女性でも宇宙飛行士になれる?

日本における女性宇宙飛行士の現状

日本では、これまでに向井千秋さん、山崎直子さんの2名の女性が宇宙飛行士に選抜され、宇宙でのミッションを経験しました。

両名とも現在は引退されており、JAXAに所属する現役の宇宙飛行士は全員男性で、現状、女性は0名ですが、今後実施される試験に合格すれば、女性でも宇宙飛行士になることは十分に可能です。

過去の選抜試験でも、回を重ねるごとに応募者の女性割合は増しており、直近となる2008年の第5回試験では、応募者963名中124名が女性となり、初めて100名の大台を突破しました。

向井さん・山崎さんに続く、史上3人目の女性宇宙飛行士の誕生が期待されます。

海外における女性宇宙飛行士の現状

NASAでは、これまでに計45名の女性宇宙飛行士が誕生しており、現役宇宙飛行士をみても、全体の約2割ほどが女性となっています。

NASAの場合、そもそも抱える宇宙飛行士の人数自体が非常に多いということもありますが、日本と比べると、女性宇宙飛行士はより一般的な存在といえるでしょう。

2019年には、歴史上初となる、女性宇宙飛行士だけでの船外活動が実施されましたし、NASAは、女性宇宙飛行士を月に送る「アルテミス計画」も発表しています。

しかし、宇宙飛行士には、強靭な筋力や体力が求められることもあって、女性のほうが不利になりやすいのも事実です。

とくに宇宙開発黎明期の頃は、宇宙飛行士に選ばれるのは屈強な軍人の男性ばかりであり、宇宙船も男性の使用を想定して設計されていました。

たとえばトイレに関しては、宇宙では重力がないため、尿を専用のポンプで吸い取る必要がありますが、長年にわたって男性器に装着する形式の装置しかなく、女性用装置が開発されたのはつい最近のことです。

また、宇宙服についても、国際宇宙ステーション(ISS)には男性用サイズのものしか用意されていなかったため、2019年に実施された上述の女性宇宙飛行士の船外活動は、7か月間も延期された経緯があります。

こうした物理的・生理的な事情もあって、まだまだ女性宇宙飛行士は男性よりも非常に少ないのが現状であり、アメリカ以外では各国1名か2名、宇宙開発先進国であるロシアでも歴史上わずか4名しかいません。

国際的にみても、日本と同様、女性宇宙飛行士の活躍はまだまだこれからといえるでしょう。

女性宇宙飛行士を支援する取り組み

NASAでは、国風として男女平等の機運が日本より強く、女性の社会進出が盛んであることもあって、比較的早期から女性宇宙飛行士の支援体制が構築されています。

施設内で、公的・私的双方の保育サービスを受けることができますし、職員の家族問題を扱う専門の部署があり、育児だけでなく、家庭環境全般の相談に対応しています。

山崎直子さんも、そうしたサポートを受け、宇宙飛行士に選抜されてから出産し、育児期間中であった2010年に、ISSへのフライトに臨みました。

JAXAでも、職員専用の「ほしのこ保育園」を開設するなど、女性スタッフでも働きやすい職場づくりを進めており、女性管理職の人数を2倍にするなど、具体的な数値目標を設定して積極的に活動しています。

ほかの一般的な職業と同様、宇宙飛行士についても、女性の就労環境は急ピッチで改善されていく見通しです。