「本」に関わる仕事の種類(16選)
小説やビジネス書、参考書、コミック、雑誌など、本の種類はじつにさまざまですが、それらは誰かのアイデアから生み出され、たくさんの人の手を介して形となり、人々の手元に届きます。
このページでは、子どもから大人まで多くの人を楽しませてくれる「本」に関わる職業・仕事の種類について紹介します。
本を書く職業・仕事
本に関わるさまざまな職業・仕事のなかで、まずは作家として作品づくりに携わるものを紹介していきます。
「小説家」は、物語を創作し、小説として世に発表していく人のことをいいます。
小説家が書く物語のジャンルは純文学、推理小説、SF小説、歴史小説、ライトノベルなど人によってまちまちで、デビューした小説家は連載や単行本の出版などを継続して行っていきます。
「エッセイスト」は、形式にとらわれず、読みやすく理解しやすい文章で書かれた「エッセイ」というジャンルの文章を書く人のことをいいます。
エッセイストは、自身が体験したことや得た知識をもとに、想いや考えを文章にして発表していきます。
続いて、本のなかでも絵本を書いていくのが「絵本作家」です。
ストーリーと絵の両方を一人で手掛ける人もいれば、分業しながら制作を進めていく人もいます。
このほか「ライター」として、取材や資料の収集をし、雑誌、書籍、Web、フリーペーパーなどに掲載される記事を書く人もいます。
ライターが書く文章のジャンルや内容は、媒体の特性や種類によって多種多様です。
似た仕事に「コピーライター」がありますが、こちらは主に広告のキャッチコピーを考える職業です。
本の宣伝広告に関連するキャッチコピーをつけたり、コピーライター自身が本を出版したりすることもあります。
小説家
小説家とは、物語を創作し、小説として発表をする人のことをいいます。
小説家が書く本のジャンルは純文学、推理小説、SF小説、歴史小説、ライトノベルなど多種多様で、人によって得意分野が異なります。
ひとつの作品を完成させるためには、ストーリーなどのアイデアを基に、取材をしたり資料を集めたりして構成を練り、編集者とも相談をしながら執筆を進めます。
手掛けた作品は、単行本の出版や新聞・雑誌などで連載されるのが一般的です。
小説家として名が知られてくると、サイン会やテレビ・雑誌のインタビュー、コラムやエッセイの執筆、文学賞の選考委員、講演会などさまざまな仕事に関わっていくこともあります。
エッセイスト(随筆家)
エッセイスト(随筆家)は、筆者が体験したことや得た知識をもとに、想いや考えを文章にした「エッセイ」を書く人のことをいいます。
エッセイは、文学の中では「散文」の手法にあたり、形式にとらわれず、読みやすく理解しやすい普通の文章で書かれているのが特徴です。
エッセイストになるための資格などはなく、コンテストに入賞してデビューすることがこの仕事に就くための代表的なルートです。
タレントなど別の活動をしている人が副業としてエッセイを書くケースもよくあります。
絵本作家
絵本作家は、物語のストーリーを考え、絵を描き、絵本を制作する仕事です。
ストーリーと絵の両方を一人でする作家もいれば、それぞれを分業して作っていく作家もいます。
通常、絵本作家になるにはコンクールでの入賞や、出版社に持ち込んで評価してもらうなどの方法をとらなくてはならず、有名になれるのは一握りの人といえます。
そのため、この仕事を専業としている人は決して多くなく、多くの絵本作家はイラストレーターや作家などと兼業で、絵本作りに関わっています。
ライター
ライターは、主に編集者から依頼を受け、雑誌、書籍、Web、フリーペーパーなどに掲載される記事を書く仕事です。
ライターが書く文章のジャンルや内容は媒体の特性や種類によって多種多様なものとなりますが、取材や資料の収集をして、テーマやコンセプトに合う記事を執筆することが特徴です。
著名人などから依頼を受け、本人に代わって代筆するゴーストライティングの仕事をする人もいます。
美容関連、スポーツ関連、経済関連など得意分野を持っていると、自身の強みを生かした仕事がしやすくなります。
コピーライター
コピーライターは、主に商品や企業の広告に使用するキャッチコピーを考える仕事です。
広告媒体はテレビ・ラジオ・雑誌・ポスター・インターネットなど多岐に渡りますが、広告によって何を伝えたいのかを明確にしたうえで、人々の印象に残り、実際に行動を起こさせる文言(コピー)を書き上げます。
コピーライターが本に関わる場合、有名になると自身で本を出版するような人もいますし、新刊発売の際に本を宣伝するためのポスターなどのキャッチコピー作りに関わることもあります。
