運転手になるには? 必要な資格・免許の種類は?
運転手になるには免許が必要
運転手として働くためには、乗用車を運転するのと同様に運転免許が必要です。
バス、タクシー、トラック、どの運転手を目指すかによって、またどのような大きさや種類の車を運転するかによって、求められる免許の種類が異なります。
運転手が働く企業の採用条件として「高卒以上(場合によっては大学以上)」としている会社もありますが、基本的に運転手の仕事では学歴はさほど重視されず、熱意や体力のほうが求められます。
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バス運転手になるには
バスを運転するには大型第二種自動車運転免許が必要です。
この免許を取得するための条件として、普通自動車運転免許か大型一種自動車運転免許、もしくは大型特殊自動車免許を取得し、通算3年以上の期間が経っていることが求められます。
受験資格自体はそこまでハードルが高くありませんが、試験科目は「適性試験(視力、色彩能力、深視力、聴力、運動能力)」「学科試験」「技能試験」の3種類で、合格率はわずか10%程度です。
バスは多くの乗客の命を預かるとことから、採点基準はかなり厳しく、一回目の試験で合格する可能性は極めて低いといわれています。
バス運転手を目指す人の主な就職先は全国の路線バス会社や観光バス会社です。
入社後は、運行する路線の停留所や地理の勉強やアナウンスの練習、さらに実技訓練やお客さまをきちんと迎えるためのマナー研修を受けたのちに、運転手としてデビューします。
大型二種運転免許は就職後に取得可能な会社も多いですが、就職・転職の条件として普通免許の所持は必須としている場合が多いようです。
タクシー運転手になるには
タクシーを運転するには、普通自動車第二種運転免許が必要です。
この免許は、タクシーなどの旅客用自動車に、お客さまを乗せて運ぶ目的で運転する場合に、必ず求められるものです。
就職先はタクシー会社です。
各社では第一種普通運転免許を所持している人を優先的に採用し、養成訓練を行うことが多いようです。
この免許は21歳以上で、大型自動車免許・普通自動車第一種免許・大型特殊免許のいずれかの免許を取得してからの期間が3年以上経っていれば、試験を受験することができます。
他人の命を預かる仕事のため、一般的な第一種免許と異なり、視力は両目0.8以上片目0.5以上(第一種免許は両目0.7以上、片目0.3以上)と厳しくなっています。
さらに、学科試験と技能試験に合格した後には、応急救護処置講習と旅客者講習という講習を受けなくてはなりません。
なお、東京、大阪、神奈川(横浜市、川崎市、横須賀市および三浦市)のタクシー会社で働く場合は、「タクシーセンター」と言われる場所で講習を受け、地理試験に合格する必要があります。
タクシー会社に入ってからは、マナー研修や無線の使い方など必要な教習を受け、訓練を繰り返したのちにデビューとなります。
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トラック運転手になるには
トラック運転手として働くには、まず物流会社や運送会社に就職するのが一般的です。
大型トラックの運転は特別な技術を必要とされるため、経験者を優先的に採用する傾向が強いようです。
採用条件としても「大型の運転経験1年以上もしくは大型免許取得後1年以上」といった条件がある場合も少なくありません。
しかし、中には現場未経験者を積極的に採用する会社もあります。
大型免許を取得した上で、まず2トントラックの運転からスタートし、経験を積んでいくにつれて4トン、10トンとステップアップする流れが一般的です。
中型自動車免許
車両総重量5トン以上11トン未満、最大積載量3トン以上6.5トン未満の中型自動車を運転する際に必要な免許です。
取得には、普通車免許か大型特殊免許の取得から2年以上経過していることが条件となります。
大型自動車免許
トラックやダンプカー、タンクローリーなど車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上の大型自動車を運転する際に必要となります。
取得には、普通車免許、中型免許、大型特殊免許のいずれかを取って3年以上経過していることが条件となります。
けん引免許
車両総重量750キロを超えるトレーラーや、台車に乗せた荷物を車両に連結して移動させる際に必要な免許です。
トレーラーなどを運転する場合には、これに加えて大型免許の取得も必要となります。
運搬に必要な資格
タンクローリーの中身によっては、さらに別の資格が求められます。
たとえば、ガソリンや軽油等を運ぶ場合は「危険物取扱者免許」、毒物を運ぶ場合は「毒物劇物取扱責任者免許」、高圧ガスを運ぶ場合は「高圧ガス移動監視者講習」の修了もしくは「高圧ガス製造保安責任者免状」が必要となるなど、細かな規定があります。
専属運転手になるには
専属運転手になるにはいくつかの方法があります。
まずは運転手を募集している企業に就職することです。
大企業の場合は運転手の仕事のみを行いますが、小さな企業や運転手としての仕事が少ない場合は、秘書やマネージャーとして採用される場合もあり、ときには全く違う部署から人事異動で運転手になることもあります。
そのほかの方法としては、知り合いの紹介などコネクションによるものがあります。
送迎する人が重要な人物であればあるほど、運転手には経験や能力が求められるため、採用する側にとっても知人や親類など信頼がおける人を採用したいと考えています。