得し、さらに仕事の幅を広げていくこともできます。
受験資格
インテリアプランナーの資格は、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」が実施する試験に合格した人に与えられる称号です。
本試験は学科試験と設計製図試験で構成されており、建築・インテリアに関する知識や設計製図が出題されます。
設計製図試験にまで合格して登録を行うと、インテリアプランナーの資格を持って働くことができます。
学科試験については年齢など受験資格の制限がなく、誰でも受験可能です。
設計製図試験は、学科試験に合格するか、下記の条件を満たしている場合に受験することができます。
・前4年度の学科試験の合格者
・アソシエイト・インテリアプランナー
・建築士(一級・二級・木造建築士)
なお、インテリアプランナーの登録については、学歴・資格などに応じて所定の実務経験が必要になります。
インテリアプランナーの資格は更新制となっています。
5年を超えても資格を継続しておきたい場合には、登録日から5年を経過した日の属する年の9月30日までに更新講習というものを修了し、更新の登録を受ける必要があります。
5年を過ぎると遅延登録や再登録ができなくなってしまうため、注意が必要です。
アソシエイト・インテリアプランナーとは?
平成28年度から、インテリアプランナーの称号に加えて、「アソシエイト・インテリアプランナー」という新しい称号が設けられました。
アソシエイト・インテリアプランナーは、インテリアプランナーになるための前段階の称号と位置付けられており、年齢に制限はなく、実務経験も不要で誰でも受験できる試験です。
したがって、20代の若い人が受験するケースが多く、登録者の約70%が学生とされています。
インテリアプランナーになるための学校の種類
就職の選択肢を広げるために
インテリアについて学べるおもな学校としては、大学の工学系学部や建築系学部、あるいはインテリア関連の専門学校が挙げられます。
インテリアプランナーになるうえで、必ず特定の学校に通わなくてはならないというわけではありません。
しかし、実務では建築やインテリアに関する幅広い専門知識が必要になってくるため、それらの基礎を大学や専門学校で学んでから、建築会社や設計・デザイン会社などに就職するのが一般的です。
なお、仕事をスタートすれば実力が何よりも重要になりますが、大手の建築会社などでは、就職試験において「大卒以上」の学歴が求められるため、大学を出ていれば就職先の選択肢は広がるでしょう。
ただし、専門学校で実践力を磨いて、いち早く就職を目指したいという考え方をする人も少なくないため、自身の将来の目標と照らし合わせながら、進学先を決めるとよいでしょう。
資格登録の際に有利になる学科も
インテリアプランナー試験に合格後、インテリアプランナー登録を受けようとする場合には、学歴や資格に応じて実務経験が必要になります。
そのとき、大学や専門学校などの「インテリアや建築に関する課程」で学んできた人の場合、実務経験を積まなくても登録が可能になります。
ここでいう「インテリアや建築に関する過程」は、おもにインテリア科、インテリアデザイン科、建築学科、建築科、建築工学科、建築デザイン科、建築設計科、住居学科となっています。
したがって、上記で挙げたような学科に進学していれば、より早くインテリアプランナーに登録して働くことも可能です。
また、インテリアプランナー資格試験のための民間のスクールもありますが、大学や専門学校とは異なり、学歴として認められるわけではありません。
あくまでも、インテリアプランナー資格試験への合格を目指す人が、学校に通って効率的に勉強するものです。
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インテリアプランナーに向いている人
この仕事は、デザインやインテリアだけではなく、建築物や居住空間そのものに関する知識がなくてはいけません。
そのため、インテリアだけでなく、建築そのものにも関心がある人が向いている仕事です。
またインテリアプランナーは、お客さまの要望を受けてさまざまなインテリアを提案するため、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力がある人に向いているともいえるでしょう。
インテリアプランナーのキャリアプラン・キャリアパス
インテリアプランナー資格取得を目指す
インテリアプランナー資格は、もともとインテリアプランナーとして働いていた人が、専門的な知識や技術力を証明するために受験することが多くなっています。
試験における設計製図試験の受験は、同試験の学科試験に合格するか、建築士の資格を持っているかなどの条件を満たす必要があります。
さらに試験合格後に登録するには、学歴に応じた実務経験も求められます。
そのため、まずは実務経験が積める建築関連企業や設計事務所で勤務し、働きながら資格取得をしてキャリアアップする流れが一般的です。
インテリアプランナーには、お客さまの要望をヒアリングしたうえで、インテリア全体の計画を立てて設計をし、さらに工事監理を行っていく能力も必要です。
インテリア関連の仕事のなかでも高いレベルの知識・技術が求められるため、一人前になるには時間がかかるといえるでしょう。
インテリアコーディネーターからステップアップ
現場では、インテリアコーディネーターとして働く人が、キャリアアップのためにインテリアプランナーの資格を取るケースも多いです。
また、建築士とインテリアプランナーの両方を取得し、建築・インテリア業界で幅広い仕事に携わる人もいます。
インテリアプランナーを目指せる年齢は?
