ドッグトレーナーになるには
ドッグトレーナーになるまでの道のり
ドッグトレーナーを目指す人の多くが、高校卒業後に大学や専門学校、スクールに通ったり、個人で通信教育やオンライン講座を受けています。
まったく未経験でアルバイトとして現場に入ることもできますが、ドッグトレーナーは求人数がさほど多くないこともあり、希望の勤務先が見つかるとは限りません。
そのため、事前にドッグトレーナーの勉強ができる学校・スクールに通い、少しでもドッグトレーナーとしての基礎的な知識や技術を身につけておこうと考える人が多いようです。
また、在学中にドッグトレーナー関連の資格を取得しておけば、就職の際に評価されやすくなることがあります。
20代で正社員への就職・転職
ドッグトレーナーの資格・難易度
ドッグトレーナーの仕事をするのに資格は必須ではありません。
2020年現在、動物やペットに関わる資格で国家資格制度が定められているものは「獣医師」のみです。
ただし、就職で有利になることや、お客さまからの信頼にもつながることから取得しておくと役立つでしょう。
ドッグトレーナーの資格は、民間団体が認定するものがいくつかあります。
たとえば「日本ドッグトレーナー協会(JDTA)」が認定する「ドッグトレーナーラインセンス」、「日本ペットドッグトレーナーズ協会」が認定する世界基準のドッグトレーナー資格の「CPDT」などは有名です。
あくまでも民間資格であるため、これらの資格がなければドッグトレーナーとして働けないというわけではありません。
しかし犬のしつけを仕事として行うには確かな知識が求められますし、就職をする際も資格を持っていると優遇されることがあります。
お客さまからの信頼にもつながることがあるため、取得を検討してみてもよいでしょう。
このほか、ペット業界のなかで信頼性が高い「日本愛玩動物協会」が認定する「愛犬飼育管理士」を取得する人もいます。
日本ドッグトレーナー協会 資格について
日本ペットドッグトレーナーズ協会 トレーナー資格”CPDT”
公益社団法人 日本愛玩動物協会 愛玩動物飼養管理士
ドッグトレーナーライセンス
ドッグトレーナーライセンスは、「日本ドッグトレーナー協会(JDTA)」が認定する一般家庭の犬に必要なしつけに重点をおいた資格です。
種類は「A級」「B級」「C級」と3種類で、難易度は「A級」が1番難しくなります。
合格率発表されていませんが、難易度は比較的低めのようです。
それぞれを詳しく見ていくと、C級の受験資格は「ドッグトレーナー オンライン講座(145,000円(税抜)」を受講していることで、実技もあります。
B級はC級認定試験合格の方限定で受けることができ、費用はスクーリングが1日間30,000円(税抜)、試験の筆記+実技で5,000円(税抜)です。
A級の受験資格は、B級合格者の方限定で、費用はスクーリングが2日間で80,000円(税抜)と筆記+実技10,000円(税抜)がかかります。
ドッグトレーナーライセンスについては、日本ドッグトレーナー協会のホームページをご覧ください。
CPDT
CPDT (Certified Pet Dog Trainer) は、「日本ペットドッグトレーナーズ協会(CCPDT)」が認定する、日本で唯一の世界基準のドッグトレーナー資格です。
この資格を持っていると、基本的なペットドッグトレーニングの知識がある公式な証明になります。
資格の種類は1種類で、受験資格を得るには、過去5年間で最低300時間以上のドッグトレーナーの経験を積むことと、「獣医師・お客さま・他のドッグトレーナー」からの推薦状を提出することが必要です。
試験は4時間250問のマークシート形式で、「指導スキル」「動物の管理」「動物行動学」「学習理論」「トレーニング道具」の5つの分野から出題されます。
難易度についてはオープンになっていませんが、難関といわれています。
ドッグトレーナースクールのなかには、この資格に対応した講座を用意しているところもあります。
愛玩動物飼養管理士
愛玩動物飼養管理士は、「日本愛玩動物協会」が認定する資格です。
有資格者は全国に約18万人と圧倒的なシェアを誇っています。
動物取扱責任者の資格要件のひとつとして、国や自治体が認めているほど、ペット業界の中でも信頼性が高いので、取得におすすめです。
愛玩動物(ペット)のしつけや管理方法を体系的に学ぶことができ、資格は「1級」と「2級」があります。
どちらもスクーリングと課題の提出が必要で、その後認定試験に臨みます。
受験資格は、2級は満15歳以上の人、1級は2級の資格を有する人となるので、まずは2級取得を目指しましょう。
費用は2級は35,000円(受講受験料30,000円+認定登録料5,000円)、1級は52,000円(受講受験料32,000円+認定登録料20,000円)となります。
ドッグトレーナーになるための学校(大学・専門学校・スクール)・費用はどれくらい?
