バスガイドの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「バスガイド」とは
観光バス・貸切バスに乗務し、観光地の情報提供や観光地の案内でお客さまを楽しませる。
バスガイドとは、観光バスや貸切バスに乗車し、ツアーに参加するお客さまが楽しく快適な旅を楽しんでいただけるよう、さまざまなサポートをする案内役です。
バス内では車窓から見える景色を案内したり、観光地の情報を提供したり、ご当地ソングを歌ったりしながら雰囲気を盛り上げます。
また、バス駐・発車時の安全確認や車内点検など、バス運転手の安全運行をサポートすることも大事な役目です。
日によっては早朝から夜遅くまで働いたり、観光地に関する膨大な知識を身に付けたりする苦労もありますが、さまざまなお客さまとの出会いに恵まれ、自分のガイドでお客さまを喜ばせることができたときに大きな喜びを味わえます。
バスガイドの多くはバス会社に所属しますが、経験を積めば、派遣やフリーランスとして活躍することも可能です。
「バスガイド」の仕事紹介
バスガイドの仕事内容
観光バスに乗務し、観光案内やツアーのサポートをする
バスガイドとは、観光バスや貸切バスに乗車し、お客さまが楽しく快適な旅を楽しんでいただけるよう、さまざまなサポートをする案内役です。
車内では、車窓から見える景色を案内したり、観光地の情報を提供したり、ご当地ソングを歌ったりしてお客さまを盛り上げます。
また、スムーズなツアー進行のため、見学場所や食事施設に到着予定時間を連絡したり、お客さまに集合時刻や場所を正しく伝達したりといった業務も担当します。
一緒に働く「バス運転手」とも連携をとって、バスの駐・発車時の安全確認や車内点検を行うことも欠かせません。
バスガイドは、なによりも「人を喜ばせたい」というホスピタリティ精神が求められる仕事です。
添乗員(ツアーコンダクター)との違いは?
バスガイドと関連性のある職業が「添乗員(ツアーコンダクター)」です。
添乗員は、主に旅行会社に所属しており、ツアー日程の管理や旅程変更に関する業務を担当します。
たとえばツアーで立ち寄る店の予約、集合時間の調整、突発的なルート変更といった「旅程」に関する業務に従事します。
ツアーによって、バスガイドと添乗員が両方乗務するケースもあれば、バスガイドは乗務せずに添乗員が簡単なガイド役まで務めるケースもあります。
バスガイドになるには
観光バス会社に入社することが第一歩
バスガイドとして働く人の多くは、観光バス会社に勤務しています。
経験を積むと派遣やフリーランスで働く人もいますが、これから初めてバスガイドになろうとする人は、まずバスガイドを雇用しているバス会社への就職を目指すのがよいでしょう。
学歴については「高卒以上」であれば応募できる会社が多く、観光系の専門学校もしくは大学を出ている人が比較的多いです。
ただし、業務に必要な知識・スキルは入社後の研修で身につけられるため、強い熱意があれば、観光の勉強をしてこなかった人でも採用される可能性はあります。
バスガイドを目指す人が身につけておくべきスキルは?
バスガイドになるために、何か特別な資格が求められることは通常ありません。
しかし、バスガイドの仕事では、国内地理や日本の文化、歴史などの知識はあればあるだけ役に立ちます。
また、海外からのお客さまに対応する可能性もあるため、英語などの外国語力も生かせます。
学生のうちに、このような勉強を自主的に行っておくと、実務に就いてからの学習がよりスムーズに進むでしょう。
バスガイドの学校・学費
観光系の専門学校や大学に進学する人もいる
バスガイドを目指すために、必ず通わなくてはならない学校はありません。
バスガイドの就職活動においても「高校卒業以上」の学歴があれば応募できるバス会社が多く、学歴はそこまで厳しく問われない職業です。
ただ、就職前に少しでもバスガイド業務に関連する勉強をしておきたい人は、観光系の専門学校に通うことが多いです。
大学に進学する場合は、観光学部、歴史学部、外国語学部などを選択すると、バスガイドに役立つ知識・スキルを身につけやすいでしょう。
どのような学生生活を送りたいかを考えて、進学先を決定することをおすすめします。
バスガイドの資格・試験の難易度
バスガイドとしての資格は存在しない
バスガイドとして働くために、取得必須の資格はありません。
各バス会社が定める応募条件を満たしていれば、誰でもバスガイドとして就職することが可能です。
会社によっては、入社後に「国内旅程管理主任者」の資格取得を目指すことを命じられることがあります。
この資格は「添乗員」として働くために必要な資格で、バスガイドとしては必須のものではありません。
しかし、バスガイドが添乗員としての役割を兼任することもあるため、取得しておくに越したことはないでしょう。
入社後は新人研修を受ける
バスガイドがバス会社に入社すると、まずは社内研修を受けて接客の基本や観光関連の知識を身につけます。
研修期間は長ければ数ヵ月ほど続き、社員寮で集団生活を送ることもあります。
バス車内での実地研修も行われ、十分にガイドを務められる実力をつけたところで、いよいよ現場デビューの流れとなります。
研修期間中は覚えることが多くて厳しさを感じることもありますが、この時期にバスガイドとしての土台をしっかり固めることが大切です。
バスガイドの給料・年収
バスガイドの年収は、300万円~400万円ほどがボリュームゾーンとされています。
ただし、バスガイドは正社員のほか、派遣社員やアルバイト・パート、あるいはフリーランスなど、多様な働き方をする人がいます。
雇用形態や経験によって収入差は開きやすいと考えておくとよいでしょう。
また、どの働き方をするとしても新人時代は給料が低めの傾向で、正社員でも初任給は20万円に満たない場合があります。
入社数年間は、あまりゆとりのある生活を送れない可能性が高いですが、通常、バスガイドにはさまざまな手当(乗務手当、拘束手当、時間外・休日出勤手当など)がつきます。
また、格安で利用できる社員寮を完備している会社もあります。
手当や待遇が充実している企業に勤務すれば、そこまで不安を感じずに働けるでしょう。
正社員以外で活躍するバスガイドの収入は?
