テキスタイルデザイナーの現状と将来性

苦境に立たされるファッション業界

ひと昔前に比べて、世界におけるファッション業界の様相は大きく変化してきています。

昔のように洋品店で一着を大切に縫製して仕立てて、裾上げやリメイクをしながら大切に着続けるという家庭は少なく、中国や東南アジアなどの大きな工場で作られた大量生産かつ低価格の服を買い求める家庭が増えてきました。

こうしたファッションは「ファストファッション」とも呼ばれ、日本でも10代や20代の若者を中心に圧倒的な支持を集めているようです。

しかし、この裏側で、苦境に立たされている日本のファッションブランドやメーカーは決して少なくありません。

大量生産かつ低価格の商品が主流となっている世の中では、予算と手間をかけて染色をした糸や加工を重ねた生地、丁寧な刺繍を施した織物を製作しても思うように売れないという厳しい状況に陥っているからです。

繊維メーカーや生地問屋の中には倒産に追い込まれてしまった企業もあります。

消費者に「値段が高くてもいいから欲しい」と思わせることができるような上質なファッションアイテムを作り出すために、これからのテキスタイルデザイナーには新たな価値を創造する力や発信する力がますます強く求められることでしょう。

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決してなくなることはない手作業

時代とともにファッション業界が大きく移り変わっていく厳しさがある一方で、テキスタイルデザイナーの仕事はいつの時代にもどこの国でも欠かせないものであり、普遍的な一面も併せ持っています。

生地の色合いや模様や柄などのデザインに関しては作る人間のセンスやアイディアによる部分が大きいですし、染色や織物の工程では手作業ならではの丁寧な仕上がりになることが多いのです。

機械化が進むこれからの時代において縫製や裁断などはロボットに取って代わられる作業となってしまう可能性も高いのですが、デザインに関する作業は人間の感性や知性や技術が欠かせないものなので、テキスタイルデザイナーの仕事はこれからの時代もなくなることのない職業といえるでしょう。