ドッグトレーナーになるための学校の種類
学校の種類はさまざま
ドッグトレーナーを目指せる学校には、大学や専門学校、スクール、通信講座とさまざまなところがありますが、本気で目指す人は「専門学校」がおすすめです。
専門学校では、基礎からドッグトレーナーに必要な知識を学べます。
また、犬との触れ合いができる実践的な科目や、資格取得に向けた科目も設置されており、就職してからもすぐに活躍できる土台を固めやすい環境があります。
学歴は重要? 就職で有利になるのは?
ドッグトレーナーには、通常、特別な学歴は求められません。
どの学校を選ぶとしても、ドッグトレーナーを目指すことは可能です。
この仕事で必要となるのは、ドッグトレーナーとしての知識やスキル、そして現場で培っていく経験です。
しっかりとしたトレーニングの知識を身につけ、どんどん実践経験を積むことが、優れたドッグトレーナーになるために必要なことです。
ドッグトレーナーになるための大学
ドッグトレーナー志望者が大学へ進学する場合は、動物関連の学科が有力な候補になります。
大学の特徴は、ドッグトレーナーとしての実践的な勉強だけでなく、生物学や化学、心理学、福祉、看護など、幅広い知識を身につけられることです。
近年ニーズが高まっている「ドッグセラピー」などのサービスも手掛けていきたい人は、大学でさまざまな知識を習得すると役立つでしょう。
なお、大学を卒業した人は、その後さらに勉強してドッグトレーナーの民間資格を取得してから就職する例も多いようです。
卒業までにかかる学費は、私立大学の場合500万円~600万円ほどが一般的で、諸経費は学校ごとに差が出てきます。
同じ動物関連の学部でも、大学によってどのような方向性の研究に力を入れているかが異なるため、よく調べてみるとよいでしょう。
ドッグトレーナーになるための専門学校
ドッグトレーナーになるには、ドッグトレーナーを目指す人を対象とした専門学校に通っておくと有利です。
たとえば「ドッグトレーナー専攻」「ドッグトレーナーコース」などがある動物関連の専門学校がおすすめです。
こうした学校では、犬の生態や扱い方に関する知識を学ぶのはもちろん、実際にドッグトレーニングを行う企業へ実習に行き、プロのドッグトレーナーの指導の下、しつけや訓練のやり方を学べます。
また、就職支援を行ってくれる学校もあるため、より実践に即したことをスピーディーに学び、就職を目指したいと考える人は、大学よりも専門学校に通うことをおすすめします。
多くの専門学校は2~3年制で、学費は年間80万円~140万円ほどが一般的です。
ドッグトレーナーになるためのスクール
大学や専門学校ではなく、ドッグトレーナーになるためのスクールもあります。
現役で活躍しているドッグトレーナーの先生を講師に、座学と実践でスキルや知識を身につけられるスクールが多いです。
生徒の年代は20代から60代まで幅広く、性別や年齢を問わずにさまざまな仲間を作れます。
また、働きながらでも通学できるようにと、平日だけでなく週末も授業を行っているスクールもあるため、通いやすさ重視で選ぶのもおすすめです。
通学期間は半年~1年ほどですが、学校によっては、条件をクリアすれば最短3ヵ月で卒業できる場合もあります。
デメリットを挙げるなら、卒業までの期間が短いため、多くの犬と触れ合うチャンスが専門学校や大学に比べて少ない場合があることでしょう。
