新聞記者の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説
新聞記者が務める新聞社の規模は多岐にわたり、その数だけ収入のあり方も変わってくるといえます。
本記事では、新聞記者の平均年収や初任給、収入の上げ方などを紹介します。
新聞記者の平均年収・給料の統計データ
新聞記者の給料、年収に関しては、大手と中堅、中小新聞社でかなり開きがあります。
新聞記者は一般のサラリーマンのように一日8時間労働といった形で決まった就業時間があるわけではなく、時間外労働が常態化しているため、記者の所属セクションによっても大きく異なります。
また、取材記者などの外勤記者か、校閲・紙面整理などの内勤記者かによっても給料に差がみられます。
新聞記者の平均年収・月収・ボーナス
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によれば、新聞記者の平均年収は42.3歳で572万円ほどとなっています。
・平均年齢: 42.3歳
・勤続年数: 11.8年
・労働時間/月: 160時間/月
・超過労働: 9時間/月
・月額給与: 402,400円
・年間賞与: 888,200円
・平均年収: 5,717,000円
出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
新聞記者の手取りの平均月収・年収・ボーナスは
厚生労働省の統計調査より、ボーナスが年間でおよそ2ヶ月分であることから、年収570万円の場合は月額総支給額は40~42万円、ボーナスは年間89万円ほど支給されていると考えられます。
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独身の場合、交通費などを除外して考えると月の手取り額は32万円ほどになると見込まれます。
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一般のサラリーマンの年収が平均460万円程度といわれているのに比べると、やや高いことがわかります。
ただしこれらはあくまで全体の平均で、地方の中小新聞社やあるいは業界専門新聞社の記者の場合は、大手新聞社の5割~6割程度といわれます。
新聞記者の初任給はどれくらい?
新卒で採用された場合、新聞記者職は20万円から25万円が相場のようです。
大手の新聞社になると基本給が高くなる傾向にあります。
朝日新聞の場合、職種別で公開はしていませんが、東京勤務の大卒初任給は月給348,013円、地方勤務記者の大卒初任給は月給325,013円で、このほかに時間外手当が支給されます。(2024年4月実績)
共同通信社の場合、一般記者・英文記者・技術職員ともに新卒の場合の月給は303,600円(手当47,900込み)です。(2023年度実績)
新聞記者の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)
新聞記者の年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、55~59歳の806万円です。
全年代の平均年収は572万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「著述家、記者、編集者」で編集者など他職業を含むデータです。
新聞記者の勤務先の規模別の年収(令和5年度)
新聞記者の年収は、勤務先の事業所の規模によって大きく異なります。
10〜99人規模の事業所に勤める新聞記者の平均年収は392万円、100〜999人規模は622万円、1,000人以上の規模では855万円、10人以上規模の事業所平均は572万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「著述家、記者、編集者」で編集者など他職業を含むデータです。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
新聞記者の福利厚生の特徴は?
一般的な新聞社に就職した場合、各種社会保険、有給休暇、懐妊・育児休職制度、各種休職・休暇制度などがあります。
また新聞記者は残業が多いことから給料全体に占める残業の割合が非常に高く、新聞社やセクションごとに、超過勤務の限度額を定めているところが多いようです。
20代で正社員への就職・転職
新聞記者の給料・年収の特徴
長時間労働が多い
一般のサラリーマンより新聞記者の年収が高いのは、仕事の内容が極めてハードで勤務時間が長いためです。
事件記者といわれる社会部記者の場合、勤務時間は平均12時間~15時間といわれ、政治部や経済部の記者でも、12時間を超える勤務は日常茶飯事です。
そのため超過勤務の扱いに関しては、各部によって、超過勤務限度額を社内規定で定めているところが多く、それ以上の勤務はサービス残業となってしまいます。
スクープで報奨金が出ることも
新聞記者には、営業マンやセールスマンのようなノルマはありませんが、新聞社間での「抜いた」「抜かれた」のスクープ合戦は非常に激しくなっています。
特ダネをスクープした記者には報奨金が出ることもあります。
しかし、そういった活躍のない記者は勤務評価でマイナス点が重なり、人事異動では配転されてしまうこともあります。
新聞記者の代表的な企業の年収
会社名 | 平均年収 | 平均年齢 |
朝日新聞社 | 1165万円 | 45.8歳 |
毎日新聞グループHD | 829万円 | 44.0歳 |
日本経済新聞社 | 1220万円 | 44.2歳 |
出典:2022年現在(各社有価証券報告書より)
朝日新聞社の平均年収
株式会社朝日新聞社の平均年収は1,165万円です。
全国紙『朝日新聞』を発行するほか、新聞以外にも雑誌・書籍の出版や芸術作品の展示・公演など文化・スポーツ分野でも多彩な事業を行っているのが特徴です。
毎日新聞グループHDの平均年収
毎日新聞グループHDの平均年収は829万円です。
毎日新聞を発行する株式会社毎日新聞社は現在、持株会社である毎日新聞グループホールディングスの子会社となっています。
日本経済新聞社の平均年収
株式会社日本経済新聞社の平均年収は1,220万円です。
日本経済新聞社は『日本経済新聞』の発行が有名ですが、そのほかにも出版や放送、文化事業や賞の主催・表彰などもしています。
20代で正社員への就職・転職
新聞記者が収入を上げるためには?
新聞記者として最も収入を得られるのは、大手の新聞社で記者として活躍することです。
しかし、大手新聞社の記者は非常に人気が高く狭き門です。
そのため、地方の新聞社や専門紙・業界紙などを発行する新聞社で経験を積み、中途採用として大手新聞社に転職する方法があげられます。
またフリーランスで活躍する方法もあります。
記者として経験を積んで独立し、フリーランスとして実力が認められればジャーナリストや作家としても活動する道が開けます。
さらにスクープをとったり人気が出たりすればさらなる収入アップも見込めます。
しかし新聞社という後ろ盾がない中で一人で取材をし記事を書くのは非常に難しく、記者として相当の実力がなければ難しいでしょう。
新聞記者の給料・年収のまとめ
新聞記者の年収は630万円~890万円の間で、一般的な職業よりも高収入といえるでしょう。
新聞社の規模や記者の所属セクションによっては、収入に大きな差が出る場合があります。
一般のサラリーマンより新聞記者の年収が高いのは、仕事の内容が極めてハードで勤務時間が長いためです。
収入アップのためには、大手の新聞社での活躍や、フリーランスのジャーナリストとして活動するなどの方法があります。