水泳選手になるには

水泳選手になるまでの道のり

選手登録すれば水泳選手

水泳選手になるのに、特別な資格は必要ありません。

各都道府県の水泳連盟(協会)に選手登録をすれば、誰でも水泳選手となって各種の大会に参加できます。

スイミングスクールやクラブに所属したり、高校、大学の水泳部に所属して選手登録を続ければ、少なくとも大学を卒業するまで水泳選手でいることはできます。

標準記録のクリアで大会に出場

ただし大会に出場するには、大会ごとに設けられた標準記録をクリアしておく必要があります。

たとえば、2020年の全国JOCジュニアオリンピック夏季大会の標準記録は、12歳の長水路(一般に50mプール)の100m自由形で、男子は59.02秒、女子は1分01.16秒です。

100m平泳ぎが、男子は1分12.68秒、女子は1分16.12秒です。

2019年高校総体の100m自由形で、男子は52.85秒、女子が58.81秒。100m平泳ぎで、男子が1分04.75秒、女子が1分13.24秒です。

標準記録を突破していなければ、大会にエントリーできません。

もちろん大会のレベルはいろいろあるため、どの大会にも出られないわけではありません。

しかし、社会人になっても第一線の水泳選手として競技生活を続けようと思えば、遅くとも高校時代に高校総体や国体といった全国大会に出場しておきたいです。

水泳選手になるための学校

高校への進学

水泳選手は、高校進学で大きく3つのコースに分かれます。

1つは、高校に進学しても、高校の水泳部には入らず、スイミングスクールやクラブで競技生活を続けるコースです。

この場合、高校に水泳部がなくても構いませんが、高校総体など高校生の大会には出場できません。

2つめは、高校に進学して、高校の水泳部に入るものの、練習拠点は学校近くのスイミングスクールやクラブにするというコースです。

この場合、高校総体など高校生の大会に出場できますが、水泳の強豪校として知られていても、実際には室内プールをもたない学校があります。

そうした高校で生徒は、水泳部に在籍する一方、練習は近くのスイミングクラブなどで行っています。

3つめは、進学先の高校の水泳部にだけ入るというものです。

一年中泳げる室内プールをもち、指導者も充実している高校は人気があります。

水泳部に力を入れる強豪校には、スイミングスクールやクラブとの掛け持ちを禁じているところもあります。

「水泳の強豪高校」とか、「水泳の有名校」といっても、実態はさまざまです。

学校の特徴をよく調べ、進学先を選ぶことが重要になります。

大学への進学

高校卒業後も第一線で水泳を続ける選手は、たいてい水泳の有名大学へ進みます。

大学の水泳部としては、日大、早稲田大、日体大、中央大、法政大、明治大、東洋大、神奈川大、中京大、近畿大、鹿屋体育大あたりが有名です。

大学のプールで練習する選手もいれば、練習はスイミングスクールやクラブに通う選手もいます。

施設面や、誰に指導してもらうかによって変わってきます。

水泳選手に向いている人

水泳が好きかどうか

水泳選手に向いているかどうかは、まず、水泳が好きかどうかでしょう。

水泳選手は、トップ選手になればなるほど、1日のうちでも水中で過ごす時間が長くなります。

基本的に水の中にいることが好きでなければ、とても日々の練習に耐えられません。

競泳のトップクラスの選手になる人は、ほとんどが小学低学年までに水泳を始めます。

最初の頃はバタ足をしたり、水に顔をつけたり、潜ったりする程度ですが、そのころから楽しく練習に通えれば、まずは水泳選手に向いているといえるでしょう。

トップ選手になるために必要な「気持ち」

水泳に限らず、スポーツの世界でトップ選手になるかどうかは、「才能」と「努力」と「気持ち」が必要といわれています。

才能があっても努力しなければ才能は開花しませんし、才能があっても努力しても、気持ちが弱ければ、なかなか力を発揮できません。

