和菓子職人になるには? 必要な資格はある?

和菓子職人になるまでの道のり

就職するか専門学校へ進学

和菓子職人になるために昔は中卒で親方に弟子入りするケースがほとんどでしたが、現在では大きく2つのルートに分かれています。

1つ目は高校卒業後に和菓子店や和菓子メーカーに就職するか、和菓子店に弟子入りする方法です。

2つ目は和菓子の専門学校や製菓専門学校の和菓子コースを卒業後、和菓子店や和菓子メーカーに就職するか、弟子入りする方法があげられます。

専門学校は高卒から受け入れてくれるところが大半ですが、中には中卒で入学できる場合もあるので、経済状況などを加味しながら選ぶとよいでしょう。

専門学校への進学の良い面と悪い面

専門学校を卒業したり、資格を取得することによって就職に有利になる場合があります。

ただし「よけいな色がついていない」まっさらな若者の方を好む就職先があることも事実です。

自分が働きたい店や会社が決まっている場合は、熱意が伝われば学歴を問わずに採用してくれるところもあるので、直接問い合わせてまず何をするべきか相談してみるのもよいでしょう。

ただし時間的・経済的に余裕があるなら、まず専門学校で基礎を学びつつ、人脈を作ると将来に役立つでしょう。

和菓子職人になるまでのルート

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和菓子職人の資格・難易度

和菓子職人になるためにとくに資格は必要なく、和菓子店や和菓子製造メーカーに職人として就職する際も、資格や学歴は問われません。

それ以上にセンスや味覚が重要です。

ただし「製菓衛生師」や「製菓製造技能士」と言った菓子に関する資格は、菓子作りの技術やできあがった菓子の品質を証明することができるため、就職で有利になることもあります。

将来的に自分の店を持つ目標がある人、店長や工場長として責任ある立場につこうとする人にとっては、持っておいて損のない資格でしょう。

難易度は「製菓衛生師」は国家試験でありながら合格率は例年70%~80%前後と高めなので、しっかりと勉強しておけば資格を取得できます。

参考:厚生労働省 製菓衛生師の概要

「製菓製造技能士」の合格率は40%~50%程度と、「製菓衛生師」に比べて少し難易度が高い資格です。

参考:日本菓子教育センター 菓子製造技能士

和菓子職人になるための学校の種類

和菓子職人を目指す人の学校

残念ながら、現在は和菓子に特化した学校はありません。

学校に進学する場合は、和洋問わず菓子について学ぶ製菓専門学校や大学の製菓学科、または広く調理を学ぶ調理師学校を選ぶことになります。

和菓子店や和菓子職人が主催する民間の講座も存在しますが、職人を目指すより趣味で和菓子作りをしたい人が対象であることに注意が必要です。

製菓専門学校や大学の製菓学科では、おもに栄養・食物学、生活科学健康科学、保険・衛生学を学びます。

しかし本気でプロを目指す人と趣味の人ではモチベーションが異なるため温度差に戸惑うかもしれません。

また菓子づくりについて幅広い知識は得られるものの、和菓子専門の技術までは習得できない可能性もあります。

和菓子職人に学校は必要か

和菓子職人に学歴は必要ないため、中卒レベルの知識と一般常識があれば十分通用するでしょう。

製菓学校を無事に卒業して希望の和菓子店に就職できたとしても、それから過酷で長い下積み生活が始まります。

学校で習ったことよりも、その店ごとのやり方や伝統技術が尊重されるため、一から覚えなければいけないことが多いです。

そのため勤めたい和菓子店がある場合は製菓学校に進学せずに、高校卒業後すぐに和菓子店への就職を目指した方がいい場合もあります。

また将来起業したい人や実家の和菓子店を継ぐ予定の人合は、製菓学校で学び広く知識と教養をつけるという道もあります。

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和菓子職人に向いている人

和菓子職人に向いている人は、食材についての知識はもちろんのこと、鋭敏な味覚がある人でしょう。

和菓子は茶道とともに発達してきた歴史があるので、季節の移ろいを感じ、それを作品で表現できる芸術的センスが不可欠です。

また重い調理器具を扱う1日中立ちっぱなしの仕事になりますので、体力があること、足腰の丈夫さも武器となるでしょう。

修行時代を乗り越えるためには、先輩を敬う気持ちや礼儀正しい姿勢や、諦めずにやりきる粘り強さも必要です。

和菓子職人に向いている人・適性・必要なスキル

和菓子職人のキャリアプラン・キャリアパス

一人前の和菓子職人になるためには、和菓子店や企業に就職して下積み期間を送る必要があります。

すぐに手取り足取り和菓子作りを教えてもらえるわけではありません。

掃除や洗い物、配達などの雑用から入り、数ヶ月から数年勤めると、餡炊きなどの下準備を担当するのが一般的です。

見習い期間は店によってさまざまですが、さらに数ヶ月から数年後に、やっと和菓子作りに関わることができます。

重労働や和菓子作りができないジレンマからほとんどの人が離職してしまうため、駆け出しのころは労働条件や待遇などについてある程度割り切って考えた方がよいでしょう。

免許や資格がいらない仕事ではありますが、職人は実力勝負の世界で、すぐれた腕を持つ人ほど高待遇で働くことが可能です。

一人前になってからはその店の職人として勤め上げたり、さらに高待遇の店に転職したり、自分の店を出す夢を叶える人もいるなど、腕次第でキャリアアップを目指せるでしょう。

和菓子職人を目指せる年齢は?

実は「手に職」を持つ和菓子職人への転職が静かな人気を集めており、40代でも目指すことが可能です。

求人を見てみても年齢制限を設けているところはほとんどないため、熱意が認められれば働くことができるでしょう。

ただし一人前になるまでに時間がかかり、力仕事が多いので、若者の採用の方が有利になることは事実です。

年齢が若い人の方が、厨房の暑さや立ちっぱなしなど和菓子店特有の悪条件に負けない体力があるでしょう。

また見習い期間は、拘束時間が長い割に給料が10万円台ということも珍しくないので、やる気だけでなく、生活していけるかどうかもよく検討して決めるとよいでしょう。

和菓子職人は高卒から目指せる?

和菓子店によってはまっさらな状態の若者を好む場合もあるため、和菓子職人は高卒から目指すことができます。

ただし和菓子職人の養成講座や製菓学校などで基礎を学ぶことは、苦しい修行期間を短縮できたり和らげるメリットもあるので、慎重に進学か弟子入り、就職するかを決めるとよいでしょう。

ちなみに弟子入りは通常の就職とは異なり、自分が目標とする一流和菓子職人や、その人が所属する和菓子店に直談判して認めてもらいます。

昔は丁稚奉公(でっちぼうこう)のように給料なしで奉公する代わりに技術を教えてもらうケースが多かったものの、現代では弟子にも給料が支払われます。

和菓子職人は女性でもなれる?

和菓子職人は、女性でもなることが可能です。

近年女性の和菓子職人は増加していますが、それでも圧倒的に男性が多く、女性は一握りとなっています。

和菓子職人として一人前になるまでに10年かかるという世界ですので、女性の場合は結婚や出産によるライフイベントがネックになり、退職してしまう人が多いようです。

しかし女性の職人の増加に合わせて、産前・育休制度の充実など職場環境の見直しが行われ、働きやすくなることも十分に考えられます。

女性ならではの手先の器用さや、繊細な感性は、和菓子職人にふさわしい能力だといえるでしょう。

女性のキャリアパス・結婚後の生活