バスガイドになるには? 資格は必要?
バスガイドになるまでの道のり
バスガイドになるために、決まりきった方法はありません。
一般的には、高校卒業以降に、観光バス会社へ就職するのが王道ルートといえます。
バスガイドとして働くために必須の資格は存在せず、バスガイドとして働くにあたって必要なスキルは、就職後の社内研修を受けることで身につけます。
若い人だと、20歳になる前にバスガイドとして現場に立つこともあります。
20代で正社員への就職・転職
バスガイドの資格・難易度
「高卒以上」が最低条件
バスガイドになるために、特定の資格を有する必要はありません。
多くのバス会社では「高卒以上」の学歴を採用条件として設定しているため、高校を卒業することは、バスガイドになる最低限の条件であると考えておくとよいでしょう。
国内旅程管理主任者
前述のとおりバスガイドになるために必須の資格はありませんが、「国内旅程管理主任者」という資格は、バスガイドの業務に関連しています。
国内旅程管理主任者とは、旅行会社が提供する国内団体旅行に同乗する「添乗員」が取得していなければならない資格です。
バス会社によっては、バスガイドが添乗員としての役割も兼務するために、入社後にこの資格を取得する流れになるケースもあります。
バスガイドになるための学校の種類
観光系の専門学校
観光系の専門学校に通えば、観光関連の仕事に必要な知識やスキルを集中的に習得することができます。
ただし、専門学校を卒業したからといって、必ずバスガイドになれるわけではありません。
大学で役立つ勉強をする
観光系の専門学校以外でも、バスガイドとして働くうえで役立つ知識・スキルを身につけることができます。
学部としては、以下のようなところが候補に挙がるでしょう。
バスガイドとして生き残るためには「個性」も重要です。
学生時代に興味のある分野をしっかりと学んで身につけた知識は、バスガイドになってからもきっと生かせるはずです。
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バスガイドに向いている人
社交的な人
バスガイドは、丁寧な受け答えと明るい雰囲気づくりなどを通じて、お客さまに楽しい旅行を提供します。
社交的でコミュニケーション能力に優れ、人との会話を楽しいものにできる人であれば、お客さまを満足させられるバスガイドとして活躍できるでしょう。
前向きさや性格の明るさも、バスガイドとして大切な要素です。
勉強熱心な人
バスガイドには、観光地をはじめ、各地の歴史や文化などに関する、さまざまな知識を持つことが求められます。
社内研修以外にも、自主的に勉強を続けなくてはなりません。
観光に関することが好きで、その知識を蓄えることを苦にしない人であれば、勉強も前向きに取り組めるでしょう。
細かな気配りができる人
バスガイドは、ツアー中、常にお客さまの体調に気を配る必要があります。
万が一、体調不良のお客さまがいたときには、速やかに対処できれば最小限の影響で済みます。
細かな気配りができるバスガイドであれば、お客さまの小さな変化にもすぐに気づくことができるため、スムーズにツアーを完了させることができるでしょう。
体力に自信がある人
バスガイドの仕事は「体力勝負」の側面も強いです。
なかには体力面に不安が出てきてバスガイドの仕事を辞めてしまう人もいるため、健康的で、タフな人がバスガイドには向いています。
バスガイドのキャリアプラン・キャリアパス
バスガイドの最初の仕事は「社内研修」です。
会社によっては、長ければ数ヵ月間の研修期間が設けられ、研修中は社員寮で生活することもあります。
研修では観光関連の知識やマナーを学び、実際にバス車内での実地研修も行われます。
研修を終えると、いよいよ実地デビューです。
ガイドを担当し、先輩の指導やアドバイスも受けながら、少しずつスキルアップを目指します。
なお、研修終了後も観光地に関する勉強は続けていかなくてはなりません。
バスガイドを目指せる年齢は?