一方、才能にあまり恵まれなくても、熱い気持ちで努力を重ねてトップ選手になった人も少なくありません。

選手としての実力は「才能×努力×気持ち」といわれます。

発明王のエジソンが「1%のひらめき(才能)と99%の努力」と言ったように、「才能×努力×気持ち」のなかでも大切なのが努力と気持ちです。

実際、小学高学年や中学生で好成績を収めたのに、努力をしなくなって普通の選手になっていく人も多くいます。

水泳選手の場合も、トップ選手になれるのは、少しの才能に恵まれ、熱く、強い気持ちで地道にコツコツと努力を続けられる人です。

水泳選手に向いている人・適性・必要な能力

水泳選手のキャリアプラン・キャリアパス

オリンピック代表レベルを狙う

社会人になっても、水泳選手として競技生活を続けたければ、オリンピック代表を狙えるレベルの記録をマークしておきたいです。

そうでなければ、企業などへの就職後も競技生活に専念することが難しいです。

2016年リオデジャネイロ五輪の金メダルタイムは、100m自由形で、男子がカイル・チャルマーズ(オーストラリア)の47.58秒、女子がシーモン・マニュエル(アメリカ)の52.70秒でした。

100m平泳ぎで、男子がアダム・ピーティ(イギリス)の57.13秒、女子がリリー・キング(アメリカ)の1分04.93秒でした。

2021年の東京オリンピックを目指すなら、リオデジャネイロ五輪の金メダルタイムに100mで1秒差内、200mで2秒差内には迫っておきたいです。

引退後の人生のほうが長い

水泳選手のキャリアは、社会人まで続けられた人でも20代後半で引退を迎えます。

その先の人生は、これまでの現役生活よりもはるかに長いです。

社員選手だった場合は、そのまま会社に残れることもありますが、選手である期間が終了したら契約満了となることも当然あります。

現役引退後を見据えて準備をしておくことはとても大切です。

北島康介さんの場合、引退前の2009年に株式会社IMPRINTを創業しました。

また、2011年にスイミングスクール「KITAJIMAQUATICS」を設立するなど、現役時代から経営者としての活動をスタートさせていました。

人気・実力ともに申し分ない北島選手だからこそ歩めた道かもしれませんが、そうではない人にとっても大いに参考にすべき点はあります。

現役時代から、その後の人生を見据えて動いていたことや、自身が持っているものをいかに社会に還元し、仕事をしていくかを考えていた証です。

現役中は目の前のことに必死に取り組むことが大前提ですが、現役時代以上に長い、その後の人生のプランを考えるのも大切なことです。

女性でも水泳選手になれる?

女性でも水泳選手になることはもちろん可能です。

ただし、結婚や出産に関しては引退後という考え方が一般的です。

女性の場合、出産となれば1年以上は競技生活を休止する必要があります。

仮に社会人まで協議を続け社員選手となっていた場合、一般社員とは違いますから産休を取るのは難しいです。

とはいえ、シドニー五輪代表だった萩原智子さんが、現役引退して結婚後、再び第一線に復帰したり、稲田法子選手も、いったん引退後に30代半ばに復帰して第一線で活躍した例はあります。

今後、30代の選手が増えれば結婚しても競技を続けたり、出産後、現役復帰する選手が出てくる可能性はあります。

陸上競技の女子マラソン選手でもそうでしたが、結婚や出産を経験した選手が活躍すれば、少しずつ、既婚選手やママさん選手が増えていくことになるのでしょう。

水泳選手を目指せる年齢は?

厳密にいえば水泳選手を目指すことに年齢的な制限はありません。

しかし、学生時代、遅くとも高校生のうちに結果を残していないと、大学進学や社会人として水泳を続けていくことは難しいと言えるでしょう。

トップレベルでやっている選手は、小さいころから水泳を習っていたケースが多いです。

北島康介さんは5歳で、池江璃花子選手は3歳10か月で水泳を始めました。

水になれるという意味でも、水泳を始める年齢は早いほうが良いでしょう。