航空整備士の現状と将来性

若手整備士の採用、育成が課題に

大手エアラインでは、昭和40年代ごろから50年代にかけてジャンボジェットが急速に普及するのに伴い、大量に航空整備士の採用を行っていた時代がありました。

しかし、その時期に採用された現役整備士たちは、定年退職間近のベテランとなっています。いわゆる「団塊の世代」である整備士たちが大量に退職するのに伴い、各社では若手整備士の育成が急務となっています。

航空業界の変化とによる整備士の需要増

さらに、近年の航空業界における変化も、多くの整備士が必要な状況を生み出しています。たとえば、羽田空港の再拡張や成田空港滑走路の延伸により、航空機の発着数は増加しています。

また、ジャンボジェットからあえて小型化することで発着回数を増やす傾向や、「LCC」など新たな航空会社の参入により、必然的に整備士の数も求められるようになっています。

しかし、航空整備士は専門知識や技術が必要な仕事である分、各社では教育にかかるコストや時間が、ひとつの懸念事項となっていました。

そこで近年、航空専門学校の一部では、それまでの「二等航空整備士」や「二等航空運航整備士」より上級の「一等航空運航整備士」の資格がとれるコースも誕生しています。

これは、学生が就職後すぐにライン部門で活躍できる一方、企業にとってもコストと時間をかけずに即戦力となってもらえる人材を確保できるため、お互いにとってメリットがあるといえます。

航空整備士の今後

このように航空整備士の需要は確実にあるものの、数年前のJAL経営破綻が示しているように、航空業界としては依然厳しい状況です。

航空整備士になるにはいくつものルートがありますが、学生のうちにしっかりと勉強を行い、できるだけ早くから力になれる人材を採用したいという企業の意向は、ますます強くなってくるものと考えられます。

さらに、近年は航空機の部品が精密化すると共に、新たな整備技術の導入が盛んに行われています。今後はそのような最先端の技術を身につけ、いち早く対応できる人材が、どの現場でも求められていくでしょう。