俳優・女優の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「俳優・女優」とは
テレビドラマや映画などの作品に出演し、共演者と協力し合いながら役柄を演じる。
俳優・女優とは、テレビドラマや映画などの作品の登場人物を演じる人のことです。
活躍の場は、ドラマや映画のほか、舞台、雑誌、ラジオまで多岐にわたります。
演技を通して見る人の感情を揺さぶり、作品の世界観をつくり上げていきます。
俳優・女優が関わる作品には、必ず制作スタッフや共演者がいるため、チームで素晴らしい作品をつくり上げる気持ちが大切です。
俳優・女優になるのに資格や学歴は必要なく、多くの人は10代など若いうちにドラマや映画のオーディションを受け、芸能事務所に所属して仕事を獲得していきます。
新人時代は厳しい生活になる覚悟も必要ですが、有名になれば次から次へとオファーが舞い込み、多方面で活躍できる可能性が広がっていきます。
- 俳優・女優の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
- 俳優・女優になるには? なるまでのルートやスカウトについて解説
- 俳優・女優の年収・収入はいくら? ドラマ出演料や売れない新人時代のギャラについても解説
「俳優・女優」の仕事紹介
俳優・女優の仕事内容
ドラマや映画などの登場人物の役柄を演じる
俳優・女優は、テレビドラマや映画作品などに出演し、登場人物の役柄を演じたり、パフォーマンスをしたりする仕事です。
自分一人だけで演じることは少なく、他の多くの共演者や制作スタッフと協力し合いながら、1つの作品を作り上げていきます。
基本的に、俳優・女優には高い演技力や個性が求められます。
必ずしも美貌が必要なわけではなく、他の人とは異なる光る才能や魅力があれば、どのような人でも活躍できるチャンスはあります。
同時に、出演する作品のコンセプトや伝えたいこと、自身の立場を的確に理解する力や、監督や演出者の意向に沿った演技をすることも求められます。
役作りをする時間も長い
一般的に、テレビドラマや映画、舞台作品をつくる場では、最初に「読み合わせ」という作業が行われます。
そして、俳優・女優がドラマや映画の撮影に臨む場合は、本番までに役作りをしっかりと行わなくてはなりません。
役作りは非常に重要で、場合によっては、作品で演じる役柄に合わせて体型を調整したり、必要な知識習得や技術指導を受けたりもします。
たとえば外科医師役を演じるのであれば、医療現場の働き方を勉強したり、手術時の動きの流れを学んだりもします。
舞台に参加する場合には稽古期間が設けられ、共演者と一緒に一定期間の稽古を続け、作品を仕上げていきます。
俳優・女優になるには
劇団や芸能事務所に所属してデビューを目指す
俳優・女優になるための決まったルートはありません。
特別な学歴や資格は必要ありませんし、現在、活躍中の俳優・女優の経歴もまちまちです。
演技の勉強をすれば評価されることもありますが、必ずしもデビューが約束されるわけではありません。
俳優・女優は実力勝負の厳しい世界で、努力してもなかなか報われないこともあります。
それでも、強い気持ちをもって俳優・女優を目指す人は、地道に演技力を磨くために劇団に所属するか、芸能事務所に入ってレッスンを重ねます。
そして、映画やドラマのオーディションを受けながら、デビューの日を夢見て鍛錬を続けていきます。
積極的に行動することが大切
上記とは別のルートとして、モデルから俳優・女優へ転身する人がいます。
また、小劇団を作ったり自主制作映画の団体を作ったりして、自分の芝居を追求するなかで認められ、俳優・女優としてデビューという道も考えられます。
街を歩いていて偶然スカウトされ、芸能界に入る人もいます。
このように、俳優・女優になる方法は一つではありませんが、大切なのは「関係者に認めてもらう」ための行動をとることです。
受け身の姿勢ではなかなかデビューは難しいため、積極的にオーディションを受けるなどして、自分に足りないものを身につけていく努力が必要です。
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俳優・女優の学校・学費
芸能事務所の養成所では演技の基礎を学べる
俳優・女優になるための勉強ができる学校として、芸能事務所や劇団が運営する「養成所」が挙げられます。
養成所では、発声練習やダンス練習などのレッスンを通して、俳優・女優としての基礎を養い、演技力を高めることができます。
講師は先輩の俳優・女優であったり、現場で活躍する演出家だったりするため、業界の厳しさに触れられる貴重な経験にもなるでしょう。
学費は養成所によっても異なりますが、年間で数十万円ほどは必要になることが多いです。
