俳優・女優の年収・収入はいくら? ドラマ出演料や売れない新人時代のギャラについても解説

ドラマや映画、舞台などで活躍する俳優・女優は、デビューしてまだ日が浅かったり年齢が若かったりしても、人気と実力さえあれば高額な収入を手にすることが可能です。

しかしながら、収入は不安定になりがちで、稼げる人とそうでない人の差も開きやすい職業といえます。

ここでは、俳優・女優の収入事情や新人時代のギャラについて、詳しく紹介しています。

俳優・女優の平均年収・給料

まずは、俳優・女優がどれくらいの年収・給料を得られるのか、収入のしくみも含めて基本的な情報を説明します。

俳優・女優の平均年収・月収・ボーナス

給料制と歩合制

俳優・女優の収入のしくみは所属事務所によってもさまざまですが、大きく分けると「給料制」と「歩合制」の2パターンです。

給料制は安定した収入が見込めますが、仕事の数をたくさんこなしても、入ってくる金額はそこまで変わらない場合があります。

一方、歩合制はたくさんの仕事をするほどギャランティ(報酬)が増えるメリットがありますが、仕事がなければほとんどお金が入りません。

給料制は俳優・女優にとっては不利なように見えますが、一定の給料を保証してくれ、生活に困らないというメリットがあります。

大手の芸能事務所では、多くの場合、所属している事務所以外の仕事をしてはいけないという契約を結んでいます。

俳優・女優は一部のケースを除けば自由に仕事を選ぶことができず、仕事の増減は事務所の力にもかかっています。

まだオファーが少ないうちは、一定の給料を得られる給料制は魅力的に感じるでしょう。

歩合制で働く人気の俳優・女優は高収入が得られる

歩合制で働いている俳優・女優の多くはある程度の知名度があり、非常に高額のギャランティをもらっています。

たとえば1時間ドラマの出演料の相場は、主役レベルでは1本あたり100〜500万円ほど、映画の場合も1本あたりの出演料は100〜500万円ほどです。

連続ドラマであれば1作品で10~11本ほどとなるため、ワンクール(3か月)だけで何千万円もの収入になることもあります。

このように、高額の仕事のオファーが増えるようになると、歩合制のほうが多くのギャランティを得ることができます。

俳優・女優の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

芸能事務所に所属して仕事をする場合、ギャランティすべてが自分に支払われるのではなく、そのうち数十パーセントは事務所のマージンとしてとられます。

これにより、同じ仕事量や売上でも、所属事務所が違えば給料の取り分が大きく変わります。

たとえば、10万円の同じ仕事を請け負ったとしても、A事務所に所属する人は5万円のギャラで、B事務所に所属する人は1万円しか支払われないということもあるのです。

俳優女優の手取り額は、このマージンや事務所手数料に大きく左右されます。

ただし、芸能事務所に所属すると、自ら営業をしたりスケジュールの調整をしたりする必要がないため、自分自身は芸能活動に専念できるという大きなメリットがあります。

そのため、多くの俳優や女優はマージンがあることを理解しつつ、芸能事務所に所属しているのです。

一方で、近年では大手事務所を退社し、自分や少人数の仲間だけの事務所を立ち上げ、独立する人も増えてきています。

俳優・女優の初任給はどれくらい?

新人で役名がない場合やエキストラの場合、給料は1回あたりの出演料として支給されます。

出演料の計算方法はたいてい時給換算となり、1時間あたり1,000~5,000円ほどとなります。

時給ではなく、日給など決められた固定額が支払われることもあります。

新人の場合、年収が300万円を超える人もいれば、それ以下の人もいます。年収が100万円を下回るケースもあり、人によって大きな幅があります。

俳優・女優の福利厚生の特徴は?