学費は、85万円~120万円ほどが一般的です。
それなりの出費を覚悟しておく必要がありますが、プロの講師から直接指導を受けられることは、大きな価値があるといえるでしょう。
ドッグトレーナーになるための通信講座
通信講座を利用すれば、通学制の学校で学ぶよりもだいぶ費用を抑えることが可能です。
カリキュラムによって費用は変わってきますが、安ければ10万円程度でひと通りのことを学べます。(ただし、実技対策のスクーリングや講座修了後にライセンスを取得する場合、別途費用がかかることがあります)
代表的な通信講座としては、日本ドッグトレーナー協会公式の「ドッグトレーナーオンライン講座」があります。
スクールの内容を動画で学びながら最短3ヵ月で修了でき、料金は145,000円(税抜)です。
通信講座の場合、通学制の学校以上に自主的に学ぶ姿勢が求められますが、できるだけ費用を抑えて学びたい人や、自分のペースで勉強したい人には、適しているといえるでしょう。
日本ドッグトレーナー協会認定 ドッグトレーナーズカレッジオンライン講座
通信講座の特徴とメリット
ドッグトレーナーの通信講座として最も代表的といえるのが、日本ドッグトレーナー協会公式の「ドッグトレーナー養成通信講座」です。
この講座は、プロのドッグトレーナーが監修しており、ドッグトレーナーとして必要な知識を基礎からポイントをおさえて学ぶことが可能です。
受講期間は標準ペースで「8ヵ月」となっていますが、期限はなく、自分のペースで自由に勉強を進めていけます。
仕事などの理由でなかなか自由な取れない人でも、通信講座を利用して空き時間にコツコツと学べば、ドッグトレーナーに必要な基礎スキルを身につけることはできるでしょう。
実技についても学べる
ドッグトレーナー養成通信講座はテキストを中心に勉強していきますが、実技を収録したDVDを利用し、技術面についても向上させていけます。
それだけでは不安という場合には「スクーリング」に申し込めば、通信講座で身につけた知識をもとにした実技練習に参加することができます。
ドッグトレーナーは、知識・技術の両方が必要とされる仕事です。
通信講座ではどうしても知識の面だけに偏りがちですが、実技面のスキルアップを図ることを積極的に考えていくとよいでしょう。
なお、この講座は「専任インストラクター制」となっており、もしわからないことがあればメールやFAXを使って質問し、答えてもらうことが可能です。
留学でスキルを身につける人も
国内にも専門学校やスクールはありますが、海外留学をしてドッグトレーナーに必要な知識や技術を学ぶ方法もあります。
「犬のしつけ」は海外のほうが進んでいるといわれていることもあり、本場の技術や考え方を学ぶことは、能力を高める有意義な時間となるでしょう。
ドッグトレーナーの留学先は、アメリカのほか、オーストラリアやニュージーランド、カナダ、イギリスなどが一般的です。
最近は現地で勉強し、その国のドッグトレーナーライセンスを取得する人もいるようです。
なお、日本のスクールでも海外研修制度を設けているところがあり、その場合は2週間~1ヵ月程度の海外留学体験ができます。
ただし海外留学をしても、それだけで大きく優遇されることはあまりないかもしれません。
留学先で何を学んだのか、その経験をもとに、どのようなドッグトレーナーになりたいのかをしっかりアピールすることが概説です。
独学でドッグトレーナーになれる?