未経験からの転職
インテリアプランナーとしての経験がまったくない人が、いきなり企画・デザイン・設計・現場監理などの仕事を一人で行うことは難しいと考えておいたほうがよいでしょう。
多くの企業で、即戦力になれる実務経験者(必須となる実務経験年数は2年程度)を採用しているのが実情で、年齢は30歳前半が一つの区切りとされています。
なかには未経験者を採用している企業もあるようですが、その場合は、先輩プランナーの下でアシスタントとして下積みから始まります。
まずはインテリアコーディネーターやインテリアデザイナーとしての経験を積み、一人前のインテリアプランナーを目指していくのが一般的な流れです。
インテリア業界は人気が高い
建築やインテリア業界ではインテリアプランナーがたくさん活躍しており、転職希望者向けの求人も少なくありません。
しかし、インテリアに関わる仕事は人気が高いため、倍率も高いことで知られています。
なお、「インテリアプランナー」として求人が出されていても、実際の仕事内容は会社によって異なります。
クライアントとの打ち合わせや提案、家具レイアウト等のコーディネート、デザインのプランニング、現場監理、さらに営業的な部分まで任せられるようなこともあります。
また、会社によって住宅中心に扱うところもあれば、オフィスや大型商業施設を多く手掛けるところ、また最近ではリフォームやリノベーションに力を入れている会社も増えています。
やりたい仕事をイメージしながら転職先の候補を絞り込んでいくとよいでしょう。
インテリアプランナーは高卒から目指せる?
インテリアプランナーを目指す際、学歴は専門・短大卒以上といった形で限定されていることもあれば、まったく不問としている会社もあります。
高卒からの就職は難しいことが多いですが、Illustrator・Photoshop・Vectorworksといったソフトの操作ができる人は歓迎されやすいでしょう。
インテリアプランナーは女性でもなれる?
女性のインテリアプランナーは少ない
インテリア業界で働く女性は増えていますが、インテリア関連の資格のなかでは、インテリアプランナーはやや難易度が高めとされています。
それというのも、インテリアプランナーは室内インテリアのコーディネートだけでなく、オフィス、公共施設、店舗といった多様な建築物に携わり、その企画、設計、工事監理までを担っていく専門職だからです。
そこではインテリアのみならず、建築や製図の知識も求められますし、現場を監理していくマネジメントスキルなども必要となってきます。
インテリアコーディネーターは合格者の大半が女性とされていますが、それに比べるとインテリアプランナーにまで挑戦する女性はそこまで多くはないようです。
建築業界でのニーズが高い
しかし、インテリアプランナーも、近年は女性の合格者が増加傾向にあります。
インテリアプランナーは建築業界からのニーズも高く、この資格を生かし建築業界の第一線で活躍する女性が増えているのです。
建築士の資格を併せて取得すれば仕事の幅はさらに広がりますし、建築業界はまだまだ人手不足といわれているため、手に職をつけて働きたいと考える女性にとってもチャンスは存分にあるといえるでしょう。
お客さまはもちろん男性だけでなく女性も多くいますし、とくに住宅の場合、女性のほうがインテリアにこだわりを持っていることも多いです。
そんなとき、女性目線での提案ができたり、柔軟な発想力や独自のセンスを発揮できたりすれば、かなりの強みとなるでしょう。