宇宙飛行士のつらいこと・大変なこと・苦労

宇宙飛行士のつらいこと・大変なこと

厳しい訓練に耐え続けなければならない

宇宙飛行士は、宇宙というきわめて過酷な環境でさまざまなミッションをこなすための、数多くの訓練を積まなければなりません。

訓練は多岐にわたり、各種機器の操作方法を学ぶシミュレーション訓練や、体力や判断力を養うための登山訓練、緊急対応訓練、宇宙に最も近しい環境といわれる海底の閉鎖施設における訓練もあります。

そうした訓練は、日本人の場合、NASAの宇宙飛行士と合同で行うケースが非常に多く、すべて英語で実施されますので、内容を理解するだけでも大変ですが、訓練自体も非常にハードです。

たとえば、ロケット打ち上げ時の垂直重力に耐えるための訓練では、通常時の9倍の重力に耐えることが求められます。

一般的に、常人が耐えられる重力は4倍~6倍が限界とされており、それ以上の重力がかかると、「トンネル・ヴィジョン」と呼ばれる視野狭窄が起こり、ほどなく失神します。

普通の人間では、意識を保つことさえできない状況に耐えなければならない宇宙飛行士の訓練は、想像を絶するつらさが待ち受けているといえるでしょう。

いつ宇宙に行けるかはわからない

そうした厳しい訓練に耐える日々を送り続けても、いつ宇宙に行けるかはわかりません。

国際宇宙ステーション(ISS)の定員は6名と定められており、他国の宇宙飛行士と限られた席を分け合わなくてはなりませんし、またISSにたどり着くためのロケットの定員もあります。

大人数の宇宙飛行士を抱えるNASAでは、一度も宇宙に行かないままキャリアを終える宇宙飛行士もいるようです。

そうした事情を考慮し、日本では宇宙飛行士の採用人数を必要最小限に絞ることで、各人が宇宙に行ける機会の確保に努めていますが、それでも最低数年は待たなくてはなりません。

また、2003年にスペースシャトル・コロンビア号の空中分解事故が発生し、搭乗していた宇宙飛行士全員が死亡した際には、大幅に飛行計画が見直されて、10年近く待たなければならないこともありました。

宇宙に行けるという保証のないまま、長期間にわたって多大な労力を払い、ただ待ち続けるという日々を送るのは、精神的に非常につらく、気持ちを切らさないだけでも大変かもしれません。

宇宙飛行士の悩み

宇宙飛行士の多くが抱える共通の悩みとして、家族と離れ離れになるなど、プライベートの問題が挙げられます。

JAXAという日本の組織に所属していても、訓練のためにアメリカやロシアなどで海外赴任生活しなければならないケースはかなり頻繁にあり、どうしても家を空けがちになります。

まして、ISSの滞在期間中は、家族とコンタクトを取ることさえ、かなり大掛かりです。

仕事の都合上、どうしても配偶者や子どもにしわ寄せが行って、ほとんど片親世帯のようになってしまうことは避けられませんし、また家族からすれば、命の危険を心配するという精神的負担もあります。

宇宙飛行士自身も、長期間にわたって家族に会えず、寂しい思いをすることも多いでしょう。

宇宙飛行士を目指すなら、自身のプライベートをある程度犠牲にする覚悟が必要になるかもしれません。