和菓子職人の仕事内容

和菓子職人の仕事とは

和菓子職人とは、日本の伝統的なお菓子である和菓子を作る職人のことです。

和菓子といえば豆菓子やおせんべいなど身近なお菓子もありますが、和菓子職人が作る和菓子は贈答品や挨拶、茶席で提供されるような高級菓子をさします。

味のおいしさはもちろんですが、見た目の美しさや季節感を表現する技術力が求められる仕事です。

老舗の和菓子店など比較的規模の小さな店舗では、接客や販売、材料の発注、店舗経営に関わる仕事など幅広い業務にたずさわることもあります。

お客さまから挨拶や茶会にふさわしい和菓子を選ぶ相談にのることもあるため、茶道や二十四節気、礼儀作法などについての勉強も欠かせません。

日本の伝統文化を継承し、魅力を発信できるのは和菓子職人の魅力といえるでしょう。

和菓子職人の業務の内容

和菓子を作る

和菓子職人のメイン業務はもちろん、和菓子を作ることです。

店頭に並べる商品だけでなく、お茶席用に予約があった菓子をひとつひとつ丁寧に仕上げます。

和菓子職人の扱う食材は、和菓子の主役ともいえる餡(あん)を作る小豆やいんげん豆などの豆類、粉類では小麦粉のほかに上新粉、白玉粉、きな粉、わらび粉など多種多様です。

栗や柿などの季節の果物のほかに、寒天も欠かせません。

これらの食材を使って「蒸す」「焼く」「練る」などの技法を駆使して、餅菓子やまんじゅうなどの「生菓子」や、落雁(らくがん)や和三盆(わさんぼん)などの「干菓子」を作ります。

新しい和菓子を生み出す

和菓子職人は伝統的な和菓子を作るだけでなく、新しい和菓子を企画・考案することも仕事です。

季節に合わせた商品や、独自の表現力を生かして世界にひとつだけのオリジナルの和菓子を生み出します。

オリジナルの和菓子を作ることは、技術力や独創性を見せられる和菓子職人の腕の見せどころともいえるでしょう。

和菓子を販売する

和菓子店は従業員が10人以下の小規模な店舗が多いことから、菓子職人が販売接客を担当することも珍しくありません。

そのほか予約分の配達や材料の仕入れ、経営に関する仕事などにも関わることがあります。

和菓子職人の役割

若手職人を育てる

腕のいい和菓子職人には、若手職人に技術を伝えて育てる役割もあります。

和菓子は伝統を受け継いでも、ひとつひとつの店舗ごとのオリジナリティーが色濃く出るのが特徴で、味を受け継ぐ職人がいなければその店の味や看板商品は途絶えてしまいます。

近年は後継者不足で廃業してしまう和菓子店も少なくないことから、長く人々に親しまれる和菓子を未来に残すためにも、若手の育成が和菓子職人にとって大切な仕事となっているのです。

日本の伝統文化を発信する

和菓子職人は、日本の伝統的な和菓子の美しさやおいしさを多くの人に発信する役割もになっています。

和菓子は茶道とともに発展してきた歴史があります。

「わび」「さび」など日本庭園の美学にも似た芸術性も求められます。

また夏は涼やかさを表現した水ようかんや若鮎、秋には柿や栗を使った和菓子など、季節感の表現も大切にしています。

茶道や二十四節気、俳句の季語などについての知識の勉強を身につけながら、和菓子を通じて若者や海外の人に向けて、日本文化の美しさや季節感を伝えることは大きな役割といえるでしょう。

和菓子職人の勤務先の種類

和菓子職人の勤務先には、和菓子専門店以外にも、和カフェ、教育機関など幅広い選択肢があります。

勤務先によって担当する仕事もさまざまです。

たとえば老舗和菓子店や団子・餅などの専門和菓子店では、10人以下の小規模店舗が多いので、和菓子の製造から販売まで一手に引き受けます。

甘味処、和カフェに就職した場合、接客を担当することもあるでしょう。

和菓子を製造する工場の場合は、仕込みから仕上げまでひとりで担当するのではなく、製造工程ごと、または商品ごとに担当が分かれています。

また、大手菓子製造メーカーの商品開発部門も就職先の1つです。

製菓専門学校などの教育機関にインストラクターやフードコーディネーターとして勤務する人もいます。

和菓子職人として具体的にどんな仕事をしたいかによって、勤務先を選ぶとよいでしょう。

和菓子職人の仕事の流れ

和菓子職人の仕事の流れは、店舗の規模や企業によって働き方が異なります。

一般的な和菓子専門店では、和菓子職人は7:00前後の朝早くに出勤するのが通常です。

生菓子は作り置きできないためです。

朝一は、賞味期限が1日しかないような作った当日に売り切るお団子、大福、おまんじゅう、柏餅などの朝生(あさなま)作りを行います。

午前中の残りの時間はどら焼きやあゆがし、もなかなどの賞味期限が2~3日の中生(ちゅうなま)作りを行いますが、午前中は来店するお客さまが多い時間帯なので、接客や配達で出かけることも多いです。

午後は集中力や技術力が求められる上生(じょうなま)菓子を作ることが多く、日持ちのするギフト用のお菓子も手がけます。

夕方からは翌日の仕込みを行い、繁忙期でなければ17:00頃の閉店とともに退勤できる日もありますが、繁忙期は夜遅くなることもあります。

早出や残業は覚悟しておきましょう。

和菓子職人と関連した職業

和菓子職人とショコラティエの違い

ショコラティエは、洋菓子職人(パティシエ)の中でもとくに「チョコレート」を専門に扱う職人のことです。

トリュフのような一粒タイプのチョコレートから、ケーキやバウムクーヘンのようなチョコレートを使った焼き菓子などさまざまな商品を作ります。

特別な資格は必要ありませんが、製菓を学べる専門学校に進学して、洋菓子店で修行をして技術を身につけなければいけません。

ショコラティエの仕事

和菓子職人と寿司職人の違い

寿司職人は、和菓子職人と同様に日本の伝統食を扱う仕事です。

寿司職人に特別な免許や資格は必要ありませんが、調理全般に関する知識、専門分野である生の魚介類の「目利き」能力を養うために、現場で技術を体得する必要があります。

寿司職人の仕事