プロビリヤード選手になるには? 賞金額や収入、必要な能力を解説

ビリヤードは国内の競技人口約4500万人といわれる人気の競技です。

今回ご紹介するプロビリヤード選手は、ビリヤードの大会に出場して賞金を獲得する「プロビリヤード選手」です。

プロライセンスを取得し、選手として大会に出場したりレッスンプロとして指導を行ったりしています。





プロビリヤード選手の仕事内容

国内外の大会に出場して賞金獲得を目指す

プロビリヤード選手のおもな仕事は、ビリヤードの試合に出場して勝利を目指すことです。

現状、日本にはビリヤードのプロリーグは存在していないため、プロビリヤード選手は国内や海外のビリヤードの大会に出場しています。

大会で好成績を収めると賞金を獲得することができ、それがプロビリヤード選手の主な収入源となります。

たとえば国内最高峰の大会の一つである全日本選手権であれば、男子の優勝賞金が240万円、女子の優勝賞金が80万円です。

続いて男子の準優勝が120万円、3位が60万円、女子の準優勝は40万円、3位は20万円と順位によって獲得賞金が決まります。

海外の大会では、全日本選手権の倍以上の賞金を獲得できる大会もあります。

副業で収入を得る人も多い

プロビリヤード選手の賞金獲得額は、他のプロアスリートに比べると決して高いとはいえません。

トップ選手であれば大会の獲得賞金の他にスポンサー契約料やイベント、メディアへの出演料などもあり、年収は500万円から1000万円程度の人が多いです。

収入額は公表されていないため推定額となりますが、海外のトップ選手でも獲得賞金とスポンサー契約料で年収は2000万円ほどと言われています。

プロ野球の年俸や企業スポーツの給料のようにベースとなる収入は保障されておらず、大会で好成績を収めることができなければ収入はありません。

賞金が得られなければ大会の遠征費や参加費によって赤字となることもあるため、大会の賞金のみで生計を立てられるプロビリヤード選手は限られているのが実情です。

多くのプロビリヤード選手は、ビリヤード店の経営やビリヤードのレッスンプロなどの副業でも収入を得ています。

プロビリヤード選手になるには・必要な資格

プロビリヤード選手になるためには、プロライセンスを取得する必要があります。

プロライセンスを取得するには、日本プロポケットビリヤード連盟が年に2度実施しているプロテストに合格しなければいけません。

プロテストは受験料の2万円を支払い、必要書類を揃えて提出すれば誰でも受験することは可能です。

テストの内容は実技試験と筆記試験に分かれており、難易度は高いです。

実技試験は日本プロポケットビリヤード連盟が考案した「ボーラード」という競技種目で行われ、対戦相手とポイントを競います。

300点満点のボーラードを3ゲーム行い、合計のポイントで男子は630点以上、女子は420点以上が合格となります。

筆記試験についてはビリヤードの基礎知識や一般常識が出題され、100点満点中80点以上が合格です。

実技試験と筆記試験をともに合格すると、プロライセンスを取得することができます。

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プロビリヤード選手に向いている人・適性・必要なスキル

プロビリヤード選手は、野球やサッカーといったメジャースポーツのプロアスリートと比べると高収入を得ることが難しいです。

トップ選手であれば大会の獲得賞金やスポンサー契約料、イベントやメディアへの出演料などで生計を立てることができますが、それは一部の選手に限られます。

多くの選手はプロビリヤード選手としての収入だけでは食べていくことが難しいため、まずは本当にビリヤードが好きであることが重要です。

その上で、プロビリヤード選手として日々スキルを磨き続け、大会で好成績を収める努力が不可欠となります。

この点は他競技のプロアスリートも同様ですが、とくにビリヤードは個人競技ですから孤独に負けづに練習を続けていく粘り強さが求められます。

また、現実的にはビリヤード場の経営やレッスンプロなどの副業を持つ人も多いため、複数のことをこなせるマルチ能力も必要です。

プロビリヤード選手の求人状況

プロライセンスを取得すればプロビリヤード選手になることができるため、求人というものはありません。

しかし、プロライセンス取得の難易度はかなり高く、もちろん誰でもできる職業ではありません。

ビリヤードは国内の競技人口が4500万人ともいわれる人気競技ですが、プロライセンス保持者は非常に少ないです。

日本プロポケットビリヤード連盟が実施しているプロテストに合格し、プロライセンスを保持しているプロビリヤード選手は2021年現在わずか270名程度です。

また、プロライセンス保持者の男女比は、男子が200名強、女子が60名強となっています。

ビリヤードは競技で使用されるテーブルの違いによって、ポケット、キャロム、スヌーカーなどの種類があり、日本国内ではポケットビリヤードが最も盛んに行われています。

そのため、日本のプロビリヤード選手の大半は日本プロポケットビリヤード連盟のプロライセンスを保持しています。

プロビリヤード選手の現状と将来性

近年、競技としてのビリヤードは国際的に盛り上がりを見せつつあります。

アジアの国々のスポーツの祭典として4年に一度開催されているアジア競技大会では、2030年の大会からビリヤードが採用されることが決まりました。

アジア競技大会におけるビリヤード競技は1998年のバンコク大会から4大会連続で開催されていましたが、2010年の中国・広州大会を最後に種目から外れてしまいました。

しかし、2030年に開催予定のカタール・ドーハ大会で20年ぶりに復帰を果たすことになっています。

また、ビリヤードはオリンピックの新種目候補としても検討が進んでいます。

東京オリンピックでは新種目候補に挙がりながら惜しくも採用されませんでしたが、2024年のパリ大会での新種目入りに向けた動きが本格化しています。

ビリヤードがオリンピックやアジア競技大会の種目となれば選手にとっても大きな目標となり、国内でもビリヤード人気が高まるかもしれません。

今後のプロビリヤード界の盛り上がり、選手の待遇改善に期待が高まります。

「プロビリヤード選手の仕事」のまとめ

プロビリヤード選手は国内外の大会に出場し、賞金獲得を目指して戦う職業です。

プロビリヤード選手になるにはプロライセンスを取得する必要があり、日本プロポケットビリヤード連盟が主催するプロテストに合格しなければいけません。

ビリヤードはオリンピックやアジア競技大会の新種目となる動きがあり、今後盛り上がる可能性のある業界です。

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