ドッグトレーナーは、独学で目指していくことも可能です。
専門書を使って独学で犬の知識を深めたり、必要に応じて通信講座を使用してプロのドッグトレーナーにつければ、現場でスキルを磨けます。
この仕事で最も重要なのは「経験」といわれています。
犬にはさまざまな犬種があり、それぞれ特性も違えば、個体差もあります。
自分がどのように動けば犬を上手にハンドリングできるのか。その答えはたくさんの犬と触れ合う経験を積んで、自分で見つけていくしかありません。
どのドッグトレーナー も専門的な知識を身につけたうえで、仕事をしながら自分なりのトレーニング方法を見いだしています。
現場に出る前よりも、実際に仕事をしていく時間のほうがずっと長く、重要なものになるといっても過言ではありません。
独学でも本当にやる気さえあれば、自分らしさを追求し、ドッグトレーナーとして活躍していくことは十分に可能だといえるでしょう。
独学のメリット・デメリット
独学のメリット
独学のメリットは、大きくまとめると以下の2つです。
・学習にかかる費用が安い
・自分のペースで勉強できる
ドッグトレーナーの専門学校に通った場合、年間100万円前後の学費が必要で、それ以外にも諸経費などがかかります。
一方、独学であれば、書籍購入費など必要最低限のコストで学習をすることができます。
また自分のペースで好きな時間に学習することも、大きなメリットです。
ドッグトレーナーを目指す人のなかには、「トリマー」や「ペットショップ店員」などのペット業界経験者もいます。
仕事を通じて犬のしつけの重要性を感じたことがきっかけになるようですが、現実的に、現在の仕事を続けながら専門学校やスクールに通うのは、時間の融通がきかずに難しい一面もあるでしょう。
しかし独学や通信講座であれば、自分の好きな時間に計画的に学習することができるため、あとは自分の努力次第でドッグトレーナーを目指すことができます。
独学のデメリット
独学のデメリットを大きくまとめると、以下の3つが挙げられます。
・教えてくれる人がいない
・肝心の実技が身につきにくい
・就職サポートがない
専門学校やスクールではプロの講師に指導してもらうことができますが、独学では、あらゆることを自分で考え、学ばなければいけません。
教材探しから始め、どの勉強をどこまでしたらいいかなども自分次第で決めるため、経験者に教わるよりも非効率になりやすいです。
肝心のトレーニングの実技も、学校に比べるとたくさんの犬と触れ合う機会は少なくなってしまうでしょう。
また、多くの学校では就職サポート制度が用意されていますが、独学では自分で仕事を見つける必要があります。
ドッグトレーナーを目指す人が考えておきたいこと
このように、独学にはメリットもデメリットもあります。
学校やスクールに通うにしろ、独学で就職するにしろ、ドッグトレーナーは、基本的に現場で働きながら自分なりのトレーニング方法を見出していく職業です。
デビューするまでよりも、そこから先に仕事をしていく時間のほうがずっと長く、重要なものになるといっても過言ではありません。
たとえ独学であっても、本気でこの仕事を目指して一人前のトレーナーになりたいという情熱とやる気さえあれば、自分らしさを追求し、ドッグトレーナーとして活躍していくことは十分に可能だといえるでしょう。
ドッグトレーナーの学校選びのポイントは?
ドッグトレーナーを目指す人が、犬の生態やトレーニング方法について学校やスクールで体系的に勉強することは、現場に入るための近道になるでしょう。
就職のことを考えれば専門学校に通うのがおすすめといえますが、学生時代により幅広い知識をつけたい人は大学を、短期間で知識を身につけたい人はスクールを、費用を抑えたい方は通信講座をといったように、自分に合った学校選びをすることが大切です。
海外の本場の技術や知識を身につけたい場合は、費用が許せば海外留学という選択肢もよいでしょう。
学校を選んでいく際には、「実践研修があるのか」「研修内容はどのようなものか」などのカリキュラム内容はもちろん、就職支援など先を見据えたサポートがあるかどうかをチェックするのも、大事なポイントです。
ドッグトレーナーの学校で勉強すること・学生生活
ドッグトレーナーになるために学ぶことは?