事務所に所属する俳優・女優の多くは社員として働くのではなく、あくまでもマネジメント契約を結んでいるのみです。

そのため、一般企業の会社員のような福利厚生が受けられるところはあまりありません。

休みやスケジュールの調整などは、事務所と本人が直接話し合い、相談して決めることが多いようです。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

俳優・女優の給料・年収の特徴

ここからは、俳優・女優の給料・年収の特徴を、さらに詳しく説明します。

特徴1.新人時代はアルバイトと芸能活動を両立させる人が多い

新人の俳優・女優は、あまり芸能の仕事がないため、たいていアルバイトをしながら生計を立てています。

アルバイトをしながら映画やドラマ・舞台のオーディションを受け続け、仕事を得るために努力を重ねる日々が続きます。

仕事がなかなか増えていかないと、生活のためにいつまでもアルバイトをし続けなくてはならず、夢を追うことと現実の間で苦しんでしまう人もいます。

特徴2.人気を保ち続けなければ安定した収入を得るのは難しい

俳優・女優は、自身の魅力で勝負する人気商売といえます。

役者歴が長くなったり一度人気が出たりしたからといって、いつまでも大きな仕事ができるとは限りません。

常に自分自身を磨き続けて、人々に愛される魅力や実力を備えていかなくてはならないのです。

また、芸能界には俳優・女優志望の若い人たちが次々に登場するため、競争も非常に厳しいものとなっています。

デビューした直後でも人気を得られれば高給を得ることもできますし、一度人気が落ちてしまえば、また低いギャランティに逆戻りしてしまうこともあります。

特徴3.CMでは高額なギャラが得られることが多い

俳優・女優に対して高額のギャランティが支払われる仕事のひとつが、CM出演です。

かつてと比べるとCMの単価も少額になってはいますが、それでも1本あたり1,000〜5,000万円ほどになることは少なくありません。

CMは、ドラマや映画に比べて撮影時間が短いことを考えると、非常に割のいい仕事といえます。

なお、CMの仕事には好感度が重要で、清純なイメージがある女優や清潔感のある俳優は人気も高く、キャスティングされやすいでしょう。

また、お酒好きなイメージがあればお酒のCMが、家庭的なイメージがあれば洗剤や食品のCMの依頼がくるなど、役者のイメージが商品と結びつくことで仕事につながることもあります。

イメージは収入に大きく関わってくるため、一人ひとりの俳優・女優をどのようなイメージで売り出すかについては、事務所も非常に気をつけています。

活躍の場・キャリア別の俳優・女優のギャラの違い

俳優・女優といっても、若手からベテラン、そしてエキストラ、世界で活躍する人など、さまざまなキャリアを歩んでいる人がいます。

ここからは、いろいろな立場の俳優・女優のギャラの違いを紹介します。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

若手俳優とベテラン俳優

若手俳優の主な仕事は、ローカルCMや再現VTRなどのエキストラ出演、舞台の端役などです。

役者1~3年目など新人の場合は100万円~300万円ほどを稼ぐのがやっとという人が多く、この時期に俳優や女優の夢をあきらめてしまう人も少なくありません。

また、なかなか活躍のチャンスがなく、役をもらえないまま何十年も役者生活を続けている無名の人も非常に多いです。

一方で、映画やドラマで主役に抜擢されるようなベテラン俳優、人気俳優になると、年収は数千万~億単位になることも珍しくありません。

人気が出れば出るほど、舞台や映画やドラマにとどまらず、CMやテレビ番組への出演、各種取材など、より活躍の幅が広がり、給料もどんどん増えていきます。

エキストラ出演

エキストラとして作品に出演する場合、1時間あたり1,000~5,000円程度が相場となっています。

ただし、時給ではなくあらかじめ一本や一作品で提示された固定額が支払われることもあります。

なお、殺陣ができる、馬に乗れるなど特技を生かして指名された場合は、少額の手当がつくこともあるようです。

俳優や女優など出演者の場合は交通手段が用意されますが、エキストラの場合は現地集合、現地解散も多く、交通費が支給されないこともあるので、事前によく確認しておきましょう。

