臨床検査技師の需要・現状と将来性

臨床検査技師の現状

「チーム医療」の考え方が進むなか、臨床検査技師は「検査」の専門知識や技術をもつ存在として医療現場で重要視されています。

しかし、検査機器やキットが飛躍的に発達していることから、医療機関における臨床検査技師の業務範囲は狭まっており、採用人数も減少傾向にあります。

雇用形態についても、安定した正社員ではなく、非正規の臨時職員を増やすことで人件費削減を目指す医療機関も増えているようです。

臨床検査技師を取り巻く状況は、やや厳しいと考えておいたほうがよいでしょう。

しかしながら、生理検査や細胞診など個人差のある検査、良性と悪性の境界線があいまいな検査には、やはり臨床検査技師の熟練した技術が必要です。

一定のニーズは今後も安定してあるものと考えられます。

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臨床検査技師の需要

簡易化できる検査はとことん簡易化される一方、人にしかできない検査においては、高い専門性をもつ臨床検査技師が求められるようになっています。

上述のように、人の手や目によってしかできない検査においてはいまだに臨床検査技師が求められており、経験や技術が高ければ高いほど重宝されます。

そのため、臨床検査技師の上位資格である「細胞診断士」や「超音波検査士」などの資格を所持すれば、より活躍の場を広げることができるでしょう。

また臨床検査技師の国家資格を必要とする職種として、「移植コーディネーター」や「治験コーディネーター」などが挙げられます。

そのような新たな分野で臨床検査技師の国家資格を生かして働き、臓器移植や新薬開発などに貢献していくことも可能です。

臨床検査技師の将来性

臨床検査技師は、国家資格が必要とされる専門職ではありますが、「国家資格を取ったから一生安泰」とはいかなくなっているのが現状です。

実際、厳しい状況にも前向きに立ち向かっていくために、上位の認定資格や「診療放射線技師」「医療情報技師」などの関連資格を取得して強みを持とうとする人も増加しています。

また昨今では、動物の検体検査や実験動物の臨床検査に力を入れている検査センターが増加しています。

動物の臨床検査の場合は必ずしも臨床検査技師の資格が必須ではありませんが、資格の所持や該当する検査の経験があると歓迎されます。

このような動物に関する臨床検査の分野においてはいまだ未知の可能性が広がっており、臨床検査技師としての活躍の場を広げるものと考えられます。

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臨床検査技師の今後の活躍の場

以前は臨床検査技師の主な勤務先は医療機関でしたが、検査が簡易化するとともに医療機関の検査室は縮小し、外注検査機関のニーズが高まってきています。

外注検査では、検体検査でも特異性が高く検査する頻度の低い物質の定量などを行うため、ここでも高い専門性を求められます。

医療機関においては、緊急検査に対応できる最低限の人材が生理検査や病理検査などに携わったり、パートや任期制の臨時職員を積極的に採用していったりなどの動きが進んでいます。

どちらにせよ、臨床検査技師にはより細分化・専門化した知識や技術が求められていきそうです。

また、資格を生かして医療機関以外の場で活躍する臨床検査技師も、さらに増えていくかもしれません。