ドッグトレーナーになるために学ぶことは、大きく「専門科目」と「実習科目」の2種類に分かれます。
専門科目
専門科目は、犬学、動物行動学、ペット健康管理学、動物医療、動物看護、動物心理などです。
ドッグトレーナーとして知っておきたい犬や動物の生態について、さまざまな角度から学びを深めていきます。
学校や専攻によっては、他専攻の科目を学べる場合もあります。
実習科目
実習では、実際に犬にトレーニングを行いながら、トレーナーとしての基礎を身につけていきます。
ドッグトレーニング、動物管理実習、グルーミング実習などの科目があります。
なかには、数百頭のパートナードッグを扱っている学校もあるため、実習を数多く経験していくことで、さまざまな犬種や性格の犬にも対応できる力を養うことができるでしょう。
実習科目のひとつに、実際に現場で就業体験をする「インターンシップ制度」を設けている学校もあります。
受験前に調べておくとよいでしょう。
ドッグトレーナーの学校入学から卒業までの流れ
ドッグトレーナーになるためには、大学、専門学校、スクール、独学などさまざまななり方がありますが、ここでは専門学校の入学から卒業までの流れをご紹介します。
専門学校の修学期間は「2年制」が一般的で、卒業までのカリキュラムがしっかりと組まれていることが多いです。
1年次は座学と実習を通じて、基礎をしっかりと身につける時期です。
犬と信頼関係を築きながら、喜んでしつけを身につけてくれるまでのトレーニング方法を学びます。
2年次は担当する犬を変えながら、より多くの犬種や個性を持つどのような犬ともトレーニングができるよう、スキルアップを目指します。
資格取得や競技大会にも積極的にチャレンジしてみるとよいでしょう。
また、2年次になると卒業後の進路を決める必要もあるため、インターンシップに参加したり、就職サポートを受けながら就職活動も行います。
卒業認定試験や学校の定める基準をクリアすると、無事卒業です。
ドッグトレーナーの学校の実習
ドッグトレーナーは、現場で発揮できる「トレーニングスキル」があってこそ成り立つ職業であることから、実習にはどの学校でも力を入れています。
たとえば、アイコンタクトやほめ方・しかり方、訓練に使う道具の種類、問題行動の正し方、散歩トレーニング、伏せやお座りのさせ方など、覚えるべきトレーニング技術は数え切れないほど多いです。
犬の知識は、専門書などを利用して独学でもそれなりに勉強することができますが、技術面についてはできるだけ目で見て、直接プロに指導してもらうのが上達の近道とされているため、実習でしっかりと身につけましょう。
学校ではたくさんの経験が積めるように、数十頭から数百頭の犬を相手にできる場が用意されていることがほとんどです。
カリキュラムの一環として出張ドッグトレーニングや、ペットを預かって行うしつけ教室を行っている学校もあります。
ドッグトレーナーの学校の雰囲気・学生生活
ドッグトレーナーを目指す人は男女ともいますが、ドッグトレーナーの学校の男女比は、女性が80~90%ほど、男性が10~20%ほどと、女性のほうがかなり多いケースが目立ちます。
学生の年代については、高校を卒業したばかりの10代が多いですが、社会人枠を設けている学校では、20代や30代、またはそれ以上の人も通っています。
実習はクラスメートと協力して行っていくため、多くの学生と交流することができ、和気あいあいとした雰囲気の中で学生生活を送ることができるでしょう。
また「犬が好き」「ドッグトレーナーになりたい」と同じ志を持った仲間ができるのも、ドッグトレーナーの学校の魅力です。
しつけのうまい子にコツを習ったり、就職活動の情報交換などを通じて、協力しながら目標に向かっていくことができます。
20代で正社員への就職・転職
ドッグトレーナーに向いている人
ドッグトレーナーに向いているのは「犬が大好き」という人です。
この仕事では、多種多様な犬と接することになるため、特定の犬だけでなく、どんな犬にも平等に愛情を注がなくてはなりません。
使命感と責任感を持って犬と深く向き合える人が、ドッグトレーナーの適性があるといえるでしょう。
また、飼い主が抱えている悩みをヒアリングしたり、しつけのアドバイスをしたりする機会も多いため、「人とのコミュニケーション」を苦手にしないことも重視されます。
さらに何度も犬にわかってもらう訓練ができる「根気強さ」、大型犬にも対応できる「体力」、飼い主ともいい関係性を築くための「行動力」も欠かせない素質となります。
ドッグトレーナーのキャリアプラン・キャリアパス
ドッグトレーナーとして一人前になるには、現場で経験を積むことが必要です。
しつけのサービスを提供する会社などの「見習い」の求人を探し、応募しましょう。
現場ではスキルや知識などを身につけて、どんな犬やお客さまにも対応できるスキルアップの努力が必要です。
経験を積んでからは、フリーランスのトレーナーとして独立する人や、サロンやペットショップをオープンする人など、さまざまなキャリアプランを描けます。
さらにペットビジネスの拡大にともない、高齢者施設や医療機関での「ドッグセラピー」など犬の活躍の場が広がっており、さまざまな方法でドッグトレーナーのスキルを生かせます。
ドッグトレーナーを目指せる年齢は?
