バリスタの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介・役割

バリスタの仕事とは

バリスタは、コーヒーなどの知識を幅広く熟知し、バールやカフェ、レストランなどでお客さまへ最高の一杯を提供する仕事です。

カウンターの中に立ち、お客さまから見える位置で仕事をします。

日本では「エスプレッソを淹れる人」というイメージが強く根付いていますが、それ以外のコーヒーや酒類を扱うこともあります。

また、バリスタはただドリンクを作るだけの仕事ではありません。

接客のプロフェッショナルでもあり、店舗の様子に気を配りながら、来店してくれたお客さま一人ひとりに喜んでもらえるような質の高いサービスを提供し、心地よい空間を演出します。

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バリスタの業務の内容

エスプレッソを中心に、最高の一杯を提供する

バリスタは、カフェやレストラン・バールなどでカウンターの中に立ち、エスプレッソを中心としたさまざまなドリンクを作ります。

エスプレッソを使ったドリンクを専門に出す店舗の場合、高価なこだわりのエスプレッソマシンを店舗に置き、朝も夜もメンテナンスをします。

最適な抽出をするためにエスプレッソマシンの調整はとことん行い、さらに気温や湿度などでコーヒー豆の品質にも変化があるため、味を見ていきながらその日の味を決めます。

チェーン店とは異なる「こだわりの一杯」を作るためには、高い技術と知識が要求されます。

接客・サービスのプロフェッショナルとして

バリスタは、つねにお客さまから見える位置でエスプレッソの抽出やドリンク作りを行います。

そのため、自分の立ち居振る舞いには気を付けなくてはなりません。

お店全体の様子に気を配り、お客さまが求めるものを察知して動く必要もあります。

立ち飲みができるスタイルの店舗では、お客さまとの会話も楽しみながら働くことになります。

来店してくれたお客さま一人ひとりに喜んでもらえるような質の高いサービスを提供し、心地よい空間を作り上げます。

バリスタの勤務先の種類

バール

イタリアなどでは「出勤前に一杯エスプレッソを飲んでから会社へ」という習慣がありますが、日本ではまだそういった習慣はあまり見られません。

そのため、日本のバールでは、早朝から開店している場所はあまり多くないようです。

バールで働くバリスタは、エスプレッソマシンなどを用いて、エスプレッソ・カプチーノ・サイフォンなどさまざまなコーヒーを作ります。

そのほか、酒類も扱うため、その提供も行います。

バールはあまり広くなく、立ち飲みのスタイルが多いため、素早く、かつクオリティも意識した提供をしなければなりません。

お客さまとの距離感も近く、上質な接客が求められます。

カフェ・レストラン

カフェやレストランでも、バリスタの資格やスキルを持つ人が活躍できる場が増えています。

とくにエスプレッソやこだわりのコーヒーをウリにしている店では、バリスタの大会で入賞経験があるなど、有名なバリスタが活躍しているケースも見られます。

店舗によって個性はさまざまですが、バールと同様にコーヒーに対する深い知識と抽出技術、接客技術が同時に求められます。

独立・開業

バールやカフェなどで修行を積んでいるバリスタの中には「いずれは独立・開業したい!」という夢を持っている人も多いようです。

店のオーナー兼バリスタとして働く場合、経営者としての側面を持つため、自分で経営方針や店のコンセプト、メニュー構成などまで考えていくことができます。

雇われて働くよりも、仕事の幅はさらに広がります。

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バリスタの仕事の流れ

バリスタが店舗へ来店されたお客さまからエスプレッソの注文を受けた場合、エスプレッソマシンを使い、決められた方法で速やかに抽出を進めていきます。

正しい味のエスプレッソが出せるように、営業前には必ずエスプレッソマシンの調整やメンテナンスを行っておきます。

カプチーノやカフェラテといった、エスプレッソにミルクをあわせたドリンクの注文が入ることも多く、知識や技術を駆使しながらドリンクを完成させます。

一杯ごとに味のブレが出てはいけないため、日頃から練習をして、質の高いものを安定して提供できるように努めます。

お客さまへの提供はサービス専門のスタッフが行うこともあれば、バリスタ自らがそこまで担当することもあります。

バリスタの役割

質の高いエスプレッソやドリンクを提供する

バリスタは、バールやカフェ全体のホスピタリティを担うプロフェッショナルです。

言葉の響きの良さやイメージアップ等の観点から、大手チェーン店を代表とするコーヒーショップの店員も「バリスタ」と呼ばれることがありますが、本来バリスタはイタリア語でいう「bar(バール)」で給仕する人のことを意味します。