本の制作に関わる職業・仕事
本の制作に関わる職業・仕事もたくさんあります。
「編集者」は、作家にとって、力を合わせて本作りに関わっていく最も身近なパートナーといえるでしょう。
担当の作家を持った編集者は、原稿のチェックや進行管理に携わるほか、作家が執筆に煮詰まったときには話を聞いたり、アイデアを出したりしながら相談役になるようなこともあります。
こうして本の内容ができあがっていくと「校正者」が活躍します。
校正とは印刷物の原稿と、ゲラと呼ばれる校正刷りを照らし合わせて間違いや修正する箇所はないかを確認する作業で、校正者は本の完成度を高めていくために不可欠な存在です。
このような仕事に携わる人は「出版社社員」として働いていることが多いです。
出版社では本などの企画や編集を行うほか、営業や広告宣伝などの仕事も手掛けており、そこには総務や経理といった会社を裏方として支える仕事も含め、さまざまな職種で活躍している人がいます。
レイアウトされた文章やイラストを印刷し、本の形に完成させていくのが「印刷会社社員」です。
パソコンを使ってレイアウトされたデータは製版という工程を経て、指定された紙とインクを用い、印刷工場の機械を使って印刷されます。
印刷会社では、営業や製版、製本、品質管理など、さまざまな職種に就いている人が活躍しています。
編集者
編集者とは、書籍ができあがるまでの一連の作業に携わる人のことをいいます。
勤務先や担当案件によって仕事の範囲は多少変わりますが、業務内容としては、企画出しや予算どり、取材、記事の執筆・編集、原稿チェックなどが挙げられます。
文芸部門などで作家を担当した場合、本を完成させるために作家と力を合わせて活躍します。
作家との打ち合わせや資料集め、原稿確認などのほか、作家が執筆に煮詰まっているときにはよき相談役になることもあります。
校正者
校正者は、印刷物の原稿と、ゲラと呼ばれる校正刷りを照らし合わせて、間違いや修正する箇所はないかを確認する仕事です。
誤字脱字はもちろんのこと、読み手にとって不快な印象を与える表現がないかや、わかりにくかったり整合性がとれていなかったりする箇所がないかなども細かく確認し、担当の編集者に伝えます。
直すべきところが見つかると、初校、再校、三校と校正刷りが繰り返し出力され、間違いや訂正箇所がなくなる「校了」となるまで校正を繰り返します。
出版社社員
出版社社員とは、書籍、雑誌、漫画などを企画・編集する出版社に勤める人のことをいいます。
全国誌を制作する誰もが知っているような大手出版社から、地方誌や専門誌を作る中小の出版社など規模はさまざまで、勤務先によって扱う出版物の種類や内容は異なります。
一般的な出版社には、大きく分けて制作・営業・管理の3つの部門が存在し、本を作ることはもちろん、作った本を世の中に広めていくための書店への営業や広告宣伝などの仕事も手掛けています。
さらに、会社を裏方として支える人も含めて、多種多様な職種の社員が活躍しています。
印刷会社社員
印刷会社社員とは、印刷物の企画や制作を行う会社に勤める人のことをいいます。
パソコンを使ってレイアウトされた本のデータは「製版」という工程を経て、指定された紙とインクを用い、印刷工場の機械を使って印刷されます。
印刷会社では、印刷工程に関わる仕事のほか、企画や営業、品質管理、総務などさまざまな職種に就く人が活躍しています。
また、本だけではなく、チラシやポスター、商品のパッケージなどまで、多種多様な印刷物を扱う印刷会社もあります。
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本のデザインに関わる仕事
本を作る際には、ページのレイアウトを行ったり、本の表紙などを作成したりする工程も必要です。
ここでは、本のデザインに関わる仕事を紹介します。
「エディトリアルデザイナー」は、ページ数の多い本の編集やデザインを行う仕事です。
編集者やアートディレクターなどの指示を受けて、美しさだけではなく、読者にとっての読みやすさ、理解しやすさまで考慮しながら、バランスよく誌面のデザインを行います。
「ブックデザイナー(装丁家)」は、ブックカバーや表紙、扉、帯など、本の外観をデザインする仕事です。
美しい装丁や、本の世界観を上手に表現している装丁は、それだけでもたくさんの人を惹きつけます。
「イラストレーター」は、本に載せられるイラストや挿絵などを描く仕事です。
依頼主の希望をヒアリングし、本の世界観やコンセプトに合うイラストを描き上げていきます。