ドッグトレーナーに年齢制限はありません。
子どもの頃から犬が大好きで、「絶対にドッグトレーナーになるんだ!」という一心で、学校を卒業してすぐこの仕事に就く人がいる一方、社会人になってしばらくしてから転職を目指す人もいます。
体力が必要な仕事ではありますが、情熱さえあれば、何歳からでも目指すのは遅くないでしょう。
ドッグトレーナーの募集は「実務経験者」の募集が多いですが、なかには実務経験・学歴・年齢不問で未経験者を採用しているところもあります。
ドッグトレーナーは高卒から目指せる?
ドッグトレーナーは高卒からでも目指せます。
高校卒業後、そのまま店舗に就職し「見習い」としてスキルを身につける方法もありますし、トレーナーの専門学校やスクールに入学して学ぶのもよいでしょう。
どこまで知識を深めたいのか、どのような資格を取得したいのかに合わせて、学ぶ場所を考えていくことがおすすめです。
ドッグトレーナーの求人状況・就職先選びのポイント
ドッグトレーナーの就職先にはどんなところがある?
ドッグトレーナーの就職先には、犬のしつけ教室、ペットショップ、ペットホテルなど、さまざまな選択肢があります。
まず、犬のしつけ教室は、「ドッグスクール」「犬の幼稚園」「犬の保育園」などとも呼ばれています。
飼い犬に対して基本的なしつけから、無駄吠えや噛みグセなどの問題行動を改善し、マナーを教える場所です。
しつけ教室の方針で、グループレッスンやマンツーマンレッスン、出張レッスンを行うなど指導方法も幅広く、ドッグトレーナーとしてスキルを最も活用できる場といえます。
次に、ペットショップを紹介します。
ペットショップでは、来店したお客様に接客や販売をすることがメイン業務になりますが、一部の店舗ではしつけ代行やトレーニングサービスをあわせて行っています。
こうした場では、トレーナーとしてのスキルを活用することが可能です。
続いて、ペットホテルとは、飼い主が旅行などで不在にする際に、犬を預かるサービスを提供する店舗です。
ただお世話をするだけでなく、ショートステイに合わせて数日間しつけのトレーニングサービスを提供しているホテルもあります。
そのような店舗では、ドッグトレーナーの技術を、惜しみなく発揮することができるでしょう。
そのほかには、しつけサービスを提供しているトリミングサロン、動物病院などで活躍する道も考えられます。
また、ドッグトレーナーは知識や経験を積んだら独立して働く人も多いです。
独立した人は、自らしつけ教室を経営したり、お客さまの自宅へ出向いてしつけを行ったりといったかたちで、仕事をしています。
ドッグトレーナーの求人の状況
ドッグトレーナーの求人数は、あまり多くないのが現状です。
先ほど紹介したように、就職先の種類としてはいくつも挙げられますが、そもそも犬の訓練をしている企業の数自体がさほど多くないため、トレーナーの求人量も少なめとなっています。
ただし、正社員としての採用は難しくても、アルバイト・パートや臨時職員の募集はそこそこ目立ちます。
「経験を積むこと」は非常に重要であるため、まずはどんな形でも現場に入って経験を積み、そのスキルを武器にして正社員を目指す方法を取ることも考えたほうがよいかもしれません。
正社員の就職活動では「実務経験3年以上」など年数を問われることがありますが、アルバイトやパートであれば、未経験者でも積極的に採用してくれる企業・店舗は存在します。
どうにかして現場に入り込む道を探り、そこからステップアップしていく努力が必要になるでしょう。
ドッグトレーナーの就職先の選び方
ドッグトレーナーの就職先は多岐にわたり、就職する企業や店舗によってトレーニング方法や犬との関わり方も変わってきます。
そのため、まずは自分がどんな風に犬と関わりたいか、トレーニングを行いたいのかを考えて、求人情報を探していくとよいでしょう。