バリスタがいる店では、多くの場合、おいしいエスプレッソを淹れることに最大のこだわりがあります。

ただし日本では、イタリアほどエスプレッソを飲む習慣が根付いていないこともあり、「おいしい食事ができる」「オリジナリティあるドリンクが飲める」といった特徴が、お店を繁盛させる重要な要素にもなります。

こういったメニュー開発は、お客さまを飽きさせないためにバリスタに課せられた役割のひとつです。

そしてトップバリスタは、注文いただいたメニューをただそのまま作り上げるのではなく、その日のお客さまの様子や雰囲気を察しながら、最も喜ばれる味を提供するように心がけていきます。

バールの文化を日本で広めていく

トップバリスタの多くがイタリアでの修業を経験しており、現地で感じたバールの文化を日本にも広めたいと考えています。

日本では、まだまだエスプレッソに対して、「量が少なくて苦いだけ」「カフェインが多い」など、間違った捉え方をしている人も少なくありません。

また、本来の「バール」のスタイルで営業している店も、本場イタリアに比べればずっと少ないです。

一方、イタリアには16万件ほどのバールがあるといわれており、庶民が気軽に集える社交場として日常に溶け込んでいます。

そういったバールの魅力を日本に伝え、バールやバリスタについて正しい知識を伝え広めていくことも、バリスタの役割だといえるでしょう。

エスプレッソのイタリア式とシアトル式の違い

エスプレッソとは?

「espresso(エスプレッソ)」とは、「express(エクスプレス)」のイタリア語です。

「急行・急速」といった意味を持ち、1杯8g程度のコーヒー豆を使って、20〜30秒間の短時間で25cc程度を抽出したコーヒーのことをいいます。

日本で一般的によく飲まれるコーヒーの場合、同じ8g程度の豆を使って150cc程度を抽出するものが多いため、味わいはまったく異なるのが特徴です。

日本では、エスプレッソに対して「量は少ないし苦くておいしくない」といったイメージを抱いている人もいますが、コーヒーのうまみ、アロマを凝縮してしぼりだしたものこそがエスプレッソなのです。

カプチーノやカフェラテなど馴染みのある飲み物も、全てこのエスプレッソを基本に、ミルクを合わせるなどをして作られていきます。

イタリア式のエスプレッソ

イタリアでは、ほとんどの人が毎日、しかも1日に何杯ものエスプレッソを飲むといいます。彼らがエスプレッソを飲む場が「バール」。イタリア全土にバールは約16万軒もあるといわれ、イタリア人はそこに外食費の3分の1を投じているそうです。

朝起きてから、仕事の合間に、夜のひとときに…人々はそこに集い、会話を楽しみながらエスプレッソを飲んで帰ります。イタリアのバールには「バンコ」と呼ばれるカウンターがあり、立ち飲みができることも特徴です。

それほど人々に親しまれているバールだからこそ、そこでエスプレッソを淹れるバリスタも、イタリア人には非常に馴染みある存在です。

そして、本場のバリスタは接客のプロです。エスプレッソマシンを使いこなして抽出を行うばかりではなく、店全体の様子に気を配り、最高の接客技術で人々を楽しませます。

シアトル式のエスプレッソ

アメリカ・シアトルも、エスプレッソが深く親しまれている場所として有名です。こちらではストレートで飲むエスプレッソよりも、カプチーノやカフェラテを飲む人が多いようです。

ミルクと合わせることを考えて、イタリアのエスプレッソよりも、より濃い目に抽出できる深煎りの豆が使われます。

日本に進出した「スターバックス・コーヒー」や「タリーズ・コーヒー」などは、まさにシアトル系のコーヒー店です。

イタリアにもラテアートはありますが、ラテを飲む人が多いシアトルでは特に、斬新で個性的なラテアートが多数見られるようです。

店にもよりますが、イタリアのバールとは異なるのは基本的にアルコール類を提供しないこと。またセルフサービスの面が強いことが多いため、イタリアよりは接客に力を入れていない店が多いようです。

