国際化に伴い入国警備官への期待は高まる
国際化が進むと共に、ビジネスや留学、観光目的で来日する外国人の数は増えています。しかしそれに伴って、入管法に違反して在留する外国人や、母国よりも良い環境の日本で不法就労を続けようとする人も後を絶ちません。
また、中には別の目的を装って日本で犯罪を起こそうとする外国人もいるため、社会秩序と国民生活を守るためには、日常的な調査と取り締まりが必要不可欠です。
そこで、入国警備官は大きな使命を果たします。入国警備官は、裁判所の許可に基づき違反者の捜索や押収ができる権限を持っており、厳正なる手続きを経て、年間5万人程度の違反者を母国などに送還させています。
今後さらに国際化が進むことは確実といえ、入国警備官の活躍がますます期待されるようになるでしょう。
熟練した人材の育成が課題
重要性の高まる入国警備官ですが、その職務の困難さから比較的高い離職傾向にあり、新人や若手警備官が増加しています。
入国警備官の職場である「地方入国管理センター」などは全国に広がるため、一定数を確保するために採用試験は毎年実施されています。ただし、仕事は現場経験を積むことで深い知識やスキルが身についていくため、離職率を下げ、熟練した人材を育成することが課題となっています。
平成24年度からは、40歳未満の人を対象に社会人採用もスタートしましたが、採用予定者数も少なくまだ実績が浅いため、今後の動向が注目されます。