たとえば「しつけ教室」では、ペットのトレーニングに重きを置いているため、しつけ中心で業務を進めていけます。
一方「ペットショップ」では、販売業務がメインになる可能性があります。
各社のホームページなどを見れば「出張トレーニング」「グループレッスン」「個別レッスン」「預かりトレーニング」など、その施設で行われているトレーニング方法や方針を読み取ることができるため、ぜひチェックしておきましょう。
また、ドッグトレーナーは体力勝負な仕事でもあるので、勤務時間はしっかり確認しておきましょう。
勤務体系がシフト制か、それとも固定なのか、といったことも大事なポイントですし、職場によっては週に何度か夜勤が入ることもあるからです。
休みも「週休2日制」「月6~9日程度」など企業によって大きく異なるため、応募前にきちんと確認しておくことがおすすめです。
ドッグトレーナーの志望動機・面接
ドッグトレーナーを目指す多くの人が「犬が好き」という志望動機を考えますが、これだけでは、なかなか採用されるのは難しい場合があります。
犬が好きなのは当然のこととして、「ドッグトレーナーとして何をしたいのか」「どんなドッグトレーナーを目指していきたいのか」などを、具体的に話せるようにしましょう。
多くの人は、正しいしつけを通じて犬が変わったという「自分の経験」や、困っている飼い主や犬を救いたい「社会貢献」にフォーカスした志望動機をまとめています。
また、面接では「なぜこの会社・しつけ教室なのか」「将来どのようなドッグトレーナーになりたいのか」など、具体的な質問を投げかけられることが多いようです。
そして、ドッグトレーナーは犬だけではなく、飼い主とのコミュニケーションが大切な仕事です。
人柄がよく、明るい印象の人が好まれるので、自己PRをするときは、笑顔でスムーズに応えられるように練習しておきましょう。
ドッグトレーナーの志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?
就職先はどのように探したらいい?
ドッグトレーナーの就職先を探す方法として代表的なものは、求人サイトの利用です。
たとえば大手ペットショップの「コジマ」などは、大手求人サイトに求人情報を掲載しています。
総合サイトのほかにも、ペット業界専門求人サイトなどもあるので積極的に活用してみましょう。
ペット専門サイトのほうが、仕事内容や勤務時間などより具体的に表示していることが多く、わかりやすいかもしれません。
個人経営しているペットショップやサロンでは、求人サイトではなく個別の公式サイトで求人募集をしている場合があるため、個別に探してみるのもおすすめです。
サイト以外にも専門学校やスクールに通っている場合は、学校にさまざまなショップや企業から届けられる求人情報も活用しましょう。
一般公開されていない求人も多いため、こまめに確認するといい情報をつかめるチャンスも上がります。
就職サポート制度のある学校では、たいてい専任のアドバイザーが相談にのってくれます。気軽に相談してみましょう。
ドッグトレーナーの働き方の種類とその特徴
ドッグトレーナーの雇用形態
ドッグトレーナーの雇用形態は、大きく以下3種類に分けられます。
・正社員
・アルバイト・パート
・フリーランス
犬の訓練をしている企業が少ないため、どの雇用形態も、求人数はそこまで多くありません。
とくに正社員の求人では、一定年数以上の実務経験が問われることもあります。
これからこの仕事に就きたい人は、まずアルバイトやパートでドッグトレーナーの補佐から経験を積み、その間にドッグトレーナーの民間資格をとって正社員としての就職活動をする人もいます。
経験を積み、知識やスキルが十分に身につけば、フリーランスになって活躍することも可能です。
正社員のドッグトレーナー
