プロ野球選手の平均年収・年俸はいくら? 契約の仕組みについてもくわしく解説
彼らの年収は実力や成績により大きく異なりますが、一流選手は複数年契約を結び、驚くべき金額を得ることも珍しくありません。
この記事では、プロ野球選手の平均年収・年俸に加え、契約の仕組みについてもくわしく解説します。
プロ野球選手の年収の仕組み
チームとの年俸契約となる
プロ野球選手の給料は年俸制度によって決まります。
毎年のペナントレースが終わる11月ごろには、選手たちの契約更新が行われ、翌年の契約と年俸が確定します。
球団は主に選手のその年の実績に基づいて年俸を提示します。
そのため、成績が良かった場合は給料が大幅に増えることもありますが、逆に怪我などで一軍の試合に出られなかった場合は減少する可能性もあります。
通常、1年契約が基本となりますが、球団が選手を重要なメンバーとして評価し、長期的な契約を結ぶ場合もあります。
これには、球団側のチームにより長く所属してほしいという願いが込められています。
査定の方法は加点方式
プロ野球選手の年俸は、各球団の査定によって決まります。
査定員が選手の全成績を厳しく採点し、投手なら1球ごと、野手なら1打席ごとに評価を行います。
球団ごとに査定の方法は異なりますが、一つの球団では査定項目が260以上にもなるといわれています。
プロ野球の年俸査定は一般的に加点方式で行われます。
例えば、ヒットが+3ポイント、ホームランが+5ポイントなど、成績によってポイントが加算されていく仕組みです。
しかし、野球はチームスポーツであり、個人の成績だけではなく、チームの勝利にどれだけ貢献したかも考慮されます。
試合の流れや結果に大きく影響するため、チャンスの場面でのヒットやホームランの評価が高くなります。
選手の能力や実績だけでなく、プレーのタイミングやチームの状況も年俸に影響を与える重要な要素です。
インセンティブ契約もある
プロ野球選手の契約には、年俸とは別に「インセンティブ契約(出来高契約)」と呼ばれるものがあります。
この契約では、成績や出場機会など、具体的な対象は球団や選手によって異なりますが、これらの目標を達成した場合に追加の報酬が支給されます。
実際、インセンティブの方が年俸よりも多い場合も珍しくありません。
このインセンティブ契約は選手にとってモチベーションを高める効果がありますが、一方で逆に、達成しなかった場合には減俸といった厳しい契約を設定している球団も存在します。
トップ選手は副収入もさまざまにある
プロ野球のトップ選手は、年俸以外にもさまざまな副収入源があります。
例えば、スポーツメーカーなどとスポンサー契約を結んでいる選手は多いです。
彼らは自身の名前やイメージを使って商品やブランドとの連携を行い、その対価として報酬を得ることができます。
また、テレビなどのCMに出演すれば、CM出演料が入ります。
プロ野球選手が広告塔として起用されることで、企業は製品やサービスの宣伝効果を高めることができます。
さらに、メディアからの取材や本の出版などもトップ選手にはよくみられます。
彼らの成功やプレーに対してファンの興味が高まるため、メディアが特集記事やインタビューを行うことで報酬を得ることができます。
オフシーズンには、テレビ番組などへの出演もあります。
このように、プロ野球選手はさまざまな仕事を通じて追加の収入を得ることができます。
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プロ野球選手の平均年収・収入
2023年のプロ野球選手の平均年俸は4468万円であり、この額は過去最高となっています。
プロ野球選手の年俸は昭和55年から選手会が毎年調査しており、公開されています。
リーグ別では、セ・リーグの選手の平均年俸は4,552万円、一方でパ・リーグは4,385万円となりました。
しかし、球団によっても平均年俸には大きな差があります。
球団別では、巨人が6,807万円で1位、2位はソフトバンクで6,763万円、3位は楽天で5,353万円となりました。
一方で、最も低かったのは日本ハムで2,569万円でした。
プロ野球の球団は試合の入場料(チケット代)やテレビの放映権料、グッズ販売などから収益を得ています。
そのため、ファンが多い球団と少ない球団では収益にも大きな違いがあり、選手の年俸にも影響を及ぼしているのです。
プロ野球選手のトップ選手の年収
2023年シーズン、日本のプロ野球界で年俸が最も高額といわれているのは、オリックスの山本 由伸投手で6億5,000万円です。
続いて福岡ソフトバンクホークスの柳田 悠岐選手が6億2,000万円、巨人の坂本勇人選手、東京ヤクルトスワローズの村上 宗隆選手が6億円と続いています。
「一流」と評価されるプロ野球選手は、複数年の契約を結んだりして、総額10億円以上の報酬を得ることがあります。
契約年数はしばしば「駆け引き」と形容され、特に来年にフリーエージェント(FA)資格を得る場合、1年契約を結んでその後活躍し、FAとなってから複数年の高額契約を結ぶという流れがよく見られます。
これにより、選手は実力と実績に応じたより有利な契約条件を得ることができるのです。
ちなみに、ドラフトで指名された新人選手の年俸は1,500万円が上限となっていますので、毎年コンスタントに活躍を続けなければ、億を超える年俸に到達するのは難しいです。
ただし、日本人選手でもメジャー・リーグに移籍すれば、さらに高額の年俸を得る可能性があります。
実際、現在、日本人メジャーリーガーで最高額の年俸を得ているのは、エンゼルスの大谷翔平投手で3000万ドルとなっています。
これは30億円を超える報酬に相当します。
メジャーリーグは日本国内のプロ野球よりも収益が大きく、トッププレーヤーは高額な年俸を手にすることができるため、日本人選手の中にも年俸10億円以上を獲得する選手がいるのです。
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プロ野球選手の待遇の特徴は年金があること
日本のプロ野球には年金制度があります。
プロ野球選手が年金を受給するための条件は、プロ野球のいずれかの球団に通算10年以上在籍していることです。
この在籍期間には1軍と2軍の区別はなく、現役を引退後にコーチや監督として球団に所属した期間も含まれます。
年金の受給期間は55歳から死亡するまでで、年間約120万円を受給できます。
ただし、これはそれほど高額ではないため、プロ野球選手は別途国民年金に加入することが認められています。
一方、メジャー・リーグの年金制度は日本の制度よりもかなり高額です。
メジャーリーグの選手は60歳から死亡するまで、満額で年間約2,000万円を受け取ることができます。
ただし、この制度はマイナーリーグ(2軍以下)の選手は対象外であり、メジャーリーグで5年以上登録した場合は50パーセント、10年以上登録した場合には満額を受給できるという条件があります。
プロ野球選手の平均年収・年俸はいくら?のまとめ
プロ野球選手の年俸は成績や実績によって大きく変動し、契約の仕組みは球団ごとに異なります。
年俸は加点方式で評価され、ヒットやホームランなどのプレーによってポイントが加算されます。
プロ野球選手には複数年契約を結ぶトップ選手もおり、総額10億円以上の報酬を得ることもあります。
また、メジャーリーグに移籍するとさらに高額の年俸を得る可能性もあります。