エディトリアルデザイナー
エディトリアルデザイナーは、雑誌や書籍を中心に、ページ数の多い印刷物のデザインを行う仕事です。
編集者やアートディレクターなどの指示を受けて、どのようなテイストや配色、フォントを使うか、写真やイラストの配置はどうするかなどを細かく考えながらデザインを進めます。
美しさだけではなく、読者にとっての読みやすさ、理解しやすさまで考慮しながら、バランスよく誌面のデザインを行うことが求められる仕事です。
ブックデザイナー(装丁家)
ブックデザイナー(装丁家)は、ブックカバーや表紙、扉、帯など、本の外観をデザインする仕事です。
たくさんの新刊が書店に並べられているなかで、多くの人々の目に留まり、手にとってもらう本を作り上げるには装丁に力を入れることが欠かせません。
表紙やデザインの良し悪しによって本の売れ行きが左右されることもあるため、読者の目を引くような印象深いデザインを作り上げることはもちろん、本の世界観を上手に表現する力が求められてきます。
イラストレーター
イラストレーターは、依頼主の要望に応じて本に掲載されるイラストを描く仕事です。
イラストレーターが描く絵は、本文中に使われる小さな挿絵や、本の表紙に使われるものなどさまざまで、イラストレーター個人の表現力やセンスが強く問われる仕事です。
求められる絵を確実に描く力を身につけることに加え、オリジナリティある絵が描ける人も活躍しやすい職業です。
本の流通や販売に関わる仕事
いよいよ本が完成すると、その本は決められた流通ルートをたどって人々の手元へ届きます。
その流通を担うのが「出版取次」という存在です。
出版取次は、出版社が発行した本を仕入れて書店へ送り届ける機能を持ち、そこで発生する代金の請求や回収なども行います。
また、出版に関連する情報を日本全国のたくさんの書店へまとめて伝えていく役割も担っています。
そして、書店で本の販売に携わるのが「書店員」です。
書店員は、完成した新しい本にたくさん触れることができ、また読者と直接会うことができる仕事でもあります。
レジや接客に加え、売り場づくりや返品作業、商品管理などまで幅広く携わっていきます。
その他の本に関わる仕事
ここまでは、本の制作・流通・販売に関わるさまざまな仕事を見てきましたが、それ以外にも本と関わる仕事があります。
その一つである「司書」は、図書館に所蔵されている本を管理し、図書館の各種サービスを担当する仕事です。
具体的には貸出・返却業務と、リファレンスサービスといって、調べものや探しもので困っている人に資料や情報を提供する業務を担当します。
図書館の利用者が快適に本に親しめるサービスを提供するのが、司書の役割です。
「翻訳者(翻訳家)」は、外国語の文章を日本語に訳す仕事です。
翻訳者(翻訳家)にもさまざまな分野で活躍する人がいますが、小説やノンフィクションなどの文芸作品を翻訳する仕事は「文芸翻訳」と呼ばれます。
文芸翻訳では、作者が言おうとしていることを汲み取る力や、高いレベルでの外国語のスキルが求められる仕事です。
司書
司書は、図書館に所蔵されている本を管理し、図書館の各種サービスを担当する仕事です。
具体的な仕事内容は、カウンターでの貸出・返却業務と、本の資料や情報を提供するレファレンスサービスとなりますが、このほかにも利用者手続きや電話やメールでの問い合わせ対応、展示コーナーの設置、イベント企画なども行います。
街にある公立の図書館をはじめ、小中高の学校の図書室や大学の図書館などまで、さまざまな図書館で活躍することができる仕事です。
翻訳者
翻訳者(翻訳家)は、外国語の文章を日本語に訳す仕事です。
さまざまな分野で活躍する翻訳者(翻訳家)がいますが、小説やノンフィクションなどの文芸作品を翻訳する仕事は「文芸翻訳」と呼ばれます。
英語を中心に、自身が専門とする外国語についての高い能力が必要で、とくに読み書きのスキルが重視されます。
翻訳者(翻訳家)の多くがフリーランスとして働いており、個人の実力や実績によって収入も左右されやすい仕事といえます。
この記事のまとめ
ここで紹介してきたように、「本」に関わる職業や仕事はたくさんあります。
それぞれ仕事内容はもちろん、働く場所や役割も大きく異なってきます。
将来、何かしらの形で本と関わっていきたいと考えている人は、どのような場面で本に関わりたいのかをじっくりと考えて、自分に合う職業を見つけてみてください。
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