正社員のドッグトレーナーは、犬のトレーニングはもちろん、そのほかの付随業務も並行して行います。
おもな勤務先は、犬のしつけ教室からペットショップ、ペットホテルなどで、仕事内容は働く職場によって異なってきます。
同じしつけ教室でも、グループレッスンやマンツーマンレッスン、出張レッスンなど、指導方法や形態は職場ごとに異なります。
また、ペットショップでは来店したお客さまへの接客や販売業務、ペットホテルでは預かった犬のお世話も業務内容に含まれます。
正社員として働くメリットは、安定した働き方が期待できることです。
とくに大企業が運営するペットショップは福利厚生などの条件が整っていることが多く、給与水準も業界内ではやや高めです。
デメリットとしては、トレーニング以外の業務に追われがちなことや、指導方針と自分の理想のミスマッチが起こっても、会社の方針に従わなければいけないことです。
たとえば、ペットショップでは「月間に子犬を何匹以上売らなければいけない」といったノルマが設定されることがあります。
また、ペットホテル勤務の場合は、お世話のために月に何度か夜勤が入ることもあり、純粋にトレーニングだけができる環境とは限りません。
アルバイト・パートのドッグトレーナー
アルバイト・パートのドッグトレーナーの仕事内容は、犬のお世話やしつけトレーニング、飼い主であるお客さまへの指導や接客、送迎などです。
仕事内容は正社員とほとんど変わらない場合が多いですが、経験によっても異なります。
アルバイト・パートとして働くメリットは、自分の好きな時間帯・曜日で働きやすいことです。
正社員の場合は拘束時間が長く、自由な休みを取ることが難しいですが、アルバイト・パートであれば時間の融通がきくので、家事や育児との両立もしやすくなります。
また契約社員やアルバイト・パートは正社員に比べれば求人募集が多いため、仕事を見つけやすいのは魅力です。
一方、デメリットは店舗によっては見習い期間が長く、なかなか責任のある仕事を任されない場合があることです。
応募する前に、各企業の見習い期間の有無や働き方、仕事内容について調べておくことをおすすめします。
給料は地域によって異なりますが、時給900~1,100円程度が相場とされています。
店舗によっては経験に合わせて時給がアップする場合や、完全歩合制で1レッスンあたり1,500~4,000円の報酬がもらえる場合もあります。
フリーランスのドッグトレーナー
ドッグトレーナーは、知識や経験を積んでから独立してフリーランスになる人が多いのが特徴です。
自らしつけ教室を経営したり、サロンやペットショップをオープンしたり、お客さまの自宅へ出向いてしつけサービスを行ったりと、さまざまな活動をする人がいます。
ドッグトレーニングそのもののほかにも、犬のしつけに関する記事を書いて出版したり、講演活動を行ったりといった仕事ができるチャンスもありますし、人気が出てくればテレビやラジオなどに出演する機会も得られるかもしれません。
フリーランスの働き方のメリットは、自分の理想に合わせて自由な働き方が選べることです。
トレーニングの方針や形式も理想通りに行えますし、働く時間も自分で組みやすくなります。
デメリットとしては、トレーニングだけでなく「経営者」としての勉強や業務もしなければいけないことです。
お客さまを集めるための広告宣伝、安定的な収入を得るための顧客管理、市場調査、サービス内容の改訂などが上手にできないと、いくらトレーニング技術は高くても、収入がダウンしてしまう可能性もあります。
なお、フリーランスのドッグトレーナーは、お客さまに対して「1回のレッスンあたりいくら」で価格設定していることが多いです。
1回1時間のトレーニングで4,000円~5,000円が相場とされています。
人気ドッグトレーナーになれば、さらに金額を挙げることも可能ですから、努力次第ではよい収入と安定を得られるでしょう。