芸術家にはどんな種類がある?
画家
画家は、紙・布・絵筆・絵の具などさまざまな画材を用いて作画を行なう仕事です。
現在日本にいる画家は日本画家と洋画家に分けられ、それぞれ作業に使用する画材やテクニックも違います。
近年はグラフィックソフトを利用して、デジタル絵画を描く画家も増えてきました。
有名な日本人画家としては、藤田嗣治、東山魁夷、片岡球子などが挙げられます。
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版画家
版画家とは、木材をはじめとするさまざまな版材に彫刻などで版をつくり、インクや絵の具を用いて紙や布に印刷した版画をつくる人のことです。
版材の違いにより、木を使う木版画、石を使うリトグラフ、銅を使うエッチング、シルクをはじめとするメッシュを使うシルクスクリーンなどの技法があります。
かつては葛飾北斎などが知られ、近年では棟方志功、池田満寿夫などが有名です。
彫刻家
木や石、金属などの硬い素材を削り出して彫刻(カーヴィング)作品を制作する人を彫刻家と呼びます。
また、粘土などの柔らかい素材を盛りつけて形をつくる彫塑(モデリング)の技法もあり、彫塑を行う人も彫刻家に含む場合もあります。
佐藤忠良や名和晃平が有名で、近年は現代彫刻家の三沢厚彦などが注目を集めています。
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陶芸家
陶磁器をつくる専門職を陶芸家といいます。
現代では工場で機械によってつくられることも多い陶磁器ですが、芸術家に分類される陶芸家は伝統技法を用い、手作業で作品をつくり上げます。
益子焼、瀬戸焼などの多彩な伝統的手法に自分のオリジナルの技術とデザインを加え、作品としての質を高めていくのが陶芸家の仕事です。
近年ではNHKのドラマ『スカーレット』でモデルとされた女性陶芸家の神山清子に非常に人気が集まりました。
工芸家
工芸とは実用品に芸術的な要素を加え、機能性と美しさを融合させた工作物を指し、その制作者を工芸家と称します。
作品はガラスを用いた花器や皿、木を用いた漆塗などの器や入れ物、金属を用いた食器やアクセサリーなどです。
伝統工芸の手法をもとにオリジナリティーを加えた緻密な手作業によって制作されます。
その他の芸術家
こうした美術に関する専門家のほかに、以下のような職業も含まれる場合があります。
・曲をつくったり編曲したりする音楽家
・建物の設計やデザインをする建築家
・詩や戯曲、シナリオ、小説などを書く文筆家
・衣類や工業用品などをデザインするデザイナー
・映画、演劇、歌謡、舞踊、落語などに関わる芸能人
また、複数のジャンルを手がけている人は「芸術家」や「アーティスト」「クリエイター」などと呼ぶこともあります。
とくに画家・彫刻家として活躍した奈良美智、画家・イラストレーターとして活躍した天野 喜孝、絵画を中心に多彩な活動をしている草間彌生などは「芸術家」と呼ばれることが多いようです。
いずれにしても特別な才能とセンス、そしてチャンスに恵まれた人だけが到達できる、難しく、かつ魅力的な職種であるといえるでしょう。