なお、養成所では入学希望者に対してオーディションや面接が実施されることがほとんどです。
養成所以外の道としては、芸術系の大学で舞台や演劇について学ぶ人や、アメリカなどへ留学し、現地の演劇学校で舞台芸術やミュージカルなどを学んで演技力を磨く人もいます。
俳優・女優の給料・年収
人気や実力次第では、億単位の年収を稼げる
ドラマや映画、舞台において主演級で活躍している俳優・女優は、高額のギャラをもらっていると考えてよいでしょう。
1時間ドラマの出演料の相場は、主役レベルであれば1本あたり100万円~500万円ほどといわれています。
デビューしてまだ日が浅かったり年齢が若かったりしても、人気と実力さえあれば、年収が1億を超えることも不可能ではありません。
しかしながら、この仕事は人気商売であるため、長年継続して活躍し続け、安定的に稼げるような俳優・女優になるのは極めて難しいと考えておいたほうがよいでしょう。。
生活が不安定になる可能性も
事務所との契約によっては、毎月、決まった給料が保証されるケースもあります。
しかし事務所に所属する俳優・女優でも、一般的な会社員のような「雇用関係」を結ぶわけではありません。
事務所は、あくまでも活動のサポートをしてくれる存在であり、会社で働く場合のような福利厚生はほぼ期待できないと考えておいたほうがよいでしょう。
基本的には、俳優・女優自身の人気や実力次第で、生活は大きく変わります。
ギャラが安く、あまり仕事もない新人俳優・女優は、別でアルバイトをしながら生計を立てている人も少なくありません。
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俳優・女優の現状と将来性・今後の見通し
活躍のチャンスを掴み取れるかどうかは自分次第
芸能界は実力主義の世界であり、センスや才能、個性、そして運や人脈なども必要になってくるため、たとえ努力を重ねても、その全員が100%成功するというわけではありません。
しかし、苦境に立たされても諦めず、前向きに努力する気持ちがあれば、いつかチャンスを掴むきっかけが得られるでしょう。
最近では低予算で工夫を凝らした作品や、ネット配信の作品なども増え、俳優・女優が活躍できるフィールドはさらに広がっているという見方もできます。
そして、個人の個性や能力次第で幅広い活動ができるのも、俳優・女優の強みといえるでしょう。
たとえばアイドルやモデルなど他の芸能職から俳優・女優の仕事につながる人もいますし、その逆のケースもあります。
決まりきった活躍の仕方がないからこそ、自身がどのような俳優・女優を目指すのかをしっかりと考え、それに向けた自分磨きをすることが大切といえます。
俳優・女優の就職先・活躍の場
芸能事務所に所属して活動する人が多数
プロの俳優や女優のほとんどが、「芸能事務所」といわれる組織に所属して活動します。
事務所の規模や特色はまちまちで、俳優・女優しか所属しない事務もあれば、モデルや歌手、芸人などまで所属している総合的な事務所もあります。
大手事務所に所属すると、その事務所が主催する芝居や出資している映画に参加できるチャンスも掴みやすくなります。
一方、小さな事務所では、大衆向けの映画や舞台などの作品だけではなく、マイナーな作品に出演することもあります。
新人の俳優・女優は、基本的にオーディションを受けて役柄を勝ち取る必要がありますが、人気が出てくると制作サイドから直接依頼が舞い込むケースが増えてきます。
俳優・女優の1日
日によって異なるスケジュールになる
俳優・女優は、人気が出れば出るほど、たくさんの仕事の依頼が舞い込み、忙しい毎日を送ることになります。
関わる作品によって過ごし方が変わるため、毎日決まった動きをするわけではありません。
ここでは例として、テレビドラマ撮影中の俳優・女優のある1日の流れを紹介します。
関連記事俳優・女優の1日のスケジュールは過酷? ドラマ撮影日・舞台本番日の1日を紹介
俳優・女優のやりがい、楽しさ
自分の演技で人々の心を動かすことができること
俳優・女優にとって最もやりがいを感じられる瞬間の一つは、自分が出演した映画やドラマ・芝居を見た人々の心を動かせたと実感できることです。
視聴者や観客のよい反応を見ると「それまでの仕事の苦労が報われた」と、演じる側も幸せな気分に浸れます。
また、俳優・女優が出演する作品は、多くの制作スタッフの協力を得て成り立っています。
完成するまでには並々ならぬ苦労がありますが、その苦労を経て作品が完成すれば、感動もひときわ大きなものになります。
また、仕事を通じて非日常的な体験ができたり、憧れの俳優・女優との共演の機会にも恵まれたりすることに、楽しさや刺激を感じている人も多いです。
関連記事俳優・女優にはどんなやりがいがある? 仕事の魅力は?
