【2023年版】診療情報管理士試験の合格率はどれくらい? 難易度についても解説
診療情報管理士を目指すにあたって、受験資格や合格率が気になる人もいるでしょう。
この記事では、診療情報管理士試験の難易度や合格率について紹介します。
診療情報管理士資格の必要性
病院内での情報管理の重要性が高まっている
現在、日本の医療現場は大きな変革期に差し掛かっています。
カルテ(患者の診療記録)は電子化され、特定の形式に基づいて作成されるようになりました。
その結果、多くの医療データが共有・連携できるようになり、診療報酬の請求以外にも、複数の医療機関での協力や施設内での総合的な管理など、以前は考えられなかった方法が可能になりました。
医療情報の公開や開示に関しても進歩があり、患者や家族が自分たちのカルテを開示することを積極的に要求するようになりました。
その結果、医療機関内での情報管理の重要性が急速に高まっています。
診療情報管理士の需要の増加
これに伴い、施設内で診療情報を管理する専門家である診療情報管理士の役割もますます重要になっています。
さらに、2000年の診療報酬改定により、「診療録管理体制加算」という新しい予算が導入されました。
これにより、全国の病院で診療情報管理士の需要が増加しました。
医療機関が診療録管理体制加算の基準を満たし、国から患者1人当たりに支給される一定の金額を受け取るためには、特定の要件を満たす医療機関内に、診療記録管理の専任者が1人以上在籍している必要があります。
「診療情報管理士」は、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会の四病院団体協議会と医療研修推進財団が共同で認定している資格です。
ただし、実際に診療情報管理士の業務を行う際には、必ずしもこの資格が必要というわけではありません。
最初は医療事務などの仕事から始めながら、診療情報の収集、管理、分析などの現場経験を積み重ね、将来的に診療情報管理士を目指すことも可能です。
ただし、診療情報管理士の仕事は専門性が求められる職種ですので、資格を取得することで業務に対する理解を深めることができます。
さらに、近年、医療機関では診療情報管理士の資格を持つ人を好んで採用する傾向があります。
そのため、診療情報管理士の資格は、この先医療機関で働きたい人にとって非常に有利なものといえます。
20代で正社員への就職・転職
診療情報管理士の受験資格
診療情報管理士の受験資格は、下記のいずれかとなっています。
- 日本病院会認定の大学または専門学校(3年制以上)において、指定の単位を習得していること
- 日本病院会認定の大学または専門学校で、所定の過程を修了していること
- 「診療情報管理課程通信教育」を修了していること
なお、3つめの通信教育を受講するためには、短大・専門学校卒以上の学歴が求められることがほとんどです。
例外として、病院勤務経験などがあると、高卒でも受講できることがあるようです。
通信講座を受講する際の詳細は、日本病院会 診療情報管理士 通信教育ホームページで確認できます。
参考:一般社団法人日本病院会 診療情報管理士通信教育
また2023年現在、認定試験の受験要件を満たす指定学校は、大学が18校、専門学校が42校存在します。
参考:日本病院会 診療情報管理士 受験指定校一覧
なお、診療方法管理士を取得するための受験資格に、年齢要件はありません。
そのため、所定の過程を修了し、必要な知識と技能を身につけていれば、何歳からでもチャレンジ出来る資格です。
診療情報管理士の難易度・勉強時間
専門性の高い試験
診療情報管理士の試験を受けるためには、専門学校や大学、または通信教育などで所定のカリキュラムを修了する必要があります。
通学の場合、2年制または3年制のカリキュラムが一般的です。
試験内容は専門的であり、短期間の勉強だけでは受験が難しいものです。
診療情報管理士認定試験は、医学や医療分野から統計学や保健医療情報分野まで、広範な知識が求められる試験です。
合格率を高めるためには、知識を効率的に学べる大学や専門学校などでの学習がよいでしょう。
なかには医療情報管理学科など、診療情報管理士になるための専門学科を設置している大学・短大もあります
診療情報管理士試験の合格基準は約6割
合格基準は全ての科目でおよそ60%以上の得点が必要ですが、試験問題の難易度は年ごとに調整され、受験者の得点率の平均に基づいて合格得点ラインが決まります。
そのため、ある科目で得点率が60%を下回っていても、他の科目で高得点を取ることで合格することもあります。
試験時期 毎年2月中旬ごろ(年1回)
会場 北海道から沖縄まで全国15会場
試験時間 1時間
試験内容 基礎分野+専門分野で100点満点のマークシート方式
基礎分野(医療概論、臨床医学総論、臨床医学各論など)
専門分野(医療管理総論、保健医療情報学、医療統計など)
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診療情報管理士の合格率は50%前後
近年の診療情報管理士の合格率は、50%前後となっている年が多いようです。
最新は2022年2月に実施された第15回試験ですが、結果は下記の通りとなっています。
- 受験者総数 2,625名
- 合格者数 1,750名
- 合格率 66.7%
参考:一般社団法人日本病院会 第15回診療情報管理士認定試験の結果について
診療情報管理士試験の合格率のまとめ
診療情報管理士試験は、指定された大学や専門学校で学ぶか、通信教育を受ける方法が一般的です。
「診療情報管理士を目指したい」という人は、知識を効率的に学べる大学や専門学校を探し、専門的な学びを深めていくのが近道といえます。