ビルメンテナンスになるには
ビルメンテナンスになるまでの道のり
ビルメンテナンスになる道のりはさまざまありますが、ビルメンテナンス業界の特徴として、新卒採用よりも中途採用で入る人が圧倒的に多いとことが挙げられます。
近年、都市部を中心に新しいビルの建設はいまだ続いており、今後はビルを「建てては壊す」のではなく、きちんと管理して長期的に使っていきたいという考えが増えてきています。
そのため、質の高いビルメンテナンスが求められる傾向が以前にも増して強まっており、大手系列系のビルメンテナンス会社を中心に、新卒採用に力を入れるところが急増しています。
自社でキャリアアップできるしくみを整えている会社も増えてきている一方で、まだまだ中途者が多い業界であることは確かです。
また、ビルメンテナンスは正社員ではなく、アルバイト・パートとして働くこともできます。
ある程度、パートとしてキャリアを積むと、同じ会社で正社員になる道が開かれることもあります。
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ビルメンテナンスの資格・難易度
ビルメンテナンスは、働くにあたって電気やボイラーなど、専門的な資格の取得も必要になりますが、就職の時点で必ずしもそれらの資格が求められるわけではありません。
とくに若い人の場合は、専門的な勉強をしてこなくても採用されるケースが大半です。
入社後、実務を通じて知識を蓄えていき、さらに勉強をして資格取得をしてステップアップしていく流れが一般的でしょう。
ただし、中途採用が多いため、就職時にどれほどの資格が必要かはビルメンテナンス会社によって異なり、先に関連資格を取得していれば、それだけ評価してくれる会社も多いです。
また、いくら資格があっても仕事につながらなければ意味がないため、その点には要注意です。
「ビルメン4点セット」とは
ビルメンテナンスの仕事の基本となる4つの資格は、一般的に「ビルメン4点セット」あるいは「ビルメン4種」と呼ばれています。
資格とは、以下の4つです。
・第二種電機工事士
・危険物取扱責任者乙種4類
・二級ボイラー技士
・第三種冷凍機械責任者
これらを取得してれば、ビルメンテナンスとして基礎的なひと通りの作業は担当できるとされています。
第二種電気工事士は、ビルや住宅などの建物内の電気設備に関する工事をするための資格です。
危険物取扱者試験は消防法によるガソリンや過酸化水素など「危険物」を取り扱う場合に必要な資格です。
ビルでボイラーの燃料として重油が使われていることが多く、重油を保存管理するためにこの資格が求められます。
第三種冷凍機械責任者は、業務用の空調や冷凍庫などに使われる冷凍機械と呼ばれる設備を管理するための資格です。
ただし、ボイラー技士については、最近はボイラーを備えるビルが減っていることや、無資格でも扱えるボイラーが増えている関係で、さほど必要性を感じないという意見もあります。
「ビルメン三種の神器」とは
ビルメン4点セットよりも難関資格として知られているのが、「ビルメン三種の神器」といわれる3つの資格です。
それは以下の3つの資格です。
・第三種電気主任技術者免状(電験三種)
・建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
・エネルギー管理士(熱・電気)」
電験三種は、電気に関する知識と技術を証明する国家資格であり、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力が5,000キロワット以上の発電所は除く)で、工事・運用・維持の保安監督業務が可能になります。
ビル管理士は、建築物の環境衛生の維持管理に関する監督をするための国家資格で、床面積が3,000平方メートル以上ある場合に設置が義務付けられます。
エネルギー管理士(熱・電気)は、規定量以上のエネルギーを使用する工場への設置が義務付けられていることから、取得していると就職・転職時に優遇されることが多いです。
とくに電験三種は合格率が10%以下になる年も多く、非常に難しい資格ですが、ビルメンテナンスとしてキャリアを積んでいくなかで取得を目指す人は多くいます。
そのほかの資格
そのほか、ビルメンテナンス業界で近年注目を集めている資格に「消防設備士」があります。
消火器やスプリンクラー設備などの消火設備、自動火災報知設備などの警報設備、救助袋などの避難設備の設置工事、点検整備を行うことができる資格です。
ビルメンテナンスが扱う大型のビルや商業誌施設では、必ず消防設備が整えられていますので、こうした知識を身に付けておくと仕事をする上でさらに役立つでしょう。
ビルメンテナンスになるための学校の種類
ビルメンテナンス会社では未経験者も積極的に採用していますが、早くからこの職業を目指しているのであれば、工業系の高校や高等専門学校で学ぶ道が考えられます。
こうした学校では、第二種電気工事士などの関連資格の取得できるため、就職時に差をつけることができるでしょう。
そのほか、専門学校や工業系の大学で設備管理を学ぶ道もあります。
また、最近ではハローワークと連携した職業訓練校において、ビルメンテナンス関連のコースの人気が高まってきています。
先にこうした学校で学ぶか、それとも未経験OKの現場に入って実務を通じてスキルアップしていくか、自身の目指す道を踏まえてよく考えてみるとよいでしょう。
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ビルメンテナンスに向いている人
ビルメンテナンスは、電気関係や空調機器、環境衛生など、さまざまな専門知識が必要とされる職業です。
関連資格は多く、自身のキャリアアップのためにも勉強を続けていかなくてはなりません。
働きながらコツコツと資格取得のための勉強をしなくてはならないため、地道な努力を継続できる真面目な性格の人が、ビルメンテナンスに向いているでしょう。
ビルメンテナンスを目指せる年齢は?
ビルメンテナンスは、昔から中途採用が中心の業界といわれ、50代や60代で転職する人も非常に多いのが特徴です。
体力的にも厳しい仕事ではないため、年齢を重ねても働き続けられるといえるでしょう。
ビルメンテナンスは高卒から目指せる?
慢性的な人手不足であることから未経験者が受け入れられる傾向が強く、大学や専門学校などで特別な勉強をしていなくても、ビルメンテナンス会社に入るのはさほど難しくありません。
異業種から転職する人が多く、平均年齢はどうしても高めになりがちであること、また人手不足で未経験者が積極的に受け入れられやすいことから給与水準は低めなのが現状です。
そのため、なかなか若手が活躍するのが難しい状況が続いていましたが、近年ではとくに20代から30代で異業種からの転職も受け入れられることが増えました。
もちろん高卒からでも十分に活躍できる可能性はあり、新卒を採用しているビルメンテナンス会社も増えてきています。
ビルメンテナンスは女性でもなれる?
ビルメンテナンスは、まだまだ男性が圧倒的に多い業界です。
決して女性にできない仕事というわけではありませんが、電気や空調、ボイラーといった各種設備を扱う仕事柄、男性がこの仕事に興味を持つことが多く、女性は非常に少ないです。
ただし、実際は力仕事は少なく、女性でもさほど無理をすることなく働くことは可能です。