俳優・女優のつらいこと、大変なこと
売れる俳優・女優になるには覚悟も努力も必要
芸能界で活躍する俳優・女優は夢のある仕事に見えるかもしれませんが、その裏には並々ならぬ苦労や大変なこともたくさんあります。
その一つは、人気商売だということです。
いくら美しい容姿であっても、演技力や才能がなければ有名にはなれません。
加えて、よい作品やよい制作陣に出会えるかどうか、という「運」のようなものも必要です。
まだあまり売れていない俳優・女優は日々アルバイトをしながら、オーディションを受ける日々が続きます。
「有名になりたい」「芝居が好きだ」という思いだけで成功できるわけではありませんし、多くの俳優・女優が厳しい下積み時代も経験しています。
第一線で活躍するようになってからも、常に人に見られるストレスや、安定した人気を保たなくてはならないプレッシャーなどを感じ続ける覚悟が必要です。
俳優・女優に向いている人・適性
多様な役柄を演じることを楽しめる人
俳優・女優に向いているのは、まず演じることが好きな人です。
「目立ちたい」という思いも大事ですが、現実世界の自分自身から離れて、あらゆる役柄を演じることを楽しめる人が、この仕事に向いているといえます。
わかりやすくいうと、子どもの頃から学校の先生や親戚のおじさんなどのモノマネをするのが好き・得意だったような人は、役者の適性があるといえるでしょう。
そのうえで、相手が望んでいることや、自分に求められていることを正しく理解する能力がある人は、俳優・女優向きです。
演技をとことん突き詰めていき、自分の個性をしっかりと輝かせる努力ができることも、一流の俳優・女優を目指すためには大切な要素です。
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俳優・女優志望動機・目指すきっかけ
芸能界への憧れや、スカウトがきっかけになる人も
俳優・女優を目指す人の多くが、芸能界への憧れや、演じることに興味をもち、俳優・女優への道を歩んでいこうとします。
一方、軽い気持ちで養成所のオーディションを受けてみたら思いのほか楽しく、そこからこの世界にどっぷり浸かっていくような人もいます。
あるいは、街を歩いていたらスカウトの目に留まって声をかけられ、そこから芸能生活をスタートする人もいます。
きっかけは「偶然」であっても構いませんが、厳しい芸能界で認められるには、どれだけ厳しい日々が続いても、俳優・女優として生きていくという強い覚悟や情熱が不可欠です。
俳優・女優の雇用形態・働き方
個人事業主として仕事をする人が多い
俳優・女優は、一般の会社員のように、会社に雇用されて給料をもらいながら働く人たちとは異なる働き方をします。
舞台を中心に活躍する俳優・女優の場合には劇団に所属している人もいますが、多くが「芸能事務所」や「プロダクション」と呼ばれるところに所属し、マネジメント契約を結んで活動をします。
さまざまなバックアップを受けることができますが、雇われているわけではなく、あくまでも「個人事業主」として仕事をしていくのが基本的なスタイルとなります。
売れてきた俳優・女優は自分でマネジメント会社を立ち上げて、より動きやすいかたちで活動するケースもあります。
俳優・女優の勤務時間・休日・生活
人気の俳優・女優は不規則かつ多忙な生活になりがち
会社勤めをするわけではない俳優・女優の生活は、定められた勤務時間や休日があるわけではありません。
ドラマ・映画の仕事が入っているときは、曜日に関係なく、早朝や深夜に撮影を行うこともあります。
現場に拘束される時間が長い日々の中で、合間の時間に、台本を覚えたり役作りをしなくてはなりません。
人気が出れば出るほど取材やメディア出演などの依頼も増え、多忙な日々を送ります。
また、撮影の内容によっては日本全国、ときには海外を飛び回って仕事をするようなことも出てきます。
女優になりたい人がやるべきことは?
演技力は確実に自分の努力で向上させていける
女優になるための確実な方法というのは存在しません。
もちろん、美しい容姿は有利になりますが、それだけで女優になれるわけではありませんし、容姿にあまり自信がなくても、光る個性やセンスでジワジワと人気が出ていく人もいます。
一ついえるとすれば、自分の個性や強みについて理解し、それをどう輝かせることができるか考えておくとよいでしょう。
また、どのようなタイプの女優を目指すにしても、演技力は必須です。
演技力に関しては、いざ演じるところを専門家が見ればすぐに実力がわかりますし、努力をすればするほど上達させられるものでもあります。
劇団や養成事務所でレッスンを受けるなど、プロの指導を受けながら演技力を高めていくのが最良といえます。
発声や感情表現、自然な身体の動き、台本を覚える力など、一流の女優が持っていて当然とされるさまざまなスキルを身につけていきましょう。