編集者を目指す人へ(体験談)
何をやりたいのか考える
これから編集者を目指す人は、まず自分が編集者として何をやりたいのかを、漠然でもいいので考えておきましょう。
編集には、小説、漫画、雑誌、書籍など、さまざまな種類があります。
たとえば、小説や漫画であれば出版社へ就職しなければなりませんし、雑誌、書籍であれば出版社でも編集プロダクションでも携わることができます。
まずどこでもいいから編集者として就職して経験を積み、本当にやりたいことができる会社へ転職するという道もありますが、編集者は激務であるため、目的意識をしっかりと持っておくことはとても大切です。
出版業界に入る覚悟を持つ
出版社への就職は狭き門です。
昨今、出版業界は日本人の読書離れなどの理由から下降の一途を辿っています。
今まで売れていたものも売れなくなっている時代に突入し、倒産に追い込まれる出版社や編集プロダクションも多々あります。
とくに編集プロダクションは、出版業界が低迷しているため案件を受注できなかったり、受注できても報酬が少なかったりと嘆いているのが現実です。
そんな業界に飛び込むのですから、それなりの勇気と覚悟と根性が必要になります。
売れている本は売れる。売れない本はもっと売れなくなる。このような二極化が進む中だからこそ、活躍の場があるのも事実です。
既成概念にとらわれていない編集者ならば、奇抜で新しい斬新なアイデアがぽっと生まれるかもしれませんし、そのアイデアが、就職した出版社なり編集プロダクションなりを支えるものになる可能性も秘めています。
プロの編集者にいわせてみれば、現在のこの二極化は当然のことであり、なるべくしてなったという声も聞かれます。
つまり、やっと読者の目が肥えてきて、本当に楽しい本しか買わなくなっただけということです。
そこで惰性している出版社や編集プロダクションを、若い力で何とか立て直してほしいというのが、現在、四苦八苦している編集者の本音です。
公私ともに充実した人生を
編集者は実力主義の仕事です。
30代や40代になっても、生活していくのがやっとという人は大勢います。その一方、自分の実力を発揮して、デスクに認められ、出世していく人も大勢います。
また、この仕事に就くのであれば、男性でも女性でも、結婚後はパートナーの理解を得ることが必要です。
仕事柄、何日も家に帰れなかったり、接待で飲みの場に行くこともあるでしょう。
パートナーの理解を得なければ、家庭をうまく築くことは難しくなってきます。
公私ともにうまくいくことが人生を有意義に過ごす秘訣でもありますし、もし編集者という職業でそれをこなすことができたのであれば、その人はプロの編集者として周囲から尊敬されることでしょう。