バリスタのラテアート

ラテアートとは、エスプレッソの表面に細かく泡立てたミルクを注ぎ、時にその他の用具を用いながら模様や絵を描く技術のことをいいます。

ラテアートの発祥は、エスプレッソの本場でもあるイタリア・ミラノ。

1980年代にバリスタがエスプレッソにミルクを使ってハートの絵を描いたことをきっかけに、そのスタイルがアメリカへと伝わり、そこから世界中へ広まっていったといわれています。

ラテアートには、大きく分けて以下の2種類が存在します。

フリーポア(free pour)

ミルクピッチャーからエスプレッソにミルクを注ぎ、その流れを操って絵を描く方法です。

ハートやリーフ(葉)、バラ飾りの絵がよく描かれます。

デザインカプチーノ

ピック(つまようじなど)やパウダー、型、チョコソースなどを使用して模様を描く方法です。

動物やアニメのキャラクター、文字など、フリーポアに比べて多彩な絵を描くことができます。

上記が一般的なラテアートの種類ですが、このほかミルクの泡を立体的に用いる3Dラテアートのような技術が用いられることもあります。

バリスタとラテアートの関係

本来、バリスタはバールやカフェなどでエスプレッソを中心としたドリンクを提供する人のことを意味し、ラテアートが必須の技術というわけではありません。

しかし、日本ではラテアートが一時期ブームとなり、個性的で斬新なラテアートをウリにしたカフェも増えています。そうした技術を身につけることで、バリスタとしての活躍の幅が広がる一面はあるでしょう。

とくにシアトル式のエスプレッソを提供する店の場合、ミルクを合わせて飲むスタイルが一般的であることから、ラテアートが積極的に行われる場合が多いようです。

バリスタを養成する専門学校やスクールでは、ラテアートについて学べる講義が実施されていることもあります。

ラテアートの大会

バリスタの世界では、ラテアートの技術を競う大会も開かれています。

そのうち国際的な大会であり、最も歴史のあるものが「コーヒーフェストラテアート世界選手権」です。

2002年に第一回大会がシアトルで開催され、2013年10月シアトル大会まで33回を開催。予選を勝ち抜いた世界各国から参加する64名のバリスタが、1対1のトーナメント勝ち上がり方式で優勝に向けて技術を競います。

審査基準としては、外観の美しさ、明確さ、色の表現力、創造性と難易度、速さにの5項目となっており、良い評価を得るためには高度な技術力が求められます。

こうした大会で入賞すれば、バリスタとしての認知度は上がり、よりステップアップしていくことができるでしょう。

バリスタと関連した職業

バリスタとバーテンダーの違い

バリスタ発祥のイタリアでは、バリスタがメインで活躍できる場「バール」が街のあちこちに存在しています。

もともとバールはカフェと酒場が合わさったような形態の店であり、人々の憩いの場として、昼間はカフェをメインに、夜はアルコールを中心に提供します。

そのようなバールで働く人が「バリスタ」と呼ばれるわけですが、日本で最も近しい要素を持つ職業としては「バーテンダー」が挙げられます。

バーテンダーは、お酒を提供する店「バー」で働き、カクテルや洋酒を中心とするさまざまなアルコール類を提供します。

なお、イタリア語の「バール」を英語で読み替えたものが「バー」となるため、この2つの言葉は、もともとほぼ同じ意味だといえます。

バリスタとバーテンダーは、どちらもバールやバーでカウンターの中に立って仕事をするスタイルで、ドリンク作りをすると同時に、お客さまとも会話をして心地よい店の雰囲気を作り上げます。

どちらもなるために資格は求められませんが、ドリンク作りやサービスの確かな知識や技術が重要となります。

両者の違いとしては、バリスタがおもにエスプレッソに関連するドリンクの専門的な知識・技術を備えているのに対し、バーテンダーはアルコールに関する知識・技術が豊富だということです。

バーテンダーの仕事