理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の違い
仕事内容の違い
理学療法士の仕事内容
理学療法士(PT)は、病気や事故などによって身体に障害を抱える人や身体機能が衰えた高齢者などに対してリハビリテーションを行い、運動能力の回復を援助する仕事です。
身体の構造について熟知している理学療法士は、医師の指導の下で、患者さん一人ひとりに合う運動療法や物理療法などを取り入れたリハビリを計画・実施します。
作業療法士が手芸や工芸などの作業療法、言語聴覚士が言語訓練などの言語聴覚療法を行うのに対して、理学療法士は「歩く、座る、食べる」などの基本的な身体機能の回復を図ります。
作業療法士の仕事内容
作業療法士(OT)は、病気や事故などによって身体に障害を抱える人に対してリハビリテーションを行い、日常生活に必要な能力を高める訓練や指導を行う仕事です。
医師の指導の下、患者さん一人ひとりに合ったリハビリを計画・実施するのは理学療法士と同じです。
しかし、作業療法は理学療法に比べるとより細かく、応用的な心身の回復を援助するものとなっており、織物、手芸、書道、園芸、体操など、日常的な動作や活動を取り入れていくことが特徴です。
言語聴覚士の仕事内容
言語聴覚士(ST)は、生まれつきの障害や脳機能の障害などによって話すことや聴くことに不自由のある人に対し、言語能力や聴力能力を回復させるリハビリテーションを行う仕事です。
呼吸や発音の練習、口の体操といった言語聴覚士の実施するリハビリはコミュニケーション能力を回復させることにつながりますが、そのほか、食べ物がうまく飲み込めない嚥下障害を持った人に対して、口を開けたり飲み込んだりする練習も行います。
これらのリハビリを実施することで、患者さん自身の自立や社会復帰をサポートしていきます。
なる方法、資格の違い
理学療法士になる方法、資格
理学療法士として働くには、理学療法士の国家資格が必要です。
高校卒業後に理学療法士課程のある4年制大学や短大・専門学校(3年)で必要科目を修得し、国家試験合格を目指します。
なお、作業療法士の国家資格を持っていると、理学療法士の学校で一部の単位が免除されます。
勤務先の中心となるのは病院ですが、高齢化社会が進む現代の日本では、他の医療職と同様に福祉施設での需要も高まっています。
作業療法士になる方法、資格
作業療法士として働くには、作業療法士の国家資格が必要です。
高校卒業後に作業療法士養成課程のある4年制大学や短大・専門学校(3年)で必須科目を修得し、国家試験合格を目指します。
資格取得後は、理学療法士と同じように、病院や福祉施設などに就職して働くことが一般的となっています。
そのほか、特別支援学級や児童養護施設など、子どもを相手とするリハビリテーションに深く関わる作業療法士もいます。
言語聴覚士になる方法、資格
言語聴覚士として働くには、言語聴覚士の国家資格が必要です。
高校卒業後、言語聴覚士の養成課程がある大学や短大、専門学校で学ぶか、一般の大学卒業後に言語聴覚士養成所で2年学ぶことで、国家試験の受験資格が得られます。
代表的な勤務先は、病院やリハビリ施設などの医療機関です。理学療法士や作業療法士に比べると求人が少なめとはいわれていますが、福祉施設や養護学校なども活躍の場となっています。
20代で正社員への就職・転職
収入、待遇、雇用形態の違い
理学療法士の収入、待遇、雇用形態
理学療法士の正社員の平均年収は350万円〜500万円程度といわれています。
規模の大きな病院は給与が高めに設定されていることが多いようですが、勤務先によって給料も待遇の内容も異なります。
専門職といえども、小さな福祉施設勤務の場合は同世代の平均年収を下回ることもあります。
役職がつけば昇給も望めますが、極端な年収アップにはならないケースも多いようです。
理学療法士はリハビリに関わる職業のなかでも就職先の選択肢が多いですが、職場によって待遇面にはだいぶ差があるといえるでしょう。
作業療法士の収入、待遇、雇用形態
正社員として働く作業療法士の平均年収は350万円〜450万円程度といわれており、理学療法士とほぼ同水準と考えておいてよいでしょう。
ただし、勤務先によって給与や待遇の内容はだいぶ異なり、一般的には福祉施設よりも病院のほうが良い条件で働けることが多いようです。
パートなど非正規社員として働く場合は、時給2,000円程度が相場です。
手当てなどが比較的整っている職場が多いようですが、勤続年数や年齢が上がっても大きく昇給が望めないケースもあるようです。
言語聴覚士の収入、待遇、雇用形態
言語聴覚士の平均年収は300万円〜400万円くらいといわれています。
理学療法士や作業療法士と同じくリハビリテーションに携わる専門職ではありますが、それらと比較すると、わずかながら給与は低めの傾向です。
しかし、言語聴覚士はまだ比較的新しい職業であり、人数も多くないため、地域や勤務先によってはかなり良い待遇で受け入れられることもあります。
時代とともに言語聴覚士の就職先の選択肢が広がるにつれ、正社員からパート、契約社員など、働き方も多様化してきているようです。
この記事のまとめ
ここで取り上げた3つの職業のなかでは、理学療法士が最も知名度が高いといわれています。
しかし、高齢化社会が進み続けるいま、作業療法士や言語聴覚士のニーズも徐々に高まっており、活躍の場も医療から福祉の現場へと大きく広がりを見せています。
これらは今後も社会から必要とされ、注目を集めていく職業といえるでしょう。
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