CFP資格認定試験の難易度・合格率

CFP資格とは、世界の国々で導入されているFPの資格で、日本では「日本FP協会」が認定しているものです。

難易度は「上級」で、FPの国家検定「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」と同等のレベルに位置づけられています。

この記事では、CFP資格を得るために受験が必要な「CFP資格認定試験」の内容や難易度・合格率、勉強方法の種類などについて詳しく解説しています。

この記事のポイント

・CFPの難易度はFP資格の中でも「上級」で「FP1級」と同等のレベル
・資格認定試験では全6課目に合格する必要があるが、1課目ごとの受験も可能
・試験合格後はエントリー研修の受講や2年ごとの更新が必要

CFP資格とは

CFPとはどんな資格?

CFPとは、ファイナンシャルプランナーの資格のひとつです。

北米、アジア、ヨーロッパ、オセアニアを中心に世界25カ国・地域(2022年3月現在)で導入されており、日本では「FP資格として唯一の国際資格」であり、海外でも通用することが特徴です。

世界中にCFPは20万人以上おり、米国、中国に次ぎ、日本は世界第3位の資格認定者数(24,064人)を誇っています。(2021年末時点)

CFPは、原則として一国一組織により資格認定が行われており、日本では日本FP協会が認定しています。

難易度は、FP資格の中では上級レベルで、最高峰のFP資格として評価されています。

CFP資格取得のメリットは?

CFPを取得するメリットは、まずFPとしての信頼度が高まることといえます。

FPは資格がなければ仕事ができないわけではありませんが、やはり自身の専門的知識を示す上で、資格の役割はとても大きなものです。

その中でも、最上位レベルで世界的にも認められているCFPを取得すれば、業界内はもちろん、お客様からの信頼・安心も集めやすくなります。

CFP取得のための勉強を続ける中で得られる知識も多々ありますし、CFPになってからは日本FP協会のセミナーや交流会への参加ができたり、FP協会のシステムを通して仕事が得られたりすることもあります。

また、CFPは2年ごとの資格更新制度があるため、資格を維持しようと思ったら継続的に学び、常に最新の知識を身につけていかなくてはなりません。

半ば強制的にFPとしての自己研鑽を続けるきっかけとなることも、CFPを取得するメリットのひとつといえるでしょう。

CFP資格を取得するまでの流れ

CFP資格を取得するには、前提として、CFPの下位資格である「AFP」の認定者であることが求められます。

その上で、いくつかのポイントを押さえていかなくてはなりません。

  • CFP資格審査試験(CFP試験)6課目に合格
  • CFPエントリー研修を受講・修了
  • 通算で3年以上の実務経験(※)
  • FP協会に登録申請

※ここでいう「実務経験」とは、FPとしての相談業務のみならず、金融機関での顧客対応、一般企業などの福利厚生関連業務なども含まれます。
また、実務経験とみなされる研修を受講する方法もあります。

日本FP協会 CFP®認定者になるには

「CFPエントリー研修」とは?

CFP資格審査試験に合格した人は、「CFPエントリー研修」の受講と「通算実務経験3年」の経験要件を満たすことによってCFP資格が与えられます。

CFPエントリー研修の受講資格は以下の通りで、原則としてすべてを満たす必要があります。

  • CFP資格審査試験全6課目合格者であること
  • 受講時点でAFP認定者であること、または日本FP協会が定める大学院で所定の課程を修了していること

CFPエントリー研修は通信教育と1日の集合研修で、試験ではありません。

集合研修では、相談実務ロールプレイングやディスカッションなどを行い、CFPとしての知識を深めます。

CFP資格審査試験の出題内容・形式

出題内容

CFP資格審査試験は、毎年2回、6月と11月に実施されます。

試験課目は以下の6つで、最終的には全課目に合格することが必要ですが、一度にすべて合格する必要はありません。

1回に1課目ずつクリアする人もいれば、全課目にチャレンジする人もいます。

CFP資格審査試験の出題課目
  • 金融資産運用設計
  • 不動産運用設計
  • ライフプランニング・リタイアメントプランニング
  • リスクと保険
  • タックスプランニング
  • 相続・事業承継設計

出題形式

CFP資格審査試験の出題形式は四肢択一式で、各課目の出題数は50問、配点は1問2点の均一配点(100点満点)です。

1課目の試験時間は120分で、3課目ずつ2日間に分けて試験が実施されます。

合格ラインは試験ごとに異なりますが、近年は50問中27〜33問(100点満点中54〜66点)程度となっています。

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CFP資格審査試験の受験資格は?

CFP資格試験を受験できる条件は以下の通りで、どちらかを満たす必要があります。

  1. AFP資格認定者であること
  2. 協会が認定する大学院で所定の課程(プログラムに対応する科目群)の単位を取得した人

※ただし、2を選択する場合には、課程修了後7年以内に6課目すべてに合格しない場合には失効となります。

CFP資格審査試験の難易度はどれくらい?

