3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の難易度・合格率

3級ファイナンシャル・プランニング技能士資格(FP3級)は、数あるファイナンシャルプランナー(FP)系資格の中でも、最も難易度はやさしめで入門レベルの資格です。

この資格取得を目指す人が受験する「3級ファイナンシャル・プランニング技能検定」には、学歴・実務経験などの受験資格がとくになく、生活に密着した金融・保険関連の知識が身につくことから、学生や社会人、主婦など、さまざまな年代・職業の人が受験しています。

また、3級ファイナンシャル・プランニング技能士の取得を、上位資格取得の最初のステップにする人も多いです。

この記事では、3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の内容や難易度・合格率、勉強方法などについて詳しく解説しています。

この記事のポイント

・FP系資格の中では最も難易度が低めで入門レベルの資格
・実技試験は3つの科目から1科目を選択して受験する
・合格率は60~80%程度で独学合格も目指せるが、試験対策は必要

3級ファイナンシャル・プランニング技能士資格とは

3級ファイナンシャル・プランニング技能士とはどんな資格?

3級ファイナンシャル・プランニング技能士とは、ファイナンシャルプランナーとしての技能を評価する国家検定「3級ファイナンシャル・プランニング技能検定」を受験し、合格することによって得られる資格です。

この技能検定は、3級、2級、1級の3つの等級に分かれており、そのうち3級は最も難易度がやさしい入門レベルの試験です。

「学科試験」と「実技試験」で構成されており、いずれか一方の合格者には一部合格証書が発行され、学科試験と実技試験の両方に合格することで合格証書が発行されます。

3級ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得のメリットは?

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定は、FP関連の資格の中でも、最も難易度がやさしめ試験となっています。

そのため、3級ファイナンシャルプランニング技能士を取得したからといって、それだけで就職・転職に大きく有利になったり、実務で評価されたりすることはあまり期待できません。

しかしながら、この資格取得を足がかりに、さらなるステップアップを目指す人は多くいます。

たとえば、3級ファイナンシャルプランニング技能検定に合格することは、その上位資格であり、実務でも役立つとされる「2級ファイナンシャルプランニング技能検定」の受験資格の一つにも該当します。

まずは3級に挑戦し、その次に2級以上を目指しながら専門性を高めていくことが可能です。

また、3級の勉強で学ぶお金関連の知識は、日常生活でも役に立つものが多いです。

税金・保険・年金・資産運用など、わたしたちの暮らしに密着する知識をきちんと身につけることで、自分自身の生活をより豊かにしていくことも可能になるでしょう。

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の出題内容・形式

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定は、年に3回(5月、9月、翌年1月)に実施されます。

試験は「学科試験」「実技試験」の2つで成り立っていて、それぞれへの合格が必要です。

なお、「金融財政事情研究会(きんざい)」と「日本FP協会(FP協会)」という2つの団体が実施しており、受験者は「きんざい」と「FP協会」どちらかの団体を選んで受験することになります。

学科試験の内容は「きんざい」と「FP協会」で違いはありませんが、実技試験の実施科目には以下のような違いがあります。

  • きんざい:個人資産相談業務、保険顧客資産相談業務
  • FP協会:資産設計提案業務

以下で、試験内容についてさらに詳しく紹介します。

学科試験

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の学科試験はマークシートによる筆記試験です。

〇×式と三答択一式の合計60問で、金融財政事情研究会(きんざい)、日本FP協会(FP協会)で共通の試験内容です。

試験時間は120分で、合格基準は60点満点中36点以上となっており、学科試験の試験範囲は以下の通りです。

  • ライフプランニングと資金計画
  • リスク管理
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング
  • 不動産
  • 相続・事業承継

実技試験

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の実技試験では、「個人資産相談業務」「保険顧客資産相談業務」「資産設計提案業務」の3科目のうち1科目を選択して受験します。

資産設計提案業務はFP協会、あとの2つはきんざいが管轄となるため、自分が受けたい科目に合わせて申込先が変わります。

<きんざいの実技>
事例形式の筆記試験で5題となり、試験時間は60分、合格基準は50点満点中30点以上です。

<FP協会の実技>
事例形式の筆記試験で20問となり、試験時間は60分、合格基準は100点満点中60点以上です。

なお、3級ファイナンシャル・プランニング技能検定には「試験免除制度」があります。

学科試験と実技試験のどちらか一方に合格した人は、その有効期限内に合格した科目の免除申請を行って、不合格となった科目のみ再度受験して合格することで、学科・実技両方の試験の合格者と認定されます。

「きんざい」と「FP協会」はどちらを選ぶべき?

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定を受けるにあたり、「きんざい」と「FP協会」のどちらを選んでも問題ありません。

ただし、それぞれで実技試験の実施科目に違いがあるため、どの科目を受験するのかを考えて申し込み先を決めましょう。

注意しておきたいのは、「保険顧客資産相談業務」は保険に特化した科目だということです。

したがって、保険関係の仕事に就きたい人や、すでに保険関連の基礎的な知識を持つ人には「保険顧客資産相談業務」がおすすめです。

それ以外の人は、税金や年金、金融資産、不動産などの基礎的知識が広く問われる「個人資産相談業務」もしくは「資産設計提案業務」を選ぶとよいでしょう。

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3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の受験資格は?