世界で活躍する俳優・ハリウッド俳優

ハリウッドで活躍する俳優・女優のギャラは、日本のものとは桁違いです。

ハリウッドをはじめ、アメリカなどでは映画を作成すると全世界で公開されるため、興行収入が段違いとなります。

さらに、グッズ販売や動画配信なども含めると、作品一本で数千億円単位のお金が動きます。

映画一本の出演料が億単位になることは珍しくありませんし、まさに「セレブ」と呼ばれるような生活をしている人も多いです。

雑誌「フォーブス」が調査した「世界で最も稼ぐ男優ランキング」では、「ザ・ロック」ことドウェイン・ジョンソンが8940万ドル(約95億円)を稼いだといわれています。

また、アイアンマン役で知られるロバート・ダウニー・Jr.は、映画の出演料が約2000万ドル(約21億円)『アベンジャーズ/エンドゲーム』では約5500万ドル(約59億円)を手にしたといわれています。

エンターテインメント系職種との年収比較

俳優・女優と近い芸能の世界で活躍する職種の一例として、以下のものが挙げられます。

上記それぞれの職種の年収の特徴を以下で紹介します。

「芸能人・タレント」は、俳優や女優と同様に、芸能事務所やプロダクションに所属してそこから給料をもらっている人もいれば、個人事業主として収入を得ている人もいます。

個々の人気に応じて年収は人によって大きく異なるのが実情です。

華やかに見えて非常に厳しい業界であり、安定した収入を得るためには魅力を高める努力が必要ですし、チャンスを掴むための運も必要となるでしょう。

「舞台俳優・劇団員」は、1ステージ出演するごとにギャラを得ています。

ギャラは数千円程度から、場合によっては10万円を超えることもあります。

その額は実力に比例して高くなっていきますが、稽古中は給料が出ないため、厳しい生活を強いられる人も多いです。

「モデル」の仕事は「出来高制」が基本で、そのモデルの人気度や、案件の内容によって報酬が決まります。

人によって、1案件の報酬は数十万円程度から数千万円程度までと大きな幅があります。

俳優・女優は年収1000万円を目指せる?

俳優や女優として年収1000万円クラスになると、売れっ子として認められるクラスです。

私たちが普段ドラマや映画の主演、大手企業のCMで見かけるような俳優や女優は、年収1000万円を超えていると考えてよいでしょう。

一般的な会社員の場合、年収1000万円を手に入れることはなかなか難しいですが、俳優や女優の場合、人気が出ると、すぐに達成できることもあります。

10代のうちから爆発的な人気が出て、年収数千万円ほど得る俳優・女優もいます。

俳優・女優が収入を上げるためには?

俳優・女優の役割は、ドラマや映画などの作品において、さまざまな人物を演じることです。

つまり、幅広い演技が上手にでき、自身の魅力が表現できるようになると、その評判は世間だけでなくドラマや映画などの制作陣にまで伝わり、新たな仕事が入ってきます。

単に容姿がよいというだけでなく、個性的で唯一無二のキャラクターを演じられる俳優・女優も、芸能の世界では求められやすいです。

現在、最前線で活躍中のどの俳優・女優にも、無名の時期はあります。

観客の少ない舞台を踏み、オーディションを受け、そしてメディアに出るチャンスをつかみ、徐々に役者の仕事1本で食べられるように成長しています。

下積み時代は苦労がたくさんありますが、その時期にさまざまな芝居の技術を身につけると、多くのギャランティを得られる俳優・女優になれるでしょう。

「俳優・女優の年収・給料」まとめ

俳優・女優の収入は、個々の人気や実力、知名度などにより、大きな差があります。

年間で数億円を稼ぐ人もいれば、アルバイトをしながら芸能の仕事を続けなければならない人もいるのが現実です。

俳優・女優が収入を上げていくためには、下積みをしっかりと行い、さまざまな芝居の技術を身につけること、そして自分ならではの魅力を引き出していくことが大切です。