独学でセラピストになれる? どんな勉強が必要?
セラピストを独学で目指す人はいる?
セラピストとして働くうえで、必ず通わなくてはならない学校・スクールや、取得しなくてはならない資格はありません。
そのため、現在第一線で働いているセラピストも、人によってさまざまな勉強の仕方をしていますし、独学でセラピストになることも可能です。
ただし、ひとことで「セラピスト」といっても、さまざまな種類のセラピストがいます。
そのなかでも、リハビリテーション系のセラピスト(「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」)は国家資格の取得が必要となるため、養成校で学ばなくてはなりません。
一方、これ以外の一般的なボディ系、メンタル系、エネルギー系セラピストであれば、独学でも十分に知識・スキルを身につけていくことができます。
セラピストになるためのさまざまな情報は、ウェブサイトや書籍などから得ることができますが、どのような種類のセラピストを目指すとしても、奥深い世界を探求しなくてはなりません。
一流を目指すのは簡単ではなく、働きながらも常に学び続ける必要があるといえます。
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セラピストになるためには何を勉強すればいい?
セラピストになるために勉強することはたくさんありますが、その内容は大きく「理論」と「実技」に分けることができます。
ここでは、セラピストに必要な勉強内容について見ていきましょう。
理論
セラピストになるために、必ず学ばなくてはならないのが「人体」に関する内容です。
「解剖生理学」といわれる分野になりますが、人体の骨格や筋肉、内分泌系、神経系など人の身体のしくみを学ぶことは、身体に深くかかわっていくセラピストにとっては必須です。
これをベースに、「栄養学」や「化粧品学」といった理論を学ぶこともあります。
そして、アロマテラピーやリンパドレナージュといった、セラピストの代表的な施術についての理論を学んでいきます。
セラピストといっても、人によって得意分野や専門分野はさまざまです。
もしアロマセラピストになりたいのであればアロマのより詳しい知識が必要になりますし、ハーブ、色の持つ力、あるいは自然療法など、目指すセラピストの姿に応じて、それに関連する理論をより専門的に学ぶことになるでしょう。
実技
セラピストの施術は「手技」によるものも多く、その代表例がボディやフェイシャルのマッサージです。
マッサージといっても、プロとして本当に心地よいものを提供するには、骨格を理解して筋肉の状態を見極める力、リンパの流れなど、さまざまな知識が必要になります。
そうした知識を身につけたうえで、実際によいマッサージを実践できるスキルを磨いていきます。
また、アロマやストーンなど、施術に使う用具の準備の仕方や使用方法、無理なく手技を続けるための姿勢などについても学んでおくことが重要です。
ホスピタリティの勉強も忘れずに
セラピストとしての知識や技術を身につけても、それで完璧ではありません。
セラピストは人々に「癒し」を提供する存在であり、高いホスピタリティ精神が問われる仕事です。
お客さまへの気配りや快適な空間づくり、接客マナー、会話術などを学び、「どうすればお客さまが気分よく過ごしていただけるか」「心身ともにリラックスしていただけるか」といったことを勉強し続ける必要があります。
ホスピタリティについては、テキストを使った勉強だけではなく、経験を通じて学ぶこともたくさんあるはずです。
よりレベルの高いセラピストになるために、自分で考えて、行動していくことが大切です。
独学のメリット・デメリット
知識面の問題点
研修やスクール、通信講座などには頼らずにセラピストの勉強をすることは、何よりも自分のペースで勉強できるという大きなメリットがあります。
社会人として仕事をしながらセラピストの勉強をしたい人には適していますし、できるだけお金をかけたくない人でもセラピストになれるチャンスがあります。
一方、いくつかデメリットといえる面もあります。
まず知識に関しては、自分一人で何を学ぶ必要があるのか情報収集しなくてはならず、さらに効率的な勉強方法や学習内容について相談する相手がいないという点が挙げられます。
スクールに通うのであれば講師にすぐ質問できることも、独学の場合は教材となる書籍を選ぶのも自分です。
場合によっては、ちょうどいい教材に出くわすまでに費用や時間がかかってしまったり、深い内容のものがなかなか見つからなかったりする可能性もあります。
その場合は、よく考えて作られた通信講座を利用することを視野に入れてもいいのかもしれません。
技術面の問題点
次に問題になるのが技術面です。
セラピストは、実際にお客さまに対して施術ができなくてはなりません。
研修やスクールであれば、指導者や仲間同士で実技の訓練をすることができますが、独学ではその相手を自ら探さなければなりません。
また相手を見つけたとしても、相手が専門家でなければ、その実技が有効かどうかの判断はなかなかできません。
技術面に関しては、知識面以上に独学でつまづいてしまう人もいるようです。
また、セラピストの種類によっては、必要な備品をすべて個人でそろえなければならないということも考えられます。
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独学で成功するコツは?
以上のような問題点はあるものの、それでも独学でセラピストになり、継続して働いている人もたくさんいます。
一概にはいえませんが、独学でセラピストを目指すのであれば、自分で受け手(お客さま)の立場を積極的に経験してみることで、セラピストとして何が大切なのか、何をされるとうれしい、またはうれしくないのかなどを感じることが大事です。
また、すでにセラピストとして活躍している先輩、あるいはセラピストを必要とする人の話を聞いてみたりするなど、実際の現場を身近に感じることも重要だといえるでしょう。
そして、積極的に自ら情報を集め、業界に関連するセミナーや講習会などがあれば参加してみるとよいでしょう。
たとえ独学であっても、人との関わりを大切にすることで、セラピストとしての道は広がるはずです。