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の受験資格は「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」です。

しかしながら、申し込みの際に実務経験を証明したり、特別な書類を提出したりする必要はないため、実際には誰でも受検可能です。

日本FP協会によると、3級ファイナンシャル・プランニング技能検定はFPの基礎的レベルの問題が出題されます。

知識ゼロからファイナンシャル・プランナーの資格取得を目指す人にふさわしい試験とされており、学生や主婦、社会人など、さまざまな年代や職業の人が3級ファイナンシャル・プランニング技能検定を受けています。

仕事に役立たせるためだけでなく、自身の金融知識を増やし生活に生かしていきたいという目的で挑戦する人もいます。

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の難易度はどれくらい?

3級FP技能検定の難易度・合格率

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の合格率は60~80%程度

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の合格率は、試験実施団体である「金融財政事情研究会(きんざい)」と「日本FP協会(FP協会)」で異なります。

また、学科試験・実技試験の各科目でも差が見られます。

以下は2022年1月に実施された3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の合格率です。

学科試験の合格率

きんざい:62.52%
FP協会:87.01%

実技試験の合格率

きんざい(個人資産相談業務):53.14%
きんざい(保険顧客資産相談業務):39.53%
FP協会(資産設計提案業務):90.75%

学科試験・実技試験同時受検者の試験結果で見ると、例年、合格率は60~80%程度を推移しています。

「きんざい」と「FP協会」や実技科目によって合格率に差がある理由は?

先に紹介した通り、「きんざい」と「FP協会」では合格率に差が見られます。

両者を比較して「きんざい」の合格率が低めとなっているのは、「きんざい」は団体申込者(会社単位など)が多いため、なかにはあまりモチベーションが高くなく、勉強が不十分な人も一定数含まれていることが考えられます。

一方、「FP協会」は個人申込者が多くなっており、しっかりと勉強をして合格したいと考えている人が多いようです。

また、実技試験は「きんざい」の方が問題数が少なく、1問あたりの配分が高くなっています。

そのため、試験当日のコンディション不良や、たまたま苦手な問題がたくさん出てしまったなどで、不合格になってしまうこともあるのでしょう。

ただし、実技試験については3科目それぞれ出題内容自体が異なるため、一概に比較はできません。

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3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の勉強時間・勉強方法

3級FP技能検定の勉強方法

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の勉強方法の種類

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定は、さほど難易度が高くない入門レベルの試験ということもあって、勉強方法は独学がスタンダードといえます。

人気資格だけに参考書や問題集など市販教材の種類は豊富ですし、インターネット上で試験のコツをまとめた記事を探したり動画サイトの無料講義を活用したりして、費用を最小限に押さえながら2~3ヵ月で合格を目指すことも可能です。

独学は苦手・不安があるという場合には、通信講座を受ける方法もおすすめです。

「アガルートアカデミー」「フォーサイト」「スタディング」「ユーキャン」などが、3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の通信講座を提供しています。

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の通信講座は他の資格講座と比較すると低価格帯のものが多く、なかには5,000~10,000円程度で受けられるものもあります。

スキマ時間に学習しやすい完全オンライン講座など、特色はさまざまなので、ご自身の好みやライフスタイルに合う講座を選びましょう。

2級対策講座とセットになっているものも多いため、あわせて2級を目指すかどうかを考えることもポイントになってきます。

また「資格の学校TAC」や「資格の大原」などでは、通信講座だけでなく、スクールに通って講義を受けられる通学講座も開講しています。

自宅学習だとモチベーションが上がらない人は、スクールに通う方法も選択できます。

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の勉強時間は約80~150時間・勉強期間は3ヵ月

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定合格のために必要な勉強時間の目安は、80~150時間ほどと言われています。

1日に1~2時間ほど勉強するとして、2~3ヵ月程度の短期間でも合格を目指すことは可能です。

ただし、個々人の出題範囲に関連する知識量や理解度、実務経験の有無などによっても変わってくるでしょう。

まずは過去問題集などをチェックし、どのような難易度や内容の問題が出るのかを把握しておくことが重要です。

その上で、どれくらいの勉強時間をとらなければならないか考えていくとよいでしょう。

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定合格は独学で可能?

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定は、独学でも合格を目指すことができます。

その理由としては、問題の難易度自体が基礎的なレベルであること、また社会保険や所得税、各種保険をはじめ、わたしたちの生活に密着したテーマを多く扱うことから、金融関連の専門的な知識を持っていない人でもとっつきやすいことが挙げられます。

また、3級試験の実技試験は学科試験と同様に「マークシート方式」であるため、その点でも対策しやすくなっています。

出題範囲をしっかりとカバーし、苦手箇所をつぶすように意識して勉強していけば、そこまで苦労せずに独学合格を実現することは可能です。

とはいえ、現実として不合格になっている人もいることにも注目しておかなくてはなりません。

「簡単な試験だから」と思って油断し、ほとんど勉強しないでいると合格できない場合があるため、きちんと対策はしておきましょう。

また、「きんざい」と「FP協会」どちらで試験を受けるのか、また実技試験はどの科目を選択するのかも大事なポイントです。

先に紹介した、各試験の出題内容や合格率を参考にして、ご自身が最も得意だと感じる科目を選ぶとよいでしょう。

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定の難易度まとめ

3級ファイナンシャル・プランニング技能検定は、ファイナンシャルプランナーとしての基礎的な知識を問われる内容となっています。

受験資格として特別な学歴や実務経験は求められないため、初めて金融や保険の勉強をしている人や、今後関連業界で活躍するための土台をつくりたい人におすすめの試験です。

独学合格も十分に目指せる難易度といえますが、勉強が不十分で不合格になっている人もいるため、試験準備はしっかりとして確実に合格を目指しましょう。