健康運動実践指導者と健康運動指導士の違い
健康運動実践指導者と健康運動指導士の仕事内容の違い
「健康運動実践指導者」とよく似た仕事に「健康運動指導士」があります。
どちらも「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」が認定する民間資格であり、地域社会のなかで、人々に健康づくりのためのサポートを行っていく仕事です。
健康運動実践指導者は、健康づくりのために作成された運動プログラムに基づいて、指導を実践していくことを役目とします。
一方、健康運動指導士は、対象者一人ひとりの健康状態に合った運動プログラム作成や、運動指導を行うことを役目とします。
20代で正社員への就職・転職
健康運動実践指導者と健康運動指導士のなる方法・資格の違い
健康運動実践指導者と健康運動指導士は、それぞれの試験を受けるための受験資格が異なります。
健康運動実践指導者の場合、健康運動実践指導者養成校で学ぶか、「健康運動実践指導者養成講習会」を受講することで受験資格が得られます。
健康運動実践指導者養成講習会の受講資格は、以下のいずれかを満たす場合に与えられます。
・「体育系短期大学または体育専修学校(2年制)もしくはこれと同等以上の学校を卒業した人」
・「3年以上運動指導に従事した経験のある人」
・「運動指導に関連する資格を持つ人」
・「保健医療に関する資格を持つ人」
・「学校教育に関する資格を持つ人」
講習会の課程修了者は、指導実技試験および講習会のカリキュラムの内容に沿った認定試験が行われ、両方に合格すると健康運動実践指導者の登録資格が与えられます。
一方、健康運動指導士の場合、健康運動指導士養成校で学ぶか「健康運動指導士養成講習会」を受講することで受験資格が得られます。
ただし、健康運動指導士養成講習会は、特定の条件のうち、いずれかを満たした人のみ受講できるものとなっており、その条件は以下のようになっています。
・「4年制の体育系大学を卒業した人」
・「4年制の一般大学を卒業した人で歯科医師や看護師、准看護師、助産師、薬剤師、栄養士、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技士の資格を保有している人」
・「保健師や管理栄養士の資格を持っている人」
・「健康運動実践指導者の称号を持っている人」
健康運動指導士認定試験に合格し、登録をすると健康運動指導士の称号が与えられます。
健康運動実践指導者と健康運動指導士の資格・必要なスキルの違い
健康運動実践指導者は、運動指導を実際に実践していくことから、実技指導のスキル、運動指導のスキルがとくに求められます。
運動指導の対象者に対して、わかりやすく見本を見せ、正しい形で運動ができるように教えていく指導力が必要になります。
一方、健康運動指導士は、一人ひとりの身体の状態に合わせて健康プログラムを組まなくてはならないため、より高いレベルでの医学的な知識が求められます。
よりメディカル的な要素が強いと考えておくとよいでしょう。
20代で正社員への就職・転職
健康運動実践指導者と健康運動指導士の学校・学費の違い
どちらの職業に就く場合も、体育系短期大学又は2年制の体育専修学校に通う人が多いです。
学費はかかりますが、短大や体育専修学校であれば、筋肉などの体の構造から健康医学、予防医学、スポーツ医学など、さまざまな分野から運動方法を学ぶことができます。
短大や体育専修学校で学べば、より深い知識を身に付け生かすことができますし、実務を積み健康運動実践指導者の資格を取ることもできます。
また健康運動指導士になるにも、「健康運動指導士養成校」と認められている短大、もしくは2年制の体育専修学校の養成講座を修了すれば、健康運動指導士認定試験を受けることができます。
健康運動実践指導者と健康運動指導士の給料・待遇の違い
どちらの場合も、年収にすると200~400万円程度がボリュームゾーンとされています。
医療保健機関、介護福祉施設では平均月収が18万円前後、フィットネストレーナーであれば平均月収22万円前後が主流です。
正社員で働くほか、契約社員、時給制のパート・アルバイト、なかには経験を積んで起業する、フリーランスになる方も多く、実力や経験で収入も大きく変わるのが特徴です。
現時点では、資格を持っていることで大きく給料に反映されるケースはあまりありません。
健康運動実践指導者と健康運動指導士はどっちがおすすめ?
健康運動実践指導者は、作られたプログラムの内容に沿って実際に指導を行っていく仕事、健康運動指導士は、一人ひとりに合った運動プログラムを作っていく仕事といえます。
どちらの仕事に就くとしても、健康や栄養、運動生理学等に関する基礎知識は必須です。
ただし、健康運動指導士がより高いレベルの医学的な知識が要求されるのに対し、健康運動指導士は現場での指導力が求められるという点が大きな違いです。
自分はどのように働きたいか、医学と運動、どちらの知識を深めていきたいかなどを考えて検討するとよいでしょう。