ショコラティエの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「ショコラティエ」とは
洋菓子職人のなかでも、繊細な扱いが要求されるチョコレートを専門に菓子を作る職人。
ショコラティエとは、洋菓子職人(パティシエ)のなかでも、とくに「チョコレート」を専門に扱う人のことです。
繊細なカカオの風味を最大に引き出し、見た目の美しさや独創性などを追求して、人々を感動させるチョコレート菓子を作ります。
とくにベルギーやフランスなどの海外ではチョコレート専門店が多々あり、ショコラティエという職業が広く認知されています。
日本国内でも、大都市圏を中心にチョコレート専門店は少しずつ増えていますが、一般的な洋菓子店に勤務し、チョコレートを含むさまざまな洋菓子製造に携わる人もいます。
なるために特別な学歴や資格は求められないものの、一人前になるには現場で地道に修業を重ね、少しずつスキルアップを目指さなくてはなりません。
実力を磨くと独立し、自分の店を出す人も多いです。
「ショコラティエ」の仕事紹介
ショコラティエの仕事内容
チョコレート菓子を専門に作る職人
ショコラティエは、「洋菓子職人(パティシエ)」のなかでも、チョコレートを専門に扱う職人のことを意味します。
チョコレートの食文化が根付いているベルギーやフランスでは昔から親しまれている職業ですが、日本でも現代になって認知度が高まってきました。
チョコレート菓子を作るには、原料となるカカオの品質を見極めながら、細かな温度や時間管理を徹底しなくてはなりません。
その風味を本当に引き出すのは至難の業といわれています。
ショコラティエは、トリュフのような一粒タイプのチョコレートから、ケーキやバウムクーヘンのようなチョコレートを使った焼き菓子などまで、さまざまな商品を作ります。
ショコラティエのさまざまな業務内容
洋菓子店やチョコレート専門店で働くショコラティエの主な業務内容は、商品となるチョコレートを作ることです。
味の追求はもちろんのこと、見た目の美しさや独創性なども、ショコラティエの腕が問われる要素の一部です。
基本的には厨房でチョコレートを作り続けますが、勤務する店舗によっては自ら接客・レジを担当することもあります。
そのほか、営業時間外には店舗の片づけや掃除、新商品の考案、食材発注、売上管理など、店の運営に付随するさまざまな業務を手掛けることもあります。
厨房以外でどのような仕事をするかは、店舗の体制や雇用形態などによっても変わってくるでしょう。
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ショコラティエになるには
製菓専門学校に通ってから仕事を始める人が多い
ショコラティエになるために、特別な学歴や資格は必要ありません。
しかし製菓全般の基礎知識を身につけるために、高校卒業後、製菓の専門学校に進学してから就職する人も多くいます。
在学中には、チョコレートのことはもちろんですが、製菓全般に関する知識や衛生面を守るノウハウを基本から広く学習できます。
いざ仕事を始めると非常に忙しい日々を送ることになるため、余裕のある学生時代に落ち着いて勉強しておくのは有用でしょう。
ヨーロッパなどへ留学し、現地でショコラティエの勉強をする人もいます。
洋菓子店や専門店に就職して修業する
ショコラティエを目指す人の多くは、洋菓子全般を取り扱う店舗、もしくはチョコレート専門店に勤務します。
新人はすぐに全部の作業を任せられるわけではなく、まずは先輩の下で、作業の一部を任せてもらいながら一つひとつ仕事を覚えていくことになります。
いわゆる「見習い」からスタートすることが多く、最初は雑用しか任されないかもしれません。
その期間に先輩の仕事ぶりを近くで見ながら学び、営業時間外や休みの日には自主的に練習を繰り返しながら、少しずつ腕を磨きます。
何年か下積み生活を送ると、一人前のショコラティエとして認められ、責任のある業務を任されるようになります。
ショコラティエの学校・学費
製菓を学べる専門学校への進学が一般的
ショコラティエとして働くためには、製菓に関する基本的な知識やスキル、衛生面に関するノウハウを身につける必要があります。
こうした勉強ができる代表的な場が、製菓専門学校です。
ショコラティエを目指すのであれば「洋菓子コース」「パティシエ科」などを選択するとよいでしょう。
製菓専門学校のよいところは、在学中に座学の講義だけでなく、たくさんの実習経験を積むことができるところです。
授業で実際に菓子を作れるうえに、道具の扱い方や食品衛生の知識までわかりやすく指導してもらえます。
いざ現場に入ると、先輩や上司から懇切丁寧な指導を受けることは通常できないため、在学中に基礎を固めておくとよいでしょう。
なお、人によっては「留学」という道を選択し、海外の製菓関連学校でショコラティエになるための勉強しています。
ショコラティエの資格・試験の難易度
ショコラティエとして働くために必要な資格はない
ショコラティエになるために特別な資格は必要ありません。
あくまでも職人としての確かな知識・技術によって活躍していく職業です。