CFP資格認定試験の難易度・合格率

CFP資格審査試験の合格率は30~40%(各課目)

CFP資格試験は全6課目で構成されていますが、一度にすべて受ける必要はなく、課目別の受験が可能です。

6課目一括受験者の合格率は10%程度といわれますが、各課目の合格率は30~40%程度となっています。

参考までに、2021年試験における各課目の合格率は以下の通りです。

2021年度 第1回試験

金融資産運用設計:34.9%
不動産運用設計:35.4%
ライフプランニング・リタイアメントプランニング:36.2%
リスクと保険:38.3%
タックスプランニング:37.1%
相続・事業承継設計:36.3%

2021年度 第2回試験

金融資産運用設計:37.0%
不動産運用設計:35.4%
ライフプランニング・リタイアメントプランニング:38.3%
リスクと保険:41.0%
タックスプランニング:37.5%
相続・事業承継設計:35.0%

CFP資格審査試験の難易度が高い理由は?

CFP資格審査試験は、FPの資格の中では最も難易度が高い、上級レベルの試験となっています。

FP未経験者がすぐに受験できる試験でもないため、まずは経験を積んで「AFP」になるなど、CFPの受験資格を得るための努力が必要です。

試験内容自体も専門的な内容となっているため、きちんと勉強時間を確保していかなくてはなりません。

ただし、先にも紹介した通り、CFP試験は課目別の受験が可能であるため、比較的対策はしやすい試験といえます。

実際に、毎回のCFP試験において、6課目の一括受験者は全受験者の1割にも見たない場合もしばしばあります。

CFPの受験者は、すでにFPとしての基礎的な知識を身につけているため、課目別に確実に対策をしていくことで、合格に近づくことは十分に可能といえるでしょう。

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CFP資格審査試験の勉強時間・勉強方法

CFP資格認定試験の勉強方法

CFP資格審査試験の勉強方法の種類

CFP資格試験の勉強方法は、「独学」「資格予備校・スクールに通学」「通信講座を受講」の3パターンが考えられます。

CFPは1課目ずつ勉強し、合格を目指すことができるため、コツコツと学ぶことが苦手でなければ、独学でも十分に対策はできるでしょう。

一方、計画的に勉強するのが難しい人や、効率的に最短での合格を目指したい人は、予備校・スクールへの通学や、通信講座を利用することをおすすめします。

ただし、CFPの対策講座は、「2級・3級ファイナンシャル・プランニング技能士」や「AFP」などの他のFP資格と比較すると、あまり数が多くありません。

CFP講座を提供しているのは「TAC」「LEC」「大原」などの大手予備校・スクールがほとんどで、10万円以上する講座が目立ちます。

できるだけ費用を抑えたい人は、「早期申込割引」などのキャンペーンを活用できる時期をチェックしておくとよいでしょう。

通学と通信のどちらを利用するかは、校舎の所在地や、個々のライフスタイル、学習方法の好みなどを考慮して検討してください。

仕事の都合などで決まった時間に通学するのが難しく、スキマ時間に勉強を進めていきたい人は、Webやアプリなども活用できる通信講座が適しています。

CFP資格審査試験の勉強時間は約500~600時間・勉強期間は1~2年

CFP資格審査試験に合格するまでに必要な勉強時間の目安は、初学者で500~600時間程度といわれています。

1課目あたり80~120時間ほどの勉強時間が必要で、1日に2時間勉強した場合、2カ月で120時間になります。

全6課目に合格するにはちょうど1年ほどかかる計算ですが、CFP試験は1年に2回しか実施されないため、1回に1課目ずつ受けていくのであれば3年かかることになります。

1回に2~3課目挑戦するのであれば、1年でも合格することは可能です。

また、すでにFP実務で試験範囲についての知識がある程度身についている人であれば、課目によっては1カ月程度で十分に学びきれることもあるでしょう。

1回の試験で全6課目に合格している人もわずかながら存在するため、早ければ半年程度の勉強でCFPを取得することも不可能ではありません。

CFP資格審査試験合格は独学で可能?

CFP資格審査試験は、難易度は高めではあるものの、独学でも対策しやすい試験といえます。

その最大の理由は、1課目ずつ合格を目指すことができるからです。

まずは6課目の内容をよく確認し、どの順番で勉強を進めるのかを決めましょう。

CFPの試験範囲には互いに関連する内容が多く含まれているため、関連性のある課目をあわせて勉強するようにすると効率的です。

ただ、得意な内容の課目や、すでに基礎知識を多く見につけている課目から進めていく人もいます。

CFP試験では過去に出題された問題と同じパターンの問題が出る傾向があるため、独学では参考書で知識を習得しながら、過去問題集を中心に勉強を進めていきましょう。

出題傾向をしっかりと押さえ、苦手分野を確実になくしていくことが独学のポイントです。

CFP資格審査試験の難易度まとめ

CFPは、FPの資格のなかでは唯一の国際資格であり、日本では「日本FP協会」が主催しています。

難易度は「上級」で、「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」と同等のレベルに位置づけられています。

CFP資格認定試験ではFPとしての専門的知識が問われ簡単な内容ではありませんが、1課目ごとの受験・合格を目指していくことができるため、時間をかけてコツコツと対策していけば合格に近づけるはずです。

独学が不安な人は、資格予備校・スクールや通信講座の利用も検討してみるとよいでしょう。