水泳選手のセカンドキャリア・引退後の生活
水泳選手の引退理由
大半は大学卒業と同時に現役引退
水泳選手は他の競技と比べ、競技年齢のピークが低いのが特徴です。
高校生、大学生でオリンピックに出場する選手がいる一方、大半の選手は大学卒業を機に現役生活も引退します。
大学を卒業しても競技生活を続けられるのは、オリンピックを目指す実力のある選手に限られます。
大学卒業と同時に現役を引退する選手には、スイミングスクールやクラブのコーチ、インストラクターなど水泳関係の仕事に就く人もいます。
しかし、多くの選手の引退後は、一般学生と同じように就職活動をして、それぞれの道への就職です。
選手としての実績が就職にも影響
オリンピックに出場したり、メダルを獲得した選手は、現役引退後も、水泳関係の仕事をしている人が多いです。
たとえば、スイミングクラブや大学、高校などのコーチとして誘われ、指導者になる道が挙げられます。
またメダリストとしての知名度を生かし、水泳の普及活動に携わったり、レポーターやタレントに転身した人もいます。
大学の研究者になったり、日本水泳連盟や日本オリンピック委員会の委員などとして国内外で活躍している人もいます。
20代で正社員への就職・転職
水泳選手の引退年齢
学生時代で引退せず、社会人になっても競技生活を続けた選手が、現役を引退するのは20代後半です。
オリンピックや世界選手権への出場、あるいは予選敗退をきっかけに引退するケースが多いです。
引退後も、社員として所属する企業に残る人も少なくありませんが、引退後の活動は、現役時代の成績で大きく変わってきます。
水泳選手のセカンドキャリア
柴田亜衣選手のケース
2004年アテネ五輪の女子800m自由形で金メダルを獲得した柴田亜衣さんは、その4年後の北京五輪出場後、26歳で現役を引退しました。
アテネ五輪の時は、鹿屋体育大学の学生でした。
北京五輪の時は、鹿屋体育大学の大学院に在籍しながら、スポーツ用品メーカーのデサントの社員でもありました。
現役引退後は、大学院を修了すると、デサントの社員として広報などを担当しました。
その後、会社を退職して、マネージメント会社に所属。
全国各地で水泳の楽しさなどを伝える普及活動に力を注いでます。
選手としての実績が就職にも影響
オリンピックに出場したり、メダルを獲得した選手は、現役引退後も、水泳関係の仕事をしている人が多いです。
たとえば、スイミングクラブや大学、高校などのコーチとして誘われ、指導者になる人もいます。
またメダリストとしての知名度を生かし、水泳の普及活動に携わったり、レポーターやタレントに転身した人もいます。
大学の研究者になったり、日本水泳連盟や日本オリンピック委員会の委員などとして国内外で活躍している人もいます。
結婚は現役引退後の話
水泳選手は、選手としてのピーク年齢が低く、10代の選手もトップ選手として活躍しています。
とくに2000年頃までは、トップ選手といえば、ほとんどが10代〜20代前半の選手たちでした。
そのため、結婚はもちろん、恋愛もそっちのけで練習と大会に明け暮れるのが当たり前とされていました。
水泳界に限った話ではないですが、高校や大学に在籍する選手にとって、恋愛や結婚は、少なくとも学校を卒業するか、現役引退後の話となっています。
競技生活に専念が当たり前
最近は、水泳界でも、社会人のトップ選手が増えています。
社会人になれば、自由になる時間も増えますし、交際範囲も広がります。
しかし、社会人選手のほとんどは、企業の社員選手です。
会社の仕事を免除され、競技活動に専念させてもらっています。
練習環境や多額の活動費を援助してもらっている以上、競技活動に専念するのが当たり前という考え方が根強いです。
社会人選手といっても、男女とも20代後半で引退する選手が多く、いまも結婚や出産は引退後という考え方が一般的です。
ましてや、女性の場合、出産となれば、1年以上は競技生活を休止する必要があります。
社員選手は、一般社員とは違いますから、産休を取るのは難しいです。
今後は結婚、出産が増えるかも
ただし、水泳界でも、現役の北島康介選手が2013年の31歳の誕生日に結婚して話題になりました。
また、シドニー五輪代表だった萩原智子さんが、現役引退して結婚後、再び第一線に復帰した例もあります。
さらに、30代半ばの稲田法子選手が、いったん引退後に復帰して第一線で活躍したことも。
今後、30代の選手が増えれば、結婚しても競技を続けたり、出産後、現役復帰する選手が出てくる可能性はあります。
陸上競技の女子マラソン選手でもそうでしたが、結婚や出産を経験した選手が活躍すれば、少しずつ、既婚選手やママさん選手が増えていくことになるのでしょう。
20代で正社員への就職・転職
水泳選手が引退前に準備しておくことは
北島康介さんは引退前の2009年に株式会社IMPRINTを創業。
また、2011年にスイミングスクール「KITAJIMAQUATICS」を設立するなど、現役時代から経営者としての活動をスタートさせていました。
人気・実力ともに申し分ない北島選手だからこそ歩めた道かもしれませんが、そうではない人にとっても大いに参考にすべき点はあります。
現役時代から、その後の人生を見据えた動きをしていたことや、自身が持っているものをいかに社会に還元し、仕事をしていくかを考えていた証です。
現役中は目の前のことに必死に取り組むのが大前提ですが、現役時代以上に長い、その後の人生のプランを考えるのは大切なことです。