バスガイドが派遣社員やアルバイト、フリーランスとして働く場合の収入は「日給制」が基本となります。
実力や経験に応じて日給は変動し、平均的には10,000円程度、ベテランになれば15,000円以上を得る人もいます。
とくにフリーランスは、基本的に個人でバス会社と業務委託契約を結んで働くため、交渉次第では高収入が望めます。
順調にキャリアを重ねていけば、一定の収入アップは実現できる仕事です。
関連記事バスガイドの年収はいくら? 給料についてくわしく解説
バスガイドの現状と将来性・今後の見通し
プロフェッショナルな人材がますます求められる
現在、観光バス・貸切バスへのバスガイドの乗務は必須事項ではなくなっており、一昔前に比べると、バスガイドの数は減少傾向にあるとされています。
また、観光業は景気の影響も受けやすく、経済状況が悪くなると非正規雇用が増えたり、給料やボーナスカットになったりと、厳しい面もあります。
一方、バスツアーを提供する一部の会社では、あえてよい待遇で正社員のバスガイドを雇用・教育し、個性あふれる質の高いガイドができることを「売り」にしているところもあります。
今後のバスガイドには、単なる案内役を超えた、その人にしかできないガイドによってツアーの価値を高められる人や、お客さまに本物の「ホスピタリティ」や「おもてなし」を提供できる人など、よりプロフェッショナルな人材が求められていくでしょう。
バスガイドの就職先・活躍の場
観光バス会社を中心に、派遣やフリーで働く人も
バスガイドの主な就職先は、観光バスツアーを実施するバス会社です。
バス会社によって、高価格帯のラグジュアリーなツアーが多かったり、一風変わったユニークなツアーを多く手掛けていたりと特色があります。
それ以外では、観光会社や旅行会社で働く人もいます。
これらの会社では、集客のために全国さまざまな地域の観光地を目的地としたツアーが組まれることが多く、覚えることは多くなります。
しかし、さまざまな観光地のことを知りたい人には、より魅力的と感じられるでしょう。
そのほか、特定の企業に勤めるのではなく、派遣会社に登録をして派遣として働く人や、独立しフリーランスとして直接バス会社と契約を結んで働く人もいます。
バスガイドの1日
ツアー内容によって業務スケジュールは変動する
バスガイドの1日の過ごし方は、担当するバスツアーの内容によって大きく変動するのが特徴です。
日によっては早朝から準備をし、ようやく仕事を終えるのは夜遅くということもあります。
「宿泊あり」のツアーの場合、ツアー客と同じか、近隣の宿泊施設に泊まることになります。
ここでは、1泊2日のバスツアーでの初日の流れを紹介します。
関連記事バスガイドの1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説
バスガイドのやりがい、楽しさ
出会いが多く、お客さまからも元気をもらえる
バスガイドにとって最もうれしいのは、お客さまから「ありがとう!」「楽しかった!」といった声をかけてもらえることです。
バスツアーに参加するお客さまは、誰もがツアーを存分に楽しみたいと考えています。
バスガイドがきめ細やかなサービスや、おもてなしを提供することができれば、お客さまの満足度は急上昇します。
どれだけ疲れることがあっても、お客さまの喜んでいる顔を見ると、不思議と元気になれるものです。
バスガイドの仕事では、日々たくさんの人との出会いがあり、さまざまな場所に訪れるため、飽きずに続けやすいのも魅力といえるでしょう。
バスガイドのつらいこと、大変なこと
勤務体系が不規則になりがちで、体力的にハード
バスガイドが担当するツアーは、行程や目的地がさまざまであるため、どうしても不規則な生活になることが多いです。
早朝からの出社や泊まりがけの仕事もあり、一般的なオフィスワークの仕事に比べると勤務時間は長くなる傾向です。
同時に、お客さまへの気遣いが求められる職種のため、仕事に慣れてくるまでは、体力的にも精神的にもクタクタになるかもしれません。
また、ツアーの開催は土日や長期休暇に集中しているため、世間と同じような時期に休みづらく、プライベートの予定を立てづらいことに不自由さを感じる人もいます。
バスガイドに向いている人・適性
おもてなしの精神があり、社交的で明るい人
バスガイドは、お客さまの旅行がさらに楽しいものになるように盛り上げる役割を担います。
「人に喜んでもらいたい」「誰かの役に立ちたい」という気持ちが強い人は、バスガイドに向いています。
また、バスツアーに参加するお客さまは数十人単位になることが多いため、人をまとめることができて、どんな人とも分け隔てなく接することができる社交的な性格も必要です。
明るい雰囲気があり、周りの人を元気にさせられるようなタイプの人なら、きっとバスガイドとして活躍できるでしょう。
あわせて、観光地に関連する知識を深めるために、自主的に勉強をコツコツと続けられる努力家の人がバスガイドには向いています。
関連記事バスガイドに向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
バスガイド志望動機・目指すきっかけ
旅好きで、人の役に立ちたい人が多い
バスガイドを目指すきっかけで多いのは、「旅行が好き」という気持ちです。
実際にバスガイドになるといろんな観光地を訪れることができ、観光に関する知識も身につきます。
旅好きの人にとっては天職ともいえる仕事でしょう。
また、観光系のさまざまな仕事のなかで、あえてバスガイドを選ぶ理由としては、「人と接するのが好き」「誰かを喜ばせるのが好き」などの気持ちを持つ人が多いようです。
子どもの頃に印象深いバスガイドさんとの出会いがあって、自分もそのようになりたいという憧れの気持ちが、目指すきっかけになる人もいます。
関連記事バスガイドの志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?
バスガイドの雇用形態・働き方
経験を積むまでは正社員や契約社員として働くのが一般的
バスガイドの代表的な雇用形態は正社員です。
正社員であれば、各バス会社や観光会社の社員として安定した働き方が可能です。
社内研修制度も充実しているため、未経験からでも長期的なキャリアを見据え、スキルアップを目指せます。
会社によっては、入社後最初の数ヵ月間は契約社員として雇用され、働きぶりが認められれば正社員になれるといった形をとっているところもあります。
そのほか、派遣社員、アルバイト、フリーランスの働き方も可能ですが、これらはバスガイドの実務経験がある人を対象とするケースがほとんどです。
バスガイドの勤務時間・休日・生活
担当ツアーによって不規則な生活になることも
バスツアーは、さまざまな日程や時間帯、目的地で開催されるため、バスガイドの勤務時間は、どうしても不規則なものになる傾向です。
たとえば午前中に出発するツアーの場合、早朝から出社をして、お客さまをお迎えするための準備をスタートしなくてはなりません。
日帰りツアーであれば夕方には帰るものが多いですが、渋滞などのトラブルで帰りの時間が読めないことはよくあります。
また、泊りがけのツアーの際にはバスガイドも現地で泊まることになるなど、生活リズムを一定に保つのが難しい仕事です。
なお、ツアーは土日祝日に催行されることが多いため、バスガイドの休日は基本的に平日になります。
バスガイドの求人・就職状況・需要
バスツアーは減少傾向だが、まだ需要はある
近年は個人旅行をする人が増加し、貸切バスツアーの数は減少傾向にあります。
ただし、修学旅行や社員旅行といった団体旅行でのバス利用はいまだ需要があるため、就職先がまったく見つからないという心配はいりません。
一般向けのツアーを提供するバス会社でも、他社とは違った個性やサービスを提供するために、正社員のバスガイドをしっかりと教育して「ガイドの質」にこだわっているところもあります。
バス会社側も、やる気のある人材は常に求めています。
強い目的意識を持って就職活動に臨めば、採用されるチャンスは十分にあるといえるでしょう。
バスガイドの転職状況・未経験採用
経験を積めばさまざまな働き方が可能
バスガイドは、学歴・資格等は不問で採用されることが多いため、未経験からでも挑戦できます。
ただし、いきなり現場に出ることはできず、まずは観光バス会社に入社して研修を受け、専門的な知識を習得しなくてはなりません。
一定のレベルに達すれば現場に出ますが、一人前のバスガイドになるまでは勉強の日々が続きます。
未経験からの転職の場合は、できるだけ若いうちに決断することをおすすめします。
十分な経験を積めば、派遣会社に登録して仕事をしたり、フリーランスのバスガイドとして自由度高く活躍したりすることも可能です。