歯科衛生士の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説
歯科衛生士の業務スケジュール
フルタイムで働く歯科衛生士の業務スケジュール
歯科衛生士の勤務先は、歯科医院・病院・保健所・老人保健施設など、さまざまです。
歯科医院への就職が一番多いので、まずは歯科医院で働く衛生士の業務スケジュールを紹介しましょう。
ここでは、フルタイムで働く歯科衛生士を例に挙げます。
出勤~午前診療
出勤し、仕事着に着替え身だしなみを整えて仕事がスタートします。
歯科医院のような医療機関では、特に清潔な院内環境が大切です。
患者さんが気持ち良く診療を受けられるよう、まず院内の清掃をおこないます。
その後、機材を準備し、予約の患者さんのカルテを見ながら1日の仕事内容とスケジュールの確認をします。
1日の診療がスムーズに進められるよう、情報共有のため診療の開始前にスタッフ全員でミーティングをおこなう医院もあります。
診療が始まると、患者さんを笑顔で迎えます。
コミュニケーションをとりながら、口の中の状態を確認し、歯石の除去や歯ブラシ指導、フッ素塗布といった仕事をします。
昼休み~午後診療
午後の診療に備えてしっかりと昼休み休憩を取ります。
歯科医院の昼休みは比較的長めなのでゆっくりと休めます。
診療が始まる5分前~10分前には、すぐ診療に入れるように準備をしておきます。
午後は子どもや仕事帰りの患者さんも多く来院します。
歯科衛生士の仕事は午前の診療と同様ですが、夕方の時間は比較的混みやすいので、患者さんを待たせてしまわないよう迅速かつ丁寧に、患者さん一人ひとり、口の中に変化がないかきちんと確認をします。
患者さんは不安を抱えて来院するので、作業ばかりに集中せず安心感を与える応対を常に心掛けなければなりません。
手の空いたときは歯科医師の横に付いて診療アシスタント業務もおこないます。
診療終了〜帰宅
診療が終わるとスタッフ全員で後片付けと清掃をおこない、歯科衛生士の1日は終了です。
歯科医療は常に進歩しているため日々勉強が大切ですが、どんな状況でも患者さんの目線に立って気持ちを理解し、笑顔で接することを忘れてはいけません。
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歯科衛生士の1日の流れ
歯科医院にてフルタイムで働く歯科衛生士の業務スケジュールは上に述べた通りですが、歯科衛生士の勤務先や雇用形態はほかにもあります。
ここでは、アルバイトで働く歯科衛生士と、総合病院、介護施設に勤務する歯科衛生士の1日の流れをご紹介します。
歯科医院に勤務する歯科衛生士(アルバイト)の1日
歯科医院に勤務するアルバイトの歯科衛生士は、午前のみ・午後のみのシフトで働くこともあります。
総合病院の口腔外科に勤務する歯科衛生士の1日
数は少ないですが、大規模な総合病院で働く歯科衛生士もいます。
ここでは、主に外来歯科診療を担当する歯科衛生士の1日をご紹介します。
介護施設に勤務する歯科助手の1日
高齢化が進むいま、介護施設における歯科衛生士の需要が高まっています。
歯科衛生士の勤務時間
歯科衛生士の勤務時間は職場によって違いがあるほか、フルタイムで働く人とそれ以外のスタイルで働く人でも異なります。
歯科医院に勤める歯科衛生士は、各医院の診療時間に合わせて働きます。
朝から夕方というのが一般的ですが、中には仕事帰りの会社員をターゲットに朝から夜遅くまで診療している医院もあり、そのような場合は診療開始の朝から夕方、またお昼休みが終わった午後からラストまで、といったようにシフト制で働くこともあります。
診察時間が決まっているため、残業が続くことはあまりありません。
診察が午前と午後に分かれているため、お昼休みが長いことが歯科医院勤務の特徴です。
保健所や介護施設などに勤める場合も、各施設の定める勤務時間に合わせて働きますが、行政施設では、朝9時から17時半までといった勤務時間が多いです。