しかし、菓子作りに関連する資格はいくつか存在します。
たとえば「製菓衛生士」「食品衛生責任者」「菓子製造技能士検定」などです。
これらはプロとしての菓子作りの技能を証明したり、一定範囲の製菓の学習をしてきたことを示したりするためには有用です。
製菓専門学校でも、カリキュラム内で一部の資格取得を目指せる場合があります。
資格がなければ就職できないわけではありませんが、いざ仕事を始めてから、資格取得の勉強を両立させるのは大変です。
学生時代に「これは!」と思う資格を取得しておくのもよいでしょう。
なお、将来的に開業を目指す際には「食品衛生責任者」が必要になってきます。
ショコラティエの給料・年収
見習い期間は給料が低め
洋菓子店などに雇われて働くショコラティエやパティシエの収入は、決して高いとはいえません。
「見習い」として扱われる新人ショコラティエの給料は、フルタイム勤務をする場合でも月給15万円〜18万円程度が平均的といわれています。
経験を積み、技術力を磨くと徐々に昇給が望めるものの、入社して数年間はあまりゆとりのある生活を送れないかもしれません。
また、勤務する店舗の規模や売上によって給料や賞与が左右されることがあります。
福利厚生に関しても、個人店では大手企業のように充実していないことがほとんどです。
実力や実績次第では独立して成功する人も
ショコラティエは、経験を積むと独立する人が増えます。
十分な実力を備え、自分の店を繁盛させることができれば、雇われ時代とは比べ物にならないくらいの高収入を得ることも可能です。
しかし、チョコレートの世界は競争が厳しく、簡単に成功できるわけではありません。
有名で人気のある店を構えるショコラティエの多くは、世界的なチョコレートのコンクールで受賞したり、海外の有名店で修行をしていたり、名だたるホテルやレストランで働いたりといった実績をもっています。
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ショコラティエの現状と将来性・今後の見通し
ますます高まるチョコレート人気
ショコラティエは、ベルギーやフランスなどヨーロッパで古くから親しまれてきた職業です。
現代に入り、日本でもチョコレート専門店が増えてきたことから、ショコラティエの職業としての認知度は高まっています。
チョコレート専門店の多くは大都市圏に集まっていますが、いまや有名店のチョコレートをインターネット通販で気軽に買えるようになり、人々がおいしいチョコレートを楽しむ機会も増えています。
日本人ショコラティエが世界的なコンクールで入賞することも増え、ショコラティエを目指す若者も大勢います。
ショコラティエが身を置くのは競争の厳しい職人の世界ですが、独立して理想の店を出したり、海外の有名店で働いたりなども可能です。
努力を続ける姿勢と熱意さえあれば、多様な活躍の可能性を秘めた職業といえるでしょう。
ショコラティエの就職先・活躍の場
チョコレート専門店や洋菓子店を中心に活躍
ショコラティエの主な活躍の場は、チョコレートを専門に扱う店舗です。
チョコレート専門店は徐々に増えているものの、洋菓子全般を取り扱っている店に比べると数が少なめです。
また、店の経営母体もさまざまで、大手企業が運営するチェーン店もあれば、ショコラティエが独立して立ち上げた個人経営の店舗、あるいはホテルもあります。
「パティシエ」として洋菓子全般に携わりながら、ショコラティエとしての技能を発揮して仕事をする人もいます。
人によってはヨーロッパなどの海外へ渡り、現地の店で修業を積んで実力を磨いています。
ショコラティエの1日
朝は早く、夜は遅くまで働くことが多い
ショコラティエは、基本的に店舗の営業時間に合わせて働きますが、労働時間は長くなりがちです。
オープン数時間前に仕込みや製造をスタートし、閉店後にはミーティングや片付け、練習などを行います。
とくにクリスマスやバレンタインデーなどのイベント前は繁忙で、深夜まで働くこともあります。
ここでは、チョコレート専門店で働くショコラティエ(平常時)のある1日を紹介します。
ショコラティエのやりがい、楽しさ
職人としての技術を高め、理想のチョコレートを生み出すこと
ショコラティエの魅力は、職人として技術を磨きながら、自分の理想とするチョコレートを追求していく、クリエイティブな仕事ができることです。
イメージやアイデアを形にするために何度も何度も試作を繰り返すのは、苦労もありますが、とてもやりがいのある作業です。
さまざまな壁を乗り越え、世界でひとつだけの自分の想いが凝縮されたチョコレートを生み出すことができたときに、大きな充実感を覚えます。
自分が自信をもって作ったチョコレートをお客さまが手に取って、「おいしい!」と言ってくれることが、ショコラティエの最大の喜びです。
ショコラティエのつらいこと、大変なこと
一流になるまでには長く厳しい下積み時代がある
ショコラティエを目指す若者の多くは、「理想のチョコレートを作り出したい!」「いつかは自分のチョコレート店を開きたい!」という大きな夢を描いて、この世界に入ります。
しかし、料理人やパティシエと同様、ショコラティエが一人前になるまでには長い下積み期間があります。
見習いの期間は雑用ばかりで、チョコレートすら触らせてもらえないこともあります。
また、たとえ見習い時代を終えても、厳しい世界で一流ショコラティエとして認められるには、相当な努力を継続する覚悟が欠かせません。
よほど強い気持ちがないと、ショコラティエとして周囲から認められるまでに挫折してしまうでしょう。
ショコラティエに向いている人・適性
チョコレートへの愛情と、細かな作業が得意なこと
チョコレートは、ちょっとした工程の違いで風味や食感が大きく変わってしまいます。
ショコラティエは、常にその日の温度や湿度、使用するカカオの品質を考慮しながら、最適な工程を考えて作業をしなければいけません。
高品質なチョコレートを安定して作り続けるためには、細かな調整をいとわない几帳面さが不可欠です。
職人として強いプロ意識を持ち続けながら、チョコレートと向き合っていくことが求められます。
また、ショコラティエとして腕を磨くなかでは、色や形、模様、ラッピングなど細部にわたって「自分らしさ」を見せることも大切です。
「おいしい」はもちろん「見た目も美しい」チョコレートを追求したいという熱意のある人に向いている職業といえます。
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ショコラティエ志望動機・目指すきっかけ
お菓子作りが好きな気持ちや、チョコレートに魅了されて
ショコラティエを目指す人の多くが、お菓子作りが好きだったり、洋菓子を食べることが好きだったりして、この仕事に興味をもっています。
最近では日本人のショコラティエが海外出店したり、海外のコンクールで活躍するなど注目度が高まっているため、そうした姿に憧れて志望する人もいます。
お菓子作りをする職業には「パティシエ」もありますが、志望動機を考える際には、なぜ、あえてチョコレートにこだわりたいと思うのかを考えてみるとよいでしょう。
理想のショコラティエ像をイメージしておくことは、厳しい下積み生活を乗り越えるためにも大切です。
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ショコラティエの雇用形態・働き方
一人前になるまでには下積み時代がある
洋菓子の世界に限った事ではありませんが、ショコラティエとして一人前になるためには「修業」が必要です。
現在、華々しく活躍する一流ショコラティエも、誰もが修業経験を積んでいます。
修行期間は「見習い」として、正社員ではなく、アルバイトや契約社員からスタートする場合もあります。
技術が身につき、しっかりと洋菓子を扱えて人に商品として出せる状態になったところで、正社員として登用されるというパターンが多いようです。
下積み期間は、人や勤めているお店によってさまざまですが、一人前と認められるまでは低賃金で長い時間働かなくてはならないことが多いと考えておいたほうがよいでしょう。
ショコラティエの勤務時間・休日・生活
冬季期間が最も忙しくなる
ショコラティエの勤務時間は、基本的に所属する店舗の営業時間に合わせたものとなります。
営業時間の前後には仕込みや片付け、ミーティングなどがあるため、店舗によっては労働時間が12時間を超えることもあります。
お菓子を販売する店舗は、たいてい土日祝日は営業しており、平日のどこか1日~2日が定休日となります。
なお、チョコレートは日常的に楽しむだけでなく贈り物として購入されることが多いため、1年の中でもクリスマスやバレンタインデー、ホワイトデーなどのイベント前が繁忙期となります。
また、溶けやすいチョコレートは夏場に需要が減る傾向にあるので、ショコラティエにとっては「夏よりも冬が忙しい」というのが通例となっています。
ショコラティエの求人・就職状況・需要
ショコラティエとして生き残るのは難しい
日本では、まだまだチョコレート専門店の数は決して多くありません。
また、多くの店舗が、求人については「人手が足りなくなったときに若干名の募集をする」という程度で、定期的に採用を行うとは限らないのが現状です。
ショコラティエの勤務先は個人経営の専門店や洋菓子店も多く、都市部に集まっているため、地方ではとくに求人を見つけるのが難しいです。
地道に求人情報をチェックし続けて、場合によっては募集されていなくても問い合わせてみるといった行動力も必要になるでしょう。
製菓専門学校に通っていれば、学校に届く求人情報を活用して就職先を探すことができます。
ショコラティエの転職状況・未経験採用
学歴・キャリア関係なく転職は可能だが、厳しい世界
ショコラティエに限らず、お菓子作りの世界は、実力さえあれば誰もが活躍できる世界です。
学歴も過去のキャリアも問われないため、誰でも挑戦できるのは魅力といえるでしょう。
ただし、一歩足を踏み入れたら、そこからは厳しい修業の日々が待っていると覚悟しておく必要があります。
製菓の基礎知識を得るために専門学校に通うにはそれなりの時間とお金が必要となりますし、チョコレートを扱う店舗に就職できたとしても、最初は「見習い」からのスタートです。
金銭的な余裕を持ってから転職に踏み切るほうがよいでしょう。