バスガイドになるために、基本的に年齢制限はありません。
ただし、未経験者の場合は、業務で覚えることが多いことなどを理由として、若い人材が好まれる傾向にあります。
体力も要する仕事のため、できるだけ若いうちに現場に入ることをおすすめします。
なお、バスガイドや観光業界の経験者であれば、ある程度の年齢でも即戦力になれる人材として歓迎されやすいです。
バスガイドは高卒から目指せる?
バスガイドの求人を見ると、学歴については「高卒以上」であれば応募できる会社が多いようです。
バスガイドとして必要な知識やスキルは社内研修、また実践で身につけることができため、高卒の人でも熱意さえあれば問題はありません。
バスガイドは男性でもなれる?
「バスガイド=女性の仕事」というイメージが強いですが、男性でもバスガイドになることは不可能ではありません。
2019年の春、70年の歴史を誇る「はとバス」で、はじめて男性バスガイド候補生を2名採用したというニュースが話題になりました。
男性は体力がありますし、高齢女性を中心に、安心感のある男性バスガイドの需要があることも確かです。
ただし、割合的には女性バスガイドのほうが圧倒的に多いため、男性バスガイドにとっては、女性の同僚や先輩・後輩と上手にコミュニケーションしていくことに苦労するかもしれません。
バスガイドにはどんな研修がある? 話し方のマニュアルは?
バスガイドの研修
入社後に社内研修がある
バスガイドを目指す人は、高校や専門学校などの学校を卒業後、観光バス会社へ入社するのが一般的です。
入社後は、まず「社内研修」が行われます。
社内研修では、バスガイドとしての最低限の知識やスキルを習得することを目的として実施され、期間は各社で異なりますが数週間~数ヵ月程度です。
会社によっては、研修期間中は寮に入って集団生活を送ります。
机上研修は覚えることが多い
バスガイドの研修の基本は「覚える」ことです。
バスガイドとして働くためには暗記しなければならないことが多く、会社によっては数百ページという膨大なテキスト量をすべて覚えなければなりません。
そこには観光に関することだけでなく、マナー講習や、利用客の体調不良に対処できるような救命救急講習なども含まれます。
研修時間だけでは覚えきれないこともあるため、夜や休日を利用して予習・復習をするなど、多忙な毎日を過ごすことになるでしょう。
車上研修で実践と応用を学ぶ
バスガイドの研修は、座学だけにとどまりません。
座学で学んだ内容を本番で役立てるために、研修においても実際にバスに乗車して実戦形式で学んでいきます。
バスツアー中にはさまざまなアクシデントがつきものですから、基本だけでなく応用についても学んでおくことが大切です。
研修内容は会社によって異なる
バスガイドの研修内容は統一されたものではなく、会社によって独自に決定されています。
基本的に、会社の規模が大きいほどに研修内容も充実しており、質の高いバスガイドを育成するための体制が整っている傾向が見られます。
ユニークな研修内容としては「カラオケ」があります。
車内でご当地ソングを歌う機会のあるバスガイドならではの、おもしろい研修内容といえるでしょう。
バスガイドの話し方の訓練
社内研修で訓練する
バスガイドの研修では「話し方」に関する訓練も行います。
発声練習やマナー講習を通じて、バスガイドとしてふさわしい話し方を身につけるというものです。
最初は恥ずかしいと感じる人が多いようですが、何度も何度も発声練習していく中で慣れていき、自然と丁寧で、バスガイドらしい話し方ができるようになります。
たいていの会社では基本的なマニュアルも用意されていますが、書いてあることを読むだけでなく、積極的に声に出して練習することが重要です。
実戦の中で話し方を磨いていく
研修が終わり、最終試験に合格すれば、いよいよバスガイドとしてお客さまと接します。
入社間もないバスガイドは、まだ初々しい話し方で、何度も噛んだり言葉が出てこなかったりといったこともあるものです。
ですが、実践経験を積みながら反省や練習を繰り返すうちに、話し方は徐々に洗練されたものになっていきます。
最初は思うようにいかず、つらいことも多いかもしれませんが、前向きに仕事に取り組んでいけば必ず上達できるでしょう。