弁理士に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
弁理士に向いている性格・適性
勉強が得意な人
科学技術の進歩はめざましく、ありとあらゆる分野で新しい製品が日夜開発されていきます。
また、時代の変化に合わせて、特許法や実用新案法といった知的財産に関する法律も、頻繁に改正が実施されます。
弁理士は、それらの知識をアップデートし、最新の技術・最新の法律に対応していかなければならない職業です。
弁理士試験に合格するまでにも膨大な勉強量をこなす必要がありますが、資格を取得して働きだしてからも、弁理士は生涯にわたって学び続けることが求められます。
したがって、文系・理系の科目を問わず、勉強することが得意な人が弁理士に向いているでしょう。
現役で活躍している弁理士をみても、勉強熱心で、自分を高めていくことに貪欲な人が目立ちます。
一人で仕事をするのが好きな人
弁理士は、チームを組んで協力しながら仕事を進めるというよりは、机に向かって一人でコツコツと作業をする時間が多い仕事です。
とくに小規模の特許事務所に勤める場合、出願書類の作成から特許庁への申請まで、ひとつの案件を単独で手掛けるケースが一般的です。
既存の特許と同じものがないかしらみつぶしに調べたり、明細書に記載する説明の表現方法について頭を悩ませたりと、日によっては朝から晩までデスクワークに没頭することも珍しくありません。
もちろん、発明者との打ち合わせや特許庁審査官との協議などで、コミュニケーションを取る機会もありますが、黙々と作業するのが苦でない、職人気質の人が弁理士に向いているでしょう。
とにかく新しいものが好きな人
これから知的財産として権利化しようとする発明は、「新規性」や「進歩性」といった要素を満たしていなければなりません。
つまり、弁理士のところに持ち込まれる発明は、基本的にこれまで世の中になかったものであり、発明者本人を除けば、それを目にするのは弁理士が最初ということになります。
特許事務所に所属していれば、業界を問わず、さまざまな「世界で一番新しい技術」に触れることができるため、新しいものが好きな人にとっては、非常に刺激的な職場といえます。
多様な分野に関心があり、知的好奇心が旺盛であればあるほど、業務上必要となる勉強にも身が入りやすいでしょう。
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弁理士に必要なスキル・能力
文章力
特許を出願する際には、その技術や製品の詳細について、「明細書」という書類にわかりやすくまとめることが必要になります。
しかし、扱う内容が最先端の技術であるだけに、専門知識を持たない第三者がみても理解できる内容にするためには、表現方法に工夫を凝らさなければなりません。
論理的かつ客観的な文章を記述するには、非常に高度な文章力が求められるため、とくに慣れないうちは何度となく上司から手直しされるなど、苦労することが多いようです。
作文が苦手という人は、学生の間にできるだけ多くの書籍に触れたり、論文を書く練習を積んでおくとよいかもしれません。
語学力
日本企業は、人口減少によって縮小してゆく国内市場だけでは事業の成長が十分に見込めないため、海外でのビジネス展開を狙うというところが増えています。
これに伴って、国内の特許出願件数がほぼ横ばいである一方、国際出願件数は増え続けており、外国語が得意な弁理士には大きな需要が集まっています。
今後、企業間の国際競争はますます激化していくと予想されており、知的財産の取得が事業成功のカギとなるケースも少なくありません。
今後の弁理士には、英語をはじめとして、できる限り高い語学力を備えていることが求められるようになるでしょう。
弁理士に向いていないのはどんな人?
ルーズな人
特許庁への出願業務には、手続きの段階ごとに明確な期限が設けられています。
もしも指定された期日までに書類を提出できなければ、基本的にその時点で知的財産の権利化は失敗となります。
従って、弁理士には、それぞれの案件の締め切りを厳密に守り、遅滞なく各種事務作業をこなせるだけの高いスケジュール管理能力が必要になります。
計画的に行動するのが苦手だったり、時間にルーズだったりする人は、弁理士に向いているとはいえません。
口が軽い人
弁理士には、クライアントの情報を漏らしてはいけないという「守秘義務」があります。
もしも権利化する前の技術や商品に関する情報が第三者に漏洩してしまったら、勝手に模倣されて深刻な経済的損失を負うことになり、研究開発にかけた莫大な費用もムダになってしまいかねません。
弁理士は、クライアントから依頼を受けて無事に権利化するまでの長期間にわたり、どこにも秘密を洩らさないための情報管理能力が求められます。
弁理士として信頼されるためには口が固いことは絶対条件であり、たとえばSNSで不用意な発言をしてしまうような人や、お酒の席で失言してしまうような人にはきわめて不向きです。