また、フルタイム勤務の場合は実働7.5時間から8時間程度となっていますが、パートタイムで数時間だけ働く歯科衛生士や、フリーランスでいくつもの職場を掛け持ちする歯科衛生士もいます。
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歯科衛生士の休日
歯科医院に勤める歯科衛生士は、歯科医院の休診日が自分の休日となります。
日曜日を休診とする医院が多いですが、水曜日や土曜日を休診日にしているところなどもあるなどさまざまです。
フルタイムの場合、週に1日の休診日に加え、交替で休みをとって月に8日程度休んでいる人が多いようですが、完全週休2日制を敷いていることもあります。
また、年末年始やゴールデンウィークなどは休診とする医院がほとんどです。
歯科衛生士は基本的に1日に何時間も残業を強いられたり、不規則な勤務時間になったりする仕事ではありません。
休日出勤もほとんどなくきちんと休むことができますが、患者さんありきの仕事であるため、休日が平日になったり飛び飛びになったりすることは避けられないでしょう。
歯科衛生士の残業時間
歯科衛生士のような医療系の職種の勤務時間は診療時間に準ずるため、ほかの業種に比べると残業は少ない傾向にあります。
とくに時給で給与が支払われるアルバイトやパートの歯科衛生士の場合、シフトが終わると同時に退社できるケースがほとんどです。
しかし、正社員の歯科衛生士は、状況によって残業を任されることもあります。
残業の理由としてもっとも多いのは、患者さんが診療受付の終了時間ぎりぎりに来院して治療が長引く場合です。
診察が長引くと、その後の器具の洗浄や片付け、院内の掃除、業務報告なども遅れてしまいます。
完全予約制の歯科医院や、片付けや業務報告の時間をあらかじめ確保している医院であれば、残業時間は少なくなるでしょう。
歯科衛生士に夜勤はある?
歯科衛生士の仕事には基本的に夜勤はありません。
近年、都心などでは仕事帰りの人でも利用しやすいよう、夜遅くまで診療している歯科医院も増えてきています。
なかには夜通し診療を受け付けているところもあり、そうした医院では歯科衛生士の夜勤も発生する可能性もあります。
しかし、平日の21〜22時ごろまで受付時間を延長している医院は多いものの、朝まで診療している歯科医院はまだまだ少ないのが現状です。
大学病院などの大型病院における歯科や口腔外科では救急診療を設けているところもありますが、歯科医師のサポートは看護師や歯科助手で対応できてしまうケースが多いです。
夜勤シフトで働く歯科衛生士の求人は探せば見つかるかもしれませんが、ほとんどないといえるでしょう。
歯科衛生士は忙しい? 激務?
歯科衛生士はシフト制が多いため残業が少ない職業ですが、職場によっては激務だといわれます。
その理由の一つとして、拘束時間が長いことが挙げられます。
基本的には診療時間に準じた勤務時間となりますが、診療前の開院準備や診療後の後片付けなど、歯科衛生士は診療以外にも業務があります。
また、多くの歯科医院では午前診療と午後診療の間に休憩時間が2時間ほど設けられており、ほかの業種より拘束時間が長くなる傾向があります。
さらに、歯科衛生士は歯科助手よりも給与が高く、個人の歯科医院では1〜2名の歯科衛生士しか雇わないケースも多いです。
1医院あたりの歯科衛生士の数が少なければ1人あたりの仕事量が増えるため、激務だと感じやすくなります。
歯科衛生士の休日の過ごし方
歯科衛生士の休日は、一般的に日曜日と平日1日の週休2日制です。
休日の過ごし方は人によってさまざまですが、平日は家族や友人と休みが合いにくいため、一人でのんびり過ごす人が多いようです。
土曜日にも診療時間を設けている歯科医院がほとんどなので、連休はあまりありません。
旅行や帰省などで数日間の休みがほしい場合は、事前にシフトの希望を出したり、有給休暇を申請したりする必要があります。
ほかのスタッフが急に病気なるなどのトラブルがない限り、休日出